人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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谷崎潤一郎『陰翳礼讃』(中公文庫)

2009-08-21 05:16:06 | 読書
谷崎潤一郎が昭和8年に発表した名作、快作エッセーである。「いんえい らいさ
ん」と読む。30年以上前に読んだ時にはあまりピンと来なかったが、今読み返して
みると感じるところが多い。

例えば寺院とか「日本の厠(かわや)」とか行燈(あんどん)のある部屋など「陰
翳」(光の当たらない、暗い部分。かげ。-「新明解国語辞典」)にこそ日本的な
よさがあることを多面的に考察したものである。


ためしに風呂場の照明を消して入浴してみると、落ち着いた気分になるのは、一種
の「陰翳礼讃」なのであろうか。


<目次>
1.陰翳礼讃(昭和8年「経済往来」)
2.懶惰(らんだ)の説(昭和5年「中央公論」)
3.恋愛及び色情(昭和6年「婦人公論」)
4.客ぎらい(昭和23年「文学の世界」)
5.旅のいろいろ(昭和10年「文藝春秋」)
6.厠のいろいろ(昭和10年「経済往来」)

いずれも谷崎の考え方が現れているが、3.「恋愛及び色情」にはあまり感じなかっ
た。『源氏物語』の引用はさておき、やはりこれは昭和6年の作品であるというこ
とではないだろうか。





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