絵話塾だより

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2021年4月24日(土)文章たっぷりコース第12回めの授業内容・高科正信先生

2021-04-27 19:10:30 | 文章たっぷりコース
今回は、前夜に兵庫県を含む4都道府県に緊急事態宣言が出たことにより、
リモートで受講される方が多く、教室内は少し寂しい感じでしたが、
このコースは先生が一人で解説してくださるスタイルですので
画面越しでもさほど不便ということなく授業が進められたようです。

まず、前週にNHKの「こころの時代」という番組に、『ゲド戦記』シリーズの翻訳者である
清水眞砂子さんが出ていたことを話題にされました。
この日は再放送だったそうですが、児童文学に込めた祈りのようなことを話しておられたようです。
「ゲド」繋がりから、スタジオジブリ初の3Dアニメーション『アーヤと魔女』の話もされ
こちらは「ゲド」と同じ宮崎吾郎監督作品ではあるが、結構よく出来ているということでした。
29日に公開されるはずが緊急事態で延期になって、残念なことです。

次に、テキスト『書く力』(池上彰・竹内政明/朝日新書)から
「悪文退治」について見ていきました。
悪文のうまい職種に①裁判官 ②学者 ③新聞記者 があり、それぞれが書く悪文は性質が異なるというのです。
文章は誰かに何かを伝えるためのものなのに、意味が分かりづらいのが即ち悪文の定義です。
先生がとくに気を付けてほしいのは、主語と述語の関係性をはっきりさせることだと言います。
日本語は、英語などと違って主語がなくても意味が通じる言語ですが
ないと分かりにくいものです。
主語を省略したり、主語と述語が極端に離れさせるようなことは止めた方が良いということでした。



著者のお二人が嫌いな・自分では使いたくない言葉がいくつも上がっていて
なるほどな、と納得できることも多かったです。
最近TVなどで、「〜したいと思います」と言っているのをよく耳にしますが
「したい」と「思います」という気持ちを表す言葉が二重に使われているのが気になる、と言うのです。
他には関西の芸人が言い出して、今では一般的になった「(うちの)嫁」「いじる」なども気になります。
言葉は時代につれて変わっていきますので、この先どうなっていくか分かりませんが
自分で書く文章は嫌いな言葉や言い回しを避けて、できるだけ分かりやすく書くように心がけましょう。

この後、悪文の例として新聞に掲載された商品宣伝用の文章を見て
体言止め・用言止めの混在、同じ言い回しの文末や「!」「…」の多用など
ツッコミどころ満載なことを確認しました。
世の中にはさまざまな悪文が出回っているものなのですね。



後半は、前回の課題「詩と、それにまつわる文章を書く」について
それぞれが提出した作品をざっと紹介していただいた後で
阪田寛夫の『まどさんのうた』(童話屋)から、まど・みちおの「はるかな歌ーわが妻の生まれし日のうたー」
を取り上げて、その詩について解説した文章を見ていきました。
坂田さんはまどさんのファンで、ていねいに取材をしてからこの解説を書いたのだそうです。

他には、高科先生が若いころ参加していた『凪と嵐』と言う同人誌から
1988年6月号に掲載された「また・シェフのシアワセ」という自作の文章を紹介してもらいましたが
同作には石垣りんの「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」が」引用されていました。

ひと口に「詩の引用で文章を書く」と言っても、さまざまな書き方があるのが興味い課題でした。



最後に、新聞に投稿された70代の男性の悩み相談を読んでいったのですが
これのどこが悪文なのかと考えていたら、なんと今回の課題はこの悩みに回答するということでした。
他人の悩みの相談ですから、真面目に答えてもいいし、軽いジョークで答えてもいい。
正解はなく、責任を取る必要もないので、気軽に書いてくださればいいのですが
読後に腑に落ちて、「なるほどな」と思えるものが良いかもしれません。
元のお悩みが560字程度ですので、答えは同じくらい〜1000字くらいで書いてください。
文章にはタイトル(見出し)や短い小見出しがあっても良いです。
頑張って書いて見てくださいね。

一般的に、子どもの本には人生の手引きになるようなことが書かれている場合が多く
しかもそれは多様性に富んでいます。
ものごとの正解は一つだけではなく、いくつも存在していて
人それぞれで良いということを教えてくれるのです。

毎回違った角度から文章を書くやり方を行っている文章たっぷりコース。
得手・不得手はあるでしょうが、「こんなテーマなら(いくらでも)書ける!」というのが見つかれば
どんどん書いていくというのも、文章上達のために役に立つのではないでしょうか。

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*4月・春のわくわくガイダンス

・4月29日(木祝) ①14:00〜16:00 ②17:00〜19:00

なお平日も午後1:00以降ならお好きな時間にガイダンスを行いますので、
参加ご希望の方は来られる日時をお知らせください(ガイダンスの所要時間は1時間30分程度です)。

お問い合わせやガイダンスに参加をご希望の方は TEL078-332-5808または、
こちらのメールフォーム からお願いします。


よろしくお願いいたします。


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