「夕(ゆう)」 タクフェス
作・演出 宅間孝行
2024/11/7 池袋サンシャイン劇場
スーパーエキセントリックシアターの公演と同じく、
この時期の毎年のお楽しみ「タクフェス」
今回は珍しく夫と二人で出かけて行く。
物語は1980年代の長崎
ヤンキー兄弟の真ん中「もっちゃん(古谷敬多)」に想いを寄せる幼馴染の「夕(矢島舞美)」
宅間孝行さんはもっちゃんのお父さんだ。
お母さんは藤田朋子さん。
ボディコン、DCブランド、おニャン子クラブ、つっぱり・・・
懐かしいワードが飛び交うなか、
高校生から社会人になるまでの友情や恋愛やそれを見守る大人たちの
ふつ~の日常が描かれている。
ああ、そんなことあったな~、と
誰もがなにかを自分に重ね合わせて観ていたのではないだろうか。
自分の想いをさとられないように必死で抑える夕、
夕の想いにも自分の想いにも気が付かないもっちゃん。
大切な想いをその時に伝えなかったばかりに、
思いもよらない結末に、なんとももどかしい想いが残る。
ラストシーンは圧巻で、
あちこちから鼻をすする音がする。
心の中で思ってる伝えたいことって
伝えられるときに伝えないといけない、っていう
当たり前のことがなかなかできないのよね。
これはなにも好きな人へのことに限ったことではない。
この年齢になると(どの年齢?)
今の時期、喪中欠礼のハガキが届き始めることが多くなる。
友人のお父様やお母さま
お世話になった上司などの仕事関連の方達
あってほしくないけれど同世代の友人・・・などなど。
いつか会った時にでも、なんて思っていても
「いつか」はないかもしれない、と実感する今日この頃。
年賀状が戻ってきたりすると、
なにかあったのかな、と心がざわざわする。
この舞台も
あのときあの一言が言えていれば・・・
の代償があまりにも大きくて・・・
好き、とか
愛してる、とか
ありがとう、とか
ごめんなさい、とか
家族、
パートナーや友達
お世話になった人たち
伝えられるときに伝えなきゃ、
とは思うけれど、簡単なようでむずかしい・・・
特にそのタイミングがね。
日頃、近所の買い物くらいしか
私と二人で出かけることがほとんどない夫とこの舞台を観たのも、
なんだか意味がありそうに思えてきた。
大笑いしたり、じ~んときたり、
とてもいい時間を過ごしたな~と思う。
舞台の本番もいいけれど、
タクフェスの舞台を観に行く楽しみは
開演前とカーテンコールのファンサービスなくしては語れない。
開演ギリギリまで宅間さんご本人と数人の出演者が
ファンサービスをしてくださる。
ステージ上から客席に呼びかけて、
遠方から来た人にプレゼントをしたり、
お子さんにはお菓子をあげたり、
じゃんけん大会で出演者の私物をプレゼントしたり・・・
カーテンコールでは
出演者の一人一人が一言ずつあいさつし、
みんなでダンスを披露する。
開演前とカーテンコールは撮影OK
以前は上演中にも撮影タイムがあったけれど、
コロナのころから無くなってしまったのが残念。
客席に向かって、何度も感謝を伝える姿がずっと変わらない。
この日はダンスのあとにアフタートークも。
ときどき、他の舞台でもそのチャンスに遭遇することがあるけど、
15分くらいがせいぜい。
この日は30分以上やっていたのではなかっただろうか。
まあ、とにかくファンサービスがすごいのだ。
開演前から終演後まで、ずっと楽しい。
来年の公演は名作「くちづけ」。
映画にもなったはず。
以前にも観たけど、来年も行こう!
と今から楽しみ。
来年も夫が付き合ってくれるかどうかはわかりません。
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