ゆるゆるらいふ

とりあえず、今日も一日機嫌よく・・・

【観劇メモ】うかうか三十、ちょろちょろ四十

2013年06月03日 | 演劇

 

故井上ひさしさんが55年前に書いて上演されていなかったというこのお芝居。

タイトルに惹かれてチケットを購入。

舞台は東北の小さな村。

美しい桜に囲まれたあばら家に住む農家の娘に、
村のばか殿様が恋をしてしまったことから始まる悲喜劇だ。

いいなずけのいる娘は、殿さまの申し出をあっさりと断ってしまう。
ふられた殿様はショックで気がふれて、記憶を失い、
偽医者になりすまし、お供のお侍医(おじい)と共に、
善意と思い込み、戯れに病人に希望を与えて回る。
その病人の中に、かつて自分をふった娘の夫もいるのだが、
記憶が無いので、一緒にいる娘の顔もわからない・・・。

この戯れが後に悲劇を生むけれど、その時には殿様は正気に戻り、
自分たちのしたことをまた忘れていて・・・。

バカ殿さまには、藤井隆さん。
殿様に見初められる娘に福田沙紀さん。
お供のお侍医に小林勝也さん。

藤井さんは吉本新喜劇仕込みで声がよく通る。
ただ、「ばか殿」っていうよりは、人のいいお殿様って感じ。
正気と狂気の境目があまりわからなかったかな・・・

自身の娘役と二役の福田さんは、明るく健気な村娘がぴったり。
殿様が一目ぼれしちゃうのがわかるわってくらいの可憐さ
カーテンコールで藤井さんと並んで立っている姿は、
ちょっと奥様の乙葉さんと似ているような・・・

強者にとっては戯れやその場しのぎの言葉や行動が、
弱者にとっては凶器になる、と言うのは、いつの時代も不変のものだ。

えらい政治家の方々の思いつきに、国民がふりまわされるように・・・。

井上ひさしさんの第1作というので、近年の作品のような厚みやキレはちょっと足りなくて、
全体的にもやっとした感じだけれど、弱者の目線で世の中を見ているところは変わらない気がする。

シンプルで漫画チックなセットの中で描かれる世界は、
おとぎ話の絵本の中にはいりこんだようだった。

題名は、ドジばかりの30歳、40歳代、って意味だそう。

ふりかえると・・・

う~ん、耳が痛い・・・










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