かねうりきちじの横浜・喫茶店めぐり

珈琲歴四十年の中の人が、珈琲豆荷揚げ量日本一を誇る横浜港のある町の喫茶店でタンザニア産コーヒーを飲み歩きます

関山丘陵~長者ヶ原廃寺跡から見える山(5)

2012年02月24日 | 旧ブログ記事(長者ヶ原廃寺跡・衣川関係)
 長者ヶ原廃寺跡から見える山シリーズも今日で最終回。

 その掉尾を飾るのは、関山丘陵。


画面奥に見える丘陵が関山丘陵。このブログの最初の回にも登場しています。

 昨日の一首坂段丘と同じで、山の名前ではありませんが、通称関山(かんざん)丘陵と呼ばれています。

 ここにはかつて関所がおかれていたと伝えられていることから、関山と呼ばれるようになったのでしょう。

 そして、関山といえば、中尊寺(ちゅうそんじ)の山号。

「五月雨の 降り残してや 光堂」と松尾芭蕉に詠まれた、国宝・金色堂があるお寺です。

 この中尊寺を建立したのは藤原清衡。

 長者ヶ原廃寺跡は、この清衡とも深く関わっているかもしれないのです。

 長者ヶ原廃寺跡を建立したのは、安倍氏という豪族だということは昨日記しました。

 実は清衡の母は、その安倍氏の出身で、貞任の姉か妹なのです。

 長者ヶ原廃寺跡は安倍氏が滅びるとともに廃墟になってしまったようですが、清衡が小さい頃はまだ偉容を誇っていました。

 ですので、もしかしたら中尊寺を建立した清衡が、人生で初めて仏あるいは仏教に触れたのは、この長者ヶ原廃寺跡なのかもしれません。

 中尊寺を作った清衡の、仏教的原点がここにあるのかもしれないのです。


金色堂の撮影はNGなので、代わりに経蔵の写真を。
かつてここには紺紙金銀字校書一切経が保管されていました。