人生ブンダバー

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東響 東京オペラシティシリーズ第45回

2008-10-13 06:30:41 | 音楽
芸術の秋(今はもう秋は山口洋子か)、10月11日(土)午後6時初台の東京オペラ
シティコンサートホールで東響の演奏会を聴いた。

1.ポッケリーニ/ベリオ 「マドリッドの夜の帰営ラッパ」(10分)
2.パガニーニ ヴァイオリン協奏曲(35分)
-休憩-
3.レスピーギ 組曲「鳥」(20分)
4.レスピーギ 交響的印象「教会のステンドグラス」(27分)
指揮;秋山和慶
ヴァイオリン;A.ハーデリッヒ


指揮の秋山和慶を聴くのはほとんど初めてである。「ほとんど」というのは学生時
代、いわゆる「お座敷」(12月の日フィルだったかしらん。)でちょっと係わった
ことがあるからである。それほど大柄ではない。小澤征爾とともに斎藤秀雄の高弟
であり、現在は東響の桂冠指揮者である。(67歳。小澤征爾の6歳下。)

秋山さんは、サヴァリッシュではないが、折り目正しい大学教授(実際に洗足の教
授)で、練習中も蝶ネクタイをしているという<イメージ>である。
秋山さんについて必ず言われるのが「卓抜したバトンテクニック」である。斎藤メ
ソッドの権化みたいな人である。まったく無駄がない。言葉がなくても、右手と左
手(すべてのサインを出していた。)ですべてを表現できるのではないだろうか。

今宵のテーマは何かと思いきや、イタリアの作曲家だった。珍しいことに、<私は
>どの曲も初めて聴くものばかりである。こういうことは定期会員にならないと経
験できない。貴重な経験である。年配のビギナーかしらん。

せっかくなので各ステージの印象をまとまておこう。
1.pppの小太鼓から演奏が始まり、徐々にクレッシェンド、ffまで行ってまた
pppの小太鼓に戻るというおもしろい曲。ffに向けてのクレッシェンドが私を
してまことの感動の世界へ導く。(--翻訳調か。)「ボレロ」だとクレッシェン
ドしっぱなしだが、戻ってくるところがいい。ポッケリーニは18世紀後半の作曲家
なので、「ボレロ」よりこの曲のほうが先である。音量が8段階に徐々に変化する
ところが聴かせどころ、演奏時間は10分弱なので見事な「肩慣らし」だった。

2.パガニーニのソリストは、イタリア生まれのドイツ人、米国ジュリアードを卒業
した24歳の「天才」。1999年全身の60%におよぶ大火傷を負う事故にあい、奇跡の
復活を遂げる。見事な演奏だった。3階後方から盛んにブラボーが飛んだ。
ハーデリッヒは誠実なおじぎを繰り返す中、アンコールとしてJ.S.バッハの「無伴
奏ヴァイオリン・ソナタ第3番」から「アンダンテ」が奏された。バッハはやはり
いいですね~。

3.レスピーギ。これが20世紀の音楽?美しいメロディーが流れる。ソロの甲藤さん
(フルート)、J.ハミル(ホルン)も熱演でいい音を出していた。とくに第2曲
「鳩」(アンダンテ・エスプレシーヴォ)、オーボエとホルンのメロディーには思
わず身を乗り出した。

4.団員総出演の曲。これも無論初めて聴いた曲だったが、おもしろかった。秋山さ
んの指揮は本当に分かりやすい。
第2曲は「天使ミカエル」(ミカエルといっても「見返り美人」にあらず。)とい
うタイトル。ミカエルと龍の戦いの場面だそうだが、いわばNHK大河ドラマの音楽
だ。
終曲(第4曲)は「偉大なる聖グレゴリオ」というものだった。終盤にオケのクレ
ッシェンドから突如パイプオルガンが入ってきた。(そうか!これがやりたかった
のか。感動の★5つである。)曲はますます盛り上がり、秋山さんも左手のこぶし
を突き上げる。最後は「展覧会の絵」のように、全奏のクレッシェンドからffで
終わった。これはライヴでしか味わえない感動である。

正味1時間半の演奏時間があっという間に過ぎた。レスピーギはいいですね~。レ
スピーギばかり集めてみようかな、と思わせるいい演奏会だった。(これが2000円
とはまことリーズナブル。)(8時7分終演)


休憩中に小学校~中学~高校~大学も一緒(同期なのは高校まで)のBさん(奥様
連れ)にお会いした。Bさんは2階席だという。




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