絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

2021年12月15日(水)絵本わくわくコース・高科正信先生の授業内容

2021-12-16 16:18:07 | 絵本わくわく塾
高科正信先生の2回目になる授業は「私はだれか?後編・家出という”私”探し」というテーマでした。

「私」という漢字のお話を少し。
私 という漢字は中国から来た文字で、禾(のぎへん)に ム と書きます。
禾 は五穀(米・稗・粟・麦・豆)という意味で、ム は △(三角)の変形で、囲むという意味があり、
私とは「五穀を囲む」という意味があるそうです。
昔は共同体で貯蓄して、それらを城壁で守っていた。
この囲いの中から出ていくことを家出といい、違う意味で家出は私の中から外に出て行くこと(自分はいったい誰なのか?という行為)
今回の授業では、そんな家出の絵本を紹介していただきました。




・『ラモーナとおかあさん』べバリー クリアリー 1985年 (学研)



7才のラモーナはお母さんに「まだ小さいから無理よ」と言われ、悔しくなり家出を決意する。
お母さんは沢山の荷物を持たせ、ラモーナの家出を助けるが、あまりにも重たくてラモーナは家出を断念する。
その時ラモーナはお母さんから「ラモーナ、あなたなしでは、とってもやっていけないわ」と、ずっと言ってほしかった言葉を言ってもらえたのです。



お母さんはラモーナに家出を助けるふりをして、二人との魂の修復をはかったのです。

ラモーナは子どもらしく、いろんな問題とぶつかって解決していく姿が、高科先生は大好きだとおっしゃっていました。


・『はらぺこおなべ』神沢利子 文 渡辺洋二 絵 1970年 (あかね書房)



おなべの婆さんが家出をする。これは、家出をする女性の話を表現しています。
女性で置き換えると「毎日誰かのためにごはんをつくる。一体、私は誰?と思うが、私は私のために生きる!」と思い直すという絵本。



「私は何のために、こんなことをしているのか」というような疑問に対して、子どもの絵本が処方箋のように解決してくれる時があります。
図鑑や辞書のように難しい言葉ではなく、優しいことばで腑に落ちるページに出会うと「あ〜、よかった」と次に進むことが出来る。
絵本は奥が深いですね。


【課題】 1月26日(水)提出
「絵本のテキスト」を書いてください。
テーマ「もり」
15場面でストーリーのある もりの絵本のテキストを書いてください。

絵本わくわくコースの年内の授業は本日で最後でした。
皆さまお疲れさまでした。

来年は1月19日(水)から始まります。
よろしくお願いいたします。


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絵話塾 第19期生
12月からいよいよ募集開始です。
2022年1月31日までにお申込みの方に「特典」がございます。
人数に限りがありますので、興味のある方は
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皆さん待っています!

●ガイダンスのお知らせ
1月16日(日)……p.m2:00~とp.m5:00
1月22日(土)……p.m2:00~
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〒650-0022
神戸市中央区元町通3-2-15セントラルビル元町5F
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2021年12月11日(土)イラストじっくりコース・福田利之先生の授業内容

2021-12-15 19:47:58 | イラストじっくり塾
本日のイラストじっくりコースの授業は、福田利之さんの初回の授業です。

ちょうど隣のギャラリーでは、福田利之さんの展覧会「冬の間2」を開催しています。
今日が初日ですので、お客様も多く福田さんも行ったり来たりとお忙しいです。




授業の方では、クリスマスカードを作るワークショップをしました。
ワークショップが終わりましたら、クリスマスプレゼントの交換もあり、お楽しみが待っていますよ。


クリスマスカードは既存の封筒を1枚に広げて、その封筒に直接イラストを描きます。
表面・裏面・便せんの3パターンのイラストを描くのですが、3場面のストーリー性のあるイラストになっているといいですね。

 

イラストにストーリー性を持たせるのは、雑貨作りの時にも必要になります。



クリスマスカードは受け手がいるということで、もらったら嬉しいだろうなと思うものであることも大事です。

 

相手に楽しいという気持ちが伝わるように、楽しい気持ちで作りましょう。

あれっ、飛び入りゲストです!
tupera tuperaの亀山さんと中川さんファミリーがいらっしゃいました。
福田さんの展示を見にいらしていたようで、教室を覗きに来てくださいました。



こんなスペシャルなことが起こるのも、絵話塾ならではですね。

皆さんのユニークなアイデアがクリスマスカードになって完成しました。


サンタが滑ったスキーの跡が便せんのラインになっていていいアイデアです。

 
封筒の切り抜きが窓になっていて、便せんに描かれたイラストが窓から見えます。
封筒を開けるのもワクワクして楽しいですね。

その他にも貰うと嬉しいクリスマスカードが完成していました。

 


