日本経済新聞社編『シャープ崩壊』(2月17日1版1刷。3月20日購
入)を読んだ。本書は、現在も書店に縦積みになっている。
シャープの歴代社長は、1.早川徳次、2.佐伯旭、3.辻晴雄、4.町田
勝彦、5.片山幹雄、6.奥田隆司、7.高橋興三である。
シャープの経営危機の原因は、一言でいえば、片山社長時代の液
晶堺工場への巨額投資の失敗であるが、本ドキュメンタリーを読む
と、それをきっかけに生じた「経営陣のゴタゴタ」も大きな要因の一つ
と言えそうだ。
一般に、「経営陣のゴタゴタ」というよりは、経営を行うにあたって、
意見の食い違いは多かれ少なかれあるものではないかとは思うが、
合理的な議論を尽くして結論に従うのではなく、そのゴタゴタが表に
出て、マスコミのネタになってしまうほどではよろしくないだろう。まじ
めな社員には気の毒だ。
「客をなんだと思っているんだ。あの会社だけは絶対に許さない」。
10年の春から夏にかけて、ソニーや東芝の幹部は一斉にシャー
プ批判を始めた。(p49)
人徳という言葉があるが、会社や商売にも、もうければいいというこ
とではなく、「徳」というものが必要なのかも、しれない。(そういえば、
シャープの創業者には「徳」があった)。
週刊誌的な読み方をするのであれば、読者にとってはおもしろいと
言えるかもしれないが、シャープの成功と失敗を冷静に分析するこ
との方が大事かもしれない(三菱自動車然り?)。
シャープに限らず、日本の弱電メーカーには厳しい環境が続くのか
しらん。
日本経済新聞社編『シャープ崩壊』
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