長谷川集平さんのお話。
ダミーを講評する前に絵本作家の長谷川集平さんの『はせがわくんきらいや』のお話。
この絵本は1976年の第3回創作えほん新人賞を受賞されましたが、長谷川さんは当時の審査員の講評が辛辣で傷付いたと語っています。内容はヒ素の混入した粉ミルクを飲み障害を負った「はせがわくん」をめぐる物語。はせがわくんは、森永ヒ素ミルク中毒事件(1955年)の被害者という設定。一度手にとって読んでみてはいかがですか。
絵本作家 林明子さんの描く「人物」について。
林明子さんが描く人物は秀逸で、人の後ろ姿を描く時は、その人は今怒っている、泣いている、いままさに走り出そうとしている等、全てにおいて描き分けているそうです。たとえ後ろ姿でも顔が見えなくても感情を表現しています。
スタジオジブリの宮崎駿さんは、「めんどくさい」とよく言うそうですが「めんどくさい」と言いながら何度も訂正しています。止めてしまえば、それまで。
最近、松田素子さんが読まれた本で
『あふれでたのはやさしさだった』。奈良少年刑務所で授業をするお話で、絵本ではありませんが、非常に感動されたようです。
著者・寮 美千子 (リョウ ミチコ)
授業の後半はダミーの講評です。
ダミーを作るとき、全てのページに色を付けてもいいのですが、直しなどを考えたらメインの見開きのみ色をつけてあとはモノクロでもOKです。
毎回ダミーを見て思うのは。
・読者は理屈屋、絵本のなかで理屈が通っていなければ 納得しない。
また都合のいい展開だけでは読者は納得しない。
・子どもの本は人生を肯定してくれる。
・絵本は「あらすじ」になってはいけない。
・言いたいことは全部言わない。
などです。
授業中に松田さんが紹介しました書籍です。
『てん』
作・絵: ピーター・レイノルズ
訳: 谷川 俊太郎
出版社: あすなろ書房
『トミーが三歳になった日』
作: ミース・バウハウス
絵: ベジュリフ・フリッタ
訳: 横山 和子
出版社: ほるぷ出版
『トンカチと花将軍』
作: 舟崎 克彦
絵: 舟崎 靖子
出版社: 福音館書店
『ナマコのばあちゃん』
作: こしだ ミカ
出版社: 偕成社
では今日はこれで!またお会いしましょう。
●6月のガイダンス(説明会)のお知らせです。
秋から始まる絵話塾の生徒を募集しています。
絵話塾にご興味のある方は、ぜひご参加ください。
お待ちしています。
6月17日(土) 11:00~
6月18日(日)18:00~
6月24日(土)18:00~
6月25日(日) 18:00~
詳しくはメールkaiwajuku@galleryvie.jp
またはtel.078-332-5808までご連絡ください。
よろしくお願いいたします。