絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

2016年10月5日(水)絵本わくわくコース・松田素子さんの授業内容

2016-10-06 15:13:47 | 絵本わくわく塾
本日は編集者の松田素子さんの授業です。
松田さんは『月刊MOE』の編集長を務めた後に、フリーで絵本中心に企画・編集・評論の分野で活躍されています。

松田さんはこれまで300冊以上の本の出版に携わってきました。
本日は絵本が出版される前のダミー本を見せていただき、どう修正して完成されていったのか、貴重なお話を伺いました。

松田さんが編集されてデビューした絵本



長谷川義史さんの『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』もありますね。
長谷川義史さんのデビュー作は、松田素子さんが編集されたのだそうです。
この絵本の主人公は、おじいちゃんだけではなく時代も主人公。
この絵本で大事なのは、時代がさかのぼって読者がその時代に入っていけること。
松田さんは時代背景を丁寧に描いてもらえるよう頼み、長谷川義史さんは何度もダミー本を描き直されたそうです。



『そらまめくんのベッド』の なかやみわ さんは、絵本を描く前にそらまめくんの生きている世界を考え、そらまめ・枝豆・グリンピースを育てました。
そらまめくんや他の登場する豆たちの性格・家の設計図までも細かく設定したそうです。
良い作品は、作品の根の部分(見えない部分)がしっかりしています。
ダミー本と出版された絵本とを、じっくり見比べてみました。



絵本を出版するというのは、一人じゃなく他者の目を通して出版する覚悟がいること。
一冊を出版するより、プロであり続けることはもっと大変です。
長谷川義史さんや なかやみわさんのように、もっといいものをと思う気持ち、志を高く持ってほしいと松田さんはおっしゃっていました。


後半はダミー本の発表と講評をしました。
スポット受講の方は、以前講評いただいたダミー本を修正して、発表されていました。



ダミー本を見ていると、何を伝えたかったのかな?と思うものもあります。
作者もどう伝えたいのかはっきりしていない場合もあって、そうすると読者はもっと分からないです。

伝えたいことは何だろう?どうしたら伝わるのか。自問自答してみてください。
普段から「困るアンテナ」を立てておくと、何かのヒントでアイデアが出ます。
選択する力も必要です。選択するには、さまざまな手段を考えてみます。
絵本でもこの場合なら?いや、こんな方がといろいろな場面を考えるといいですね。

絵本は絵が物語っています。
絵本を本気で読む。絵で読む。 なんでだろう?と考え、深読みをする時間を作ってくださいね。

松田素子さんの授業は次回2月15日(水)です。
ダミー本が発表出来るよう、頑張ってください!













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