絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

4月1日(水)絵本わくわくコース・高科正信先生の授業内容

2015-04-02 13:16:15 | 絵本わくわく塾
今日から4月で残す授業もあと3回です。
今日は、高科正信先生の今期最後の授業になります。

今回の授業は「絵本の宇宙」がテーマでした。

最初に宇宙のお話をされました。
宇宙は検討が付かない広さで、人類の誕生は宇宙の歴史の中ではつい最近のこと。



河合隼雄さんの『子どもの宇宙』(岩波書店)では
「この宇宙の中に子どもがいる。このことは誰もが知っている。でも、その子どもの中に宇宙があることを誰が知っているだろうか」
と、問いています。
大人になると子どもの宇宙を忘れてしまうことなのか……

子どもの文学では「宇宙」をどうとらえてるのか?
子どもの中の宇宙(想像力)を表現された絵本を紹介していただきました。



『ともだちは海のにおい』工藤直子 文・長新太 絵
クジラとイルカの友情のお話です。
イルカがクジラに「宇宙ってどれくらい広い?」と尋ねると、クジラは見えなくなるほど遠くに泳いで行ってしまう。
やっと帰ってきたクジラにイルカが言った一言。
「宇宙ってさみしかった」
宇宙をこの一言で表現しています。

『てぶくろ』に出てくる、てぶくろの中の世界や『ないしょのともだち』のように女の子とネズミだけの秘密の世界は、子どもの宇宙そのものなのでしょう。

最後に高科先生が好きなことばを教えていただきました。
哲学者のルイ・アラゴンのことば「学ぶことは、誠実を胸に刻むこと。教えるとは、ともに希望を語ること」
来期はまた違うテーマで授業されます。卒業してもぜひスポット受講で参加してくださいね。


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