ゆるゆるらいふ

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【観劇メモ】「常闇、世を照らす」 田中角栄「闇の将軍」シリーズ第3弾

2020年11月05日 | 演劇

「常闇、世を照らす」

脚本・演出 中村ノブアキ

サンモールスタジオ

故田中角栄元首相をモチーフにした「闇の将軍」シリーズの完結編。

第1弾「夕闇、山を越える」では

故郷新潟を背負って政界入りしてから、最年少大臣になるまで。

第2弾「宵闇街に登る」では

総理大臣に就任するまで。

そして今回「常闇、世を照らす」では

ロッキード事件での逮捕、裁判、病に倒れ引退、そして亡くなるまで。

全部観てるのに、なぜ、前作2作のブログを書いてなかったんだろう?

この舞台を観るきっかけは、2013年に受講した戯曲セミナーのお仲間が出演しているから。

1作目ではお仲間の一人、青木友哉さんが秘書の本間幸一として。

2作目ではさらにもう一人、山森慎太郎さんがトレードマークの髭を剃って二階堂進を。

この時は青木さんはやはり秘書の早坂茂三を演じていて、セリフの中に前作の秘書の名前がさらっと出てきたりしていた。

完結編となる今回は山森さんは同じく二階堂進を。

青木さんはまたまた秘書の朝賀昭を。

3話通して秘書を演じ分けて、今回もさらっと「早坂さんに頼まれた」なんてセリフがあってくすっと笑える。

シリーズで観た人だけのお楽しみですね。

3作通して、田中角栄を演じている狩野和馬さんが、田中角栄そのもの。

お顔の雰囲気も話し方もそっくり(主観です)

これは終演後のポストトークの時の写真。(撮影可でした)

右から2番目が田中角栄を演じた方。

一番左は作・脚本の方。

向かって左は山東昭子さんを演じた方です。

お金をばらまき、恫喝したり、優しくすり寄ったり、外に他の家庭もあったり、と家族も含めて周りは大変だろうけれど、全編通してとにかくチャーミング。

倒れてから、娘の田中眞紀子さんが外の家庭や愛人に決別を告げるシーンの迫力ったら。

でも、実際家族なら、正直な気持ちなのだろうな、と思ったり。

作家さんの主観が入っているので、実際がどうだったかはわからないけれど、情が深い人だったのでは、となんとなく思う。

そうでなければ、あの時代の超エリートの政治家たちが総理に押すわけが無いだろう。

劇中、ロッキード事件について、本人は無実を主張し、ハメられた、とプライベートでも主張していた。

真実はわからないけれど・・・。

ロッキード以降、じわじわと人が離れていき、スケジュールが空いていき、酒量が増え・・・

権力者が堕ちていくさまと、すがりつくさまがなんとも悲しい。

今回も前回も、福田赳夫さんがちょっとずるくて、でもちょっと詰めが甘くて、個人的にはかなりツボ。

それにしても。あの時代の政治家の面々は存在感があったな~、としみじみ思う。

良くも悪くもダイナミック。

正面から戦うときも、根回しをするときも、ここ数年のような素人が見てもバレバレの姑息さはなかった気がする。

「高度成長」の理由がちょっとわかったような・・・

サンモールスタジオのような小さな劇場での上演はちょっともったいない気がした。

今回は配信もあるということなので、周知されるといいけれど。

「観劇三昧 ライブ配信 JACROW」で検索するらしいです。

ラストは、政治家には絶対ならない、と父角栄に言い放った眞紀子さんの演説。

これがまた、よく特徴をとらえていて、笑えるほどのド迫力。

このあと眞紀子さんシリーズもあったらいいな~、と密かに思いました。

ロッキード事件のころ、私は高校生だったように記憶している。

私の通っていたいた高校では当時学校祭の時に「行灯行列」というのがあって、クラス対抗で大きな行灯を作った。

その時の社会情勢を風刺するようなものも多くて、どこかのクラスがロッキード事件をテーマにしたものを作っていた、と記憶している。

「蜂の一刺し」

「灰色高官」

「ピーナッツ」

などなど、当時の報道で耳にしていた言葉が次々と出てきて、ちょっと懐かしかったし、あの時の出来事を解説してもらってるようでわかりやすかった。

あっという間の2時間半。

コロナ禍で上演が危ぶまれる中、上演に至るまでには様々なご苦労があったことと思う。

このあと、3部作ぶっ通しの公演があるとのことだけれど、腰痛持ちの私にはちょっと無理。

成功をお祈りしています。


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