隠れ茶を守る会 ブログ

茶処静岡の安倍川最上流、幻の銘茶の産地「梅ヶ島」の荒れゆく茶畑を・茶業を・景観を守るために活動を始めました。

Web雑誌 tabelatte 「世界のキッチン事情」に梅ヶ島のお台所が登場!

2013年02月07日 | 梅ヶ島歳時記

梅ヶ島の年末のお料理が、普通のお節料理とは一風変わったものであることは、先にお知らせいたしましたが、そのお料理を、Web雑誌の tabelatte が掲載くださいました。いつまでも残って欲しい梅ヶ島の大晦日料理・・・大切にしたいものです。

http://recipe.tabelatte.jp/feature/kitchen/vol13/

 

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Kitchen data ~Vol.13 From日本・静岡県梅ヶ島~

村の方々

【location】
 静岡県静岡市中心部から約45キロ北上した安倍川の上流にある
 静かな山村・梅ヶ島。

 昔ながらの暮らしを大切にしている村の方々
(大村さん、望月さん、杉山さん、小泉さん、新村さん)のお宅。

水道は湧水、燃料は薪。昔ながらの暮らしを大切にする山村の台所

  静岡駅から北へ45Km。広大な南アルプスの麓に広がる静かな山村・梅ヶ島は、「安倍川」の上流にあり、徳川家康にゆかりのある土地でもあります。金山巡視の道すがら、「腹が減った」と言う徳川家康に、農家の人が小判を模して「きな粉をまぶした」餅を出したところ、気に入った家康公が「なんという食べ物だ」と問うと、「名はありません」。「ならば、安倍川餅、だ」と命名したとか。

今回は、コンコンと良質の温泉が湧き出る自然豊かな梅ヶ島で、数百年の昔から代々暮らす方々が大切にしている、「キッチンと暮らし」をご紹介していただきました。

 築200年になる大村さんのお宅。「畑仕事から帰ってきて、靴のまま手早く食事ができるように」と、昔の日本の民家には当たり前のようにあった土間を、60年前に改装したキッチンは、現在も土間の面影が残されています。

 土間には、どの家庭にも必ず「薪ストーブ」が置かれ、寒い時期は食卓としても利用されています。暖を取りつつ食事ができる「薪ストーブ」の燃料は、間伐材や払った木枝など。もちろん、ガスも電気も引かれてはいますが、昔ながらの暮らしは、エコ感覚に優れています。食事以外のときでも、家族団らんの場所に。かつての囲炉裏の感覚でしょうか。デザインも各家庭個性的。同じものはひとつもないというのも面白いところです。

 ちなみに、標高1000mに及ぶ梅ヶ島は、標高が高すぎるため水道が引けず、今でも湧水から、直接各家庭に簡易水道で引き込んで利用されています。南アルプス山麓の水が水道から出てくるのは、ある意味贅沢かもしれませんね!

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200年も受け継がれる味噌桶、代々受け継がれる我が家の味

  さて、キッチン(土間)の脇には、味噌や漬物などを保存するための小部屋があります。大村さんのお宅には、なんと200年も使い続けている味噌桶がありました。もはやアンティークのカテゴリーですが、立派に現役です。代々受け継がれてきた道具を守り、土地に根付いて暮らす。今風の便利さとは対極にある部分もありますが、一朝一夕には実現できない分、憧れも感じさせられます。

  梅ヶ島のお宅のキッチンの上部は、薪を燃すことによって出る煤に覆われています。台所には必ず祀られる神様も真っ黒。しかしながら、この煤が虫よけの役割も果たしているそうです。昔ながらの暮らしには、必ず…その土地の気候風土に合った「暮らしの知恵」が隠されていものなんですよね。

 梅ヶ島は標高が高く、寒暖の差が激しいため霧がよく発生します。また、水が美味しいなど、銘茶を生産する条件が最高にそろっている土地でもあり、ここで生産されるお茶は「隠れた銘茶」と言われています。「和紅茶」も生産されています(写真は、梅ヶ島で生産される最高級の和紅茶)。梅ヶ島とお茶は、きってもきれないものだそう。家族の歴史が積み重なった家で、薪ストーブを囲んで地元のお茶でほっこり。素敵な山村の暮らしです。

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定番料理はなんですか?

煮上げ(にあげ)

 滋味豊かな食材と清涼な湧き水でつくる毎日の食卓は、どれも深みのある味わいです。写真は、伝統的なお正月のお料理「煮上げ(にあげ)」。「煮て、神様にお上げする=お供えする」の意味があるそうです。大根、人参、ごぼう、こんにゃく、シイタケ、昆布、青物。野菜だけで7色に彩色した「煮上げ」に「あずきご飯」を添えて、大晦日にお供えし、元旦に下げていただくそうです。

 

Report+Photo by Akiko Kajiwara http://umegashima.jp/
Realization by Sawabon

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