今日が一番素敵

丁寧な暮らしを心がけながら、日々、折々のの心模様を素直に語ります。
今が一番素敵との思いを込めて。

お盆を迎え、思いは色々

2014-08-14 08:03:01 | 暮らし

わが国独特の慣習行事のお盆が、また訪れました。

シニアー世代の方々は、ご先祖様、亡きご両親やご兄弟を迎え火でお迎えし、偲び、心静かにお過ごしになられる方が多いのでしょうか。

お子様に先立たれた方々の、お盆に寄せる思いは殊更でいらっしゃる事でしょう。

一昨年、息子様を亡くされた真向かいのお宅のご両親様の胸中へ、私は思いが至ってばかりいます。

 

一方、民族大移動の言葉通り、郷里に戻られたお子様達を迎え、老体鞭打ってご馳走を振る回られるお姿も目に浮かんでもきます。

或いは、我が家の若夫婦同様に、日頃の労をねぎらうために、行楽地へと向かい、思い切りレジャーを楽しまれる方々もいらっしゃる事でしょう。

いずれも、お盆の姿ですね~

 

実は、朝の家事が一段落着き、きょう投稿予定の記事を書き終えようと、窓辺の椅子に腰かけた時のこと。

五時過ぎ頃の事でした。

スイスに家族旅行に出かけている長女家からメールが入り、何事、と恐る恐る、携帯を開きました。

婿のHさんからでしたが、下記のように記されていました。

「スイスで、列車事故がありましたが、僕たちはその電車には乗っていないので大丈夫ですよ。」

 

良かったぁ~

このメールが届く前に、そのニュースを目にしていたら、生きた心地がしないほど心配したことでしょう。

日本人の旅行客が重傷を負われたようです。

命に別状がなく、お元気を回復されますように。

ご家族様のご心配はいかばかりかと、胸が痛みます。

 

盆休みは、車も渋滞し、事故も多いシーズンです。

お出かけの方々は、くれぐれもご注意くださいね。

 

 

さて、突然のメールで、心が動揺し、別の話題になってしまいました。

お盆の過ごし方は、人さまざまと言った内容でした。

 

しかし、新盆となると、趣が随分違ってきます。

私は、一連のお盆行事を無事に終えると、迎え火を焚く事もせず、最近は淡々とお盆を過ごしますが、

新盆の施食会でのこと。

お坊様の御経を耳にしながら、拭っても拭っても涙が溢れ、止まりませんでした。

歳月は瞬く間に経過し、今から18年前のことになります。

二月に母を八月に父を、思いがけない医療事故で失いました。

 

その気になれば、裁判に訴えることは、十分可能でしたでしょう。

母の事故は、今思い起こしても、余りのずさんさで、勝訴の自信は、十分あります。

 

けれど、両親を亡くした心の寂しさから立ち直り、子供達のために穏やかな暮らしをしたい、との一心で、忘れ去る道を選択した私たちでした。

両家の旦那さまが、医師の前で沈黙を通す態度が、少々情けなく、

「頼りない人たちね~」

と、妹と批判し合い、愚痴ったりもしましたけれど。

でも恐らく、

「今さら騒いでどうする。

親の命が戻るわけでもない」

と言いたかったのでしょう。

 

 

母が亡くなり、まだ日の浅い頃の事。

その病院で、今も忘れ得ぬ、若い医師と交わした印象的な会話がありました。

廊下でたまたますれ違った先生が、病室で母の手術に当たられた先生方のお一人だったのです。

緊急の判断とは言え、手術室ではなく、病室で行ったことに、重大な問題がありましたし、

手術を担当されたお医者様達は、日頃母を診て下さっていた整形外科とは異なる科の先生方でした。

主治医は、手術中で、いらっしゃいませんでした。

このお話は、またいつか触れさせていただくかもしれませんが、今日は詳細は省きます。

 

その時、その若い医師の方から声をかけて下さったのか、私から先に声をかけたのかは記憶が定かではありません。

けれど、二人で、廊下の長いすに腰かけ、7~8分でしたでしょうか。

母の事で話し込みました。

私は目に涙をため、声を詰まらせながら、この度の手術が納得がいかないことをその若い医師に訴えたのです。

 

その青年医師が、その時私に返した言葉は、今でもよく覚えています。

「私の父も、医療ミスで命を落としました。

その義憤から、私は医師になろうと決心し、いまここで働いています」

と。

 

 

 

私は、何と言葉を返せばよいのか分からなくなりました。

「医療事故は、よく起きることだ。

私の父親もそれが原因で命を落としたのだから、貴女も諦めては如何ですか」

そのように言われたように感じ、私は内心、とても腹が立ちました。

 

まだ若い先生でしたから、自分の思いを正しく表現がおできにならなかっただけかもしれません。

私を慰めるおつもりだったのでしょう。

でも、それは見当違いもいいところ。

「私も同じ経験をしていますから、あなたの気持ちは痛いほどわかります」

とおっしゃるべきではないでしょうか。

 

私はさらに何か言おうとすると、その先生は、まるで逃げるように席を立ち、その場を去られました。

その後、私はいっそう悲しみが押し寄せ、たまらない気持ちになったものです。

 

 

 

あれから歳月が瞬く間に流れ、18年が経過しました。

その間、娘達の結婚、孫の面倒を見たりで、主婦として多忙を極め、まるで両親が寂しがる隙を与えないように気を配ってくれたかの様でした。

最近の方が、却ってしみじみと親を思い出し、感謝の念が一層沸いてきます。

「孝行したい時には親はいず」の「風樹の嘆き」の諺を実感するこの頃です。

 

親の思い出も、楽しいことばかりではなく、妹と、

「こんな苦労も嘗めさせられたわね~」

「そう言えば私も」

と。

けれど、今となってはすべてが、懐かしい思い出です。

愚痴っぽくなることは全くなく、笑い合って終わりの姉妹。

お墓参りをするたびに、感謝の念のみが沸いてきます。

 

入選した母のお習字の作品

 

今日は、こんなことを話題にする予定では、全くありませんでした。

12日にお寺さんをお迎えし、その後、妹夫婦と我が家近くの素敵な和食処で、昼食を共にしました。

とても寛ぎ、楽しかったそのひと時の様子を綴る予定でしたのに・・・・・・

相変わらず、気分に任せた記述で、何だか恥ずかしい。

妹に先を越されるかしら。

 

姉妹って、本当にいいものですね~

義弟も、穏やかな人柄で、お話しがとても楽しくて・・・・・・

皆で体をいたわり合い、励まし合い、シニアーらしい話題に事欠きませんでした。

四人で、実に楽しい会話を堪能し、有意義なひと時を過ごす事ができました。

この話題は、また日を改めてさせていただきます。

 

それにしても、長女家達は、順調に旅行の行程をこなす事が出来ているのかしら?

パリに二日、スイスに一週間の予定で出かけましたが、

やはり、ちょっと心配です。

 

       

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