福田利之展覧会 冬の間2
12月11日〜12月26日
12時〜19時 月火・休み 
最終日18時まで

福田利之さんがお仕事で描かれたイラストも展示しています。
原画が見れる貴重な機会ですので、ぜひ見にいらしてください。
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2021年12月8日(水)絵本わくわくコース・スズキコージさんの授業内容

2021-12-11 19:48:17 | 絵本わくわく塾
本日の絵本わくわくコースは、スズキコージさんの初回の授業でした。

コージさんの初回授業では毎年「LIFE IS A MIRCLE 君の今までの人生で起こった喜怒哀楽事件?を描こう!」のワークショップをします。



エミール・クストリッツァ監督の『「LIFE IS A MIRCLE』という映画がありますが、
コージさんは大好きな映画で、日本の映画フライヤーのイラストを描いたことがあるそうです。

機会があったら是非観てみてくださいね。

最近では、和歌山県有田町で14メートルの倉庫に絵を描かれたそうです。


ライブペイントや展覧会とお忙しい中、絵本の制作もされています。
次の絵本の見本が上がってきたところで見せていただきました。
『ポチャッ ポチョッ イソップ』 アーサービナード 作 スズキコージ 絵


ノリノリのBGMを聞きながら制作は進みます。

 

いろんな世界の音楽が流れるので、何処の音楽かをクイズで当てるのも楽しい時間です。

そろそろ完成でしょうか?
では発表していきましょう。

・小さい頃、ストーブの上に座って火傷をした
・初めての1人旅行での喜怒哀楽
・野良ネコが残していったちくわの話
・龍の雲から流れ星が流れた

       

皆さん、いろんな経験をしていてサスペンスドラマを見ているようでした。

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2021年11月28日(日)絵本レベルアップコース・高畠純先生の授業内容

2021-12-08 20:45:02 | 絵本レベルアップ
久々の絵本レベルアップ、本日は高畠純さんの授業です。

先ずは先生のお話しと絵本の紹介です。

どちらかが良くても絵本としては成り立ちません。
作を考えるときに、今まで出版されている似たようなお話しは避けてください。
そのためにはまず出版されている絵本を読むことは非常に大切です。
またひとつの絵本に時間をかけ過ぎても行き詰まることが多いので、その時は違う絵本を作ってみるのも良いと思います。

次に絵本の紹介です。

 

ひとつめは『It Looked Like Spilt Milk』作者はCharles G. Shaw。
昔の絵本ですがアマゾンで購入することができます。日本語版も出版されています。
あとの2冊は高畠純さんの新作絵本です。

次は頭を柔らかくする授業です。

 

動物の「ゾウ」と「ナマケモノ」それぞれの特徴を考えます。
ゾウは、耳が大きい・でかい…。ナマケモノは、動きがゆっくり・いつも寝ている…。
さあ、これからこの2つの動物から、
おっと、これからの内容は、絵話塾の教室で!ではまた。

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2021年12月4日(土)文章たっぷりコース・3回目の授業内容/高科正信先生

2021-12-08 20:09:16 | 文章たっぷりコース
この日は「もう12月に入りましたね」ということから始まりました。
寒くなったので、高科先生はもう釣りに出かけてないそうですが、この日駅までの道でスミレとマルバアサガオが咲いているのを見かけたそうです。
小学校の生け垣にも冬桜が咲いていたそうですし、この季節でも周りを気をつけて見てみるといろんなものを発見できるのですね。
先生はよく身の回りの自然についてお話しされるのですが、私たちが日々の暮らしの中で見逃してしまうようなものでも、
先生のフィルターにかかるととても美しく興味深いものに変わるようで、素敵です。



ということで、まずはテキスト『日本語の<書き>方』(森山卓郎 著・岩波ジュニア新書)から見ていきました。
いつものように、交代で音読して繋いでいきます。



この日は、第2章 どんな「語」を使う?—ボキャブラリーの輝き から、以下の箇所を見ていきました。
1.言葉には使い分けがある
・よく似た言葉だけれど—カロリーオフとカロリーゼロの違い
・歩き方をどう表す?
・正確に、細かく、表現し分ける
・漢語・和語・外来語の意味の違い
2.言葉と意味の広がり
・「水筒持参」と言われたら
・「電話を切る」の意味とは?
・血圧はなぜ「高い」?
・「公算が大きい」? 「公算が高い」?
・慣れておきたい慣用的な表現
・慣用表現の注意点



「トコトコ」「そろりそろり」のように、皆で歩き方の表現を考えてそれぞれ発表していきました。
それぞれの表現で、どんな状況でどんな動き方をしているかを表しているのが詳しく分かります。
日本語には「オノマトペ」(擬音語や擬態語を表す言葉)がたくさんあり、雨の降り方や風の吹き方を表すものまであります。
読み手が理解できるならオリジナルのオノマトペを使うのも良いのですが、あまり多用せず、ココというときに使うのが望ましいそうです。
オノマトペでも音を表すときはカタカナ、様子を表すときは平仮名を用いるのが一般的です。

例えば「すごい」という言葉を使うとき、顔を見ながら会話する場合なら表情やニュアンスで “どうすごいか” を理解してもらえるかもしれませんが
文章の場合はそうはいきません。
文章の中で形容詞を使うときは常に、この言葉がいちばん適切なのか、他の言い方はないか考えるクセをつけると良いでしょう。
次々新しく出てくる外来語も、元々日本語にあった言葉なら、敢えて外来語を使わずに日本語で通すという方法もあります。
自分の文章のスタイルはどうすれば良いか、考えながら言葉を選択しましょう。



テキストの途中で、『日本語のレトリック 文章表現の技法』(瀬戸賢一 著・岩波ジュニア新書)へ飛び、「換喩」の箇所を見ていきました。
ここでは芥川龍之介の『羅生門』を例に挙げて、「市女笠」と「揉烏帽子」という言葉で、それらを身につけている人物のことを表して
“指示をずらす”テクニックを紹介していました。
また、「電話を切る」「手を貸す」「鍋が煮える」「モーツアルトを聴く」なども、本来の言葉の意味からはずれていても
どんなことを意味するかは理解できる比喩表現なのだそうです。



またテキストに戻り、慣用的な連語は覚えるしかないというところでは
「役不足」や「情けは人のためならず」も逆の意味で捉えている人が多いので気をつけましょうということでした。
どのような意味か疑わしいときは使わない方が賢明ですが、それでも使いたいときは辞書を引いたり
新聞記者などが使う用字用語の手引きを手元に置いて、確認しながら書けばよいでしょう。
慣用句は知ったら使いたくなるものですが、こちらもほどほどにして使いすぎないようにしてください。

続いては、まど・みちおさんが2014年に亡くなった直後の新聞記事と、インタビュー集『いわずにおれない』(集英社文庫)から
まどさんがどのような気持ちで詩を書いていたのかを見ていきました。



まどさんは、作品にメッセージを込めることはしません。世に出た作品は、受け手が自由に解釈すればよいという考え方で
ただ、「この作品はこんなふうに読まれたがっている」と思うだけなのだそうです。
これからも、まどさんも含め高科先生がお好きな何人かの詩人のことを、授業の中で紹介してくださるそうです。



最後は、前回提出した課題「アイについて」を皆に返却し、誰の「アイ」も被っていなかったことを教えてくださいました。
今回のように、他の人と重ならないよう独自性が出るテーマを選ぶのは大切なことです。

先生は、皆さんから提出された課題を少なくとも3回は読むのだそうです。
①提出後すぐざっと内容を確認(通読)、②一週間ほど経った頃隅々まで読み込んでコメントを付け(精読)、
③返却前に読み返して読み違えや読み漏らしがないか再確認(味読)してから返却するとか。

原稿を書く場合も、少なくとも3度は書き直すそうです。
①書き散らす ②(読み返して)手を加える ③清書する というふうに。 
ただ、清書しても完全原稿にはなりません。
少し時間を置いて読み返すと、不備が見つかったり、別の表現方法が見つかったりして、再度書き直せばもっと良い作品になるからです。
高科先生の『はしをわたってしらないまちへ』(福音館書店 こどものとも)は、出版が決まってからでも10回くらい書き直したとか。



最後に、今回の課題です。
「てぶくろ、マフラー、ストーブ、こたつなど、人の体をあたたかくする冬のモノやコトについて」
好きな手法、好きなジャンル、好きな長さで書いてください。
手書き、パソコン、どんな手法でもかまいませんが、提出する原稿は読みやすく仕上げることを心がけましょう。



この日習った “どんな語を使うか” に気をつけて、人と重ならない独自性のある内容で書けるよう頑張ってくださいね!
次回は12月18日の17時から。年内最後になりますので、よろしくお願いします。






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