人生ブンダバー

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6/9 [長文]信時潔旧蔵ピアノとリードオルガン修復記念レクチャーコンサート

2018-06-13 05:00:00 | 音楽

一カ月ほど前であったかしらん、青葉区にお住いの増山先生から「青
葉区民を対象とした慶應横浜初等部の地域交流プログラム『信時潔旧
蔵ピアノとリードオルガン修復記念レクチャーコンサート』が6月9日
に開催される」というメールを頂戴し、早速ネットで申し込んだ。


6月9日(土)、現役/OB連絡会(別途報告)を早退し、女声合唱を
やっている妹と、午後1時過ぎにあざみ野南の慶應横浜初等部へ。

横浜初等部は平成25(2013)年設立だから、来春に初めて卒業生が
出ることになるのかしらん。

1時半開場予定だったが、ちらほら人も集まり始め、早めに開場となる。
事前に送られてきた記名入場券ハガキを受付で提出し、講堂へ入る。
場内は写真撮影禁止だ。

講堂は、体育館兼用ではなく、定員は最大で600人ほどかしらん、コン
サートホールのように階段状になったものだ。

オルガンとピアノは、演壇上ではなく、前者が向かって左、後者が右
にと下に置かれている。近づいて確認したら、リードオルガンがヤマ
ハ製、アップライトピアノはスタインウェイ製だ。

14時ジャストに進行役の女性が登場、信時潔のお孫さんの信時茂氏
(横浜初等部教員)を紹介。
茂氏から、実家にあったオルガンとピアノが修復され、慶應横浜初等
部に納められた経緯など若干のお話がある。プログラムには、信時茂
氏による『三田評論』2017年5月号の「祖父のピアノ」というエッセ
ーが転載されていた。

次に信時裕子氏が登壇。茂氏とはいとこの関係になるという。演壇の
大スクリーンに映されたパワーポイントを使って、信時潔の略歴など
が紹介され、進められていく。


以下は<演奏曲目>と私のまことにつたないコメントを・・・・・・

1.いつくしみ深き 讃美歌312番
オルガン伴奏による讃美歌独唱。讃美歌にはオルガンがピッタリ来る。
穴澤さんはややアルトに近いメゾかしらん。オペラ科を修了されてい
るが、けっして声に頼ったオペラチックな歌い方ではなく、讃美歌ら
しい、しっとりした歌唱。母音の形と音色--とくに深い「o(オ)」
がすばらしい。

2.庭の千草 文部省唱歌(里見義作詩 アイルランド民謡)
聴き慣れた「庭の千草」もあらためて聴くと文語の歌詩が小学生には
難しい(私にも?)。寡聞にして穴澤さんを存じ上げなかったが、装
飾音の自然な歌い方などすばらしい。


ここでリードオルガンを修復された伊藤信夫氏のお話があった。
リードオルガンは、部品を交換し、メンテをキッチリすれば、いくら
でも使える、大正時代は「嫁入り道具」の一つだったという。ヤマハ
でも昭和30年代まで製作していたそうだ。


続いて、信時潔作曲の文部省唱歌が同様に披露された。裕子氏の説明
によれば、これらは、『新訂尋常小学唱歌』(昭和7[1932]年文部
省発行)に載ったものである。

 *横道にそれて恐縮だが、昭和7年といえば、昭和6年の満州事変の
  翌年
で、五・一五事件の起きた年だ。軍国主義が台頭する時代とし
  て描
かれているが、この尋常小学唱歌を見るとけっして軍国主義的
  では
ない。

  坂野潤二氏(東大名誉教授、81)などは、これとは別に、この頃は
  「昭和デモクラシー」とでも呼ぶべき時代だったのではないか、と
  書いている。

3.一番星みつけた 文部省唱歌(生沼勝作詩 信時潔作曲)
4.動物園     文部省唱歌(井上赳作詩 信時潔作曲)
5.遠足      文部省唱歌(佐野保太郎作詩 信時潔作曲)
私は無論この教科書で育ったわけではないが、なぜかメロディーに「懐
かしさ」を覚えてしまう。ここでも穴澤さんの、腹式呼吸に支えられ
た、ムラのない母音の響きがすばらしい。

ここでスタインウェイ製アップライトピアノの説明--昭和15(1940)
年6月アメリカでツツジ・ツバキの栽培に成功した清野主(つかさ)氏
から贈られたものだという。

6.ピアノ曲「木の葉集」より 信時潔作曲
 序曲: 楽想乱舞 口笛 わびしきジャズ 子守歌 おもいで 
 行進曲
「木の葉集」は昭和10(1935)年頃の作曲。信時潔は昭和7年に教授
を辞任、講師となり、作曲に専念した時代だという。「木の葉集」は
SP復刻盤でも聴いているが、井谷さんの演奏で、グランドピアノの
ようによく響くピアノにビックリ!!

7.歌曲集「沙羅」より 清水重道作詩 信時潔作曲
 丹沢
 沙羅
「沙羅」では昭和18(1943)年録音の木下保先生の名唱が忘れられ
ない。信時潔の歌曲は、シンプルというとやや語弊があるかもしれな
いが、突き詰めた「音」だけに難しい。
穴澤さんは「信時歌曲」らしく、格調高い、ケレン味のない、立派な
歌唱だった。ただ、個人的な感想としては、ややあっさりしていたか
しらん。サラサラと?
--もっとも、全体との整合性というか、全体の中に配置されると、
このような表現になるのかもしれない。

8.帰去来     北原白秋作詩 信時潔作曲
裕子氏によれば、昭和16年、北原白秋は『海道東征』に福岡日日新聞
から文化賞が贈られ、帰郷した際に「帰去来(ききょらい)」を作詩。
白秋は、昭和17(1942)年11月に亡くなるが、曲は昭和23年石碑が
建立された時に作曲された(という理解でよかったかしらん)。毎年、
11月2日の「白秋祭」で歌われるという。

手元の何枚かのCDにはなぜかこの曲は収録されていない。「信時潔
生誕125年とその系譜」で聴いた(→こちら)が、まったく忘れてい
た。

裕子氏の「前説」を聴いたこともあろうが、短い前奏からプログラム
が涙でにじむ(「感動は突然やってくる」)。ゆっくりとした曲がじ
わじわ心に沁み込む。穴澤さんは、淡々としつつも「余裕」を持った、
内に思い入れのある、すばらしい歌唱。--今年上半期(1~6月)に
聴いた内でベスト演奏といえるかもしれない。

いや~、日本歌曲って、本当にすばらしいですね~。いつか「白秋祭」
に行ってみよう!
(ご参考;小川明子さんの歌唱→こちら

9.慶應義塾塾歌  富田正文作詩 信時潔作曲
一回目はピアノ、二回目はオルガン、三回目に穴澤さんの歌唱(お二
人の伴奏)で、続けて演奏された。穴澤さんは、譜面を持って、暗譜
で歌う。
三人の方の、どこも気になる所のない演奏に、あらためて曲自体のす
ばらしさを味わった。


<演奏者>
ピアノ;井谷佳代
東京藝術大学音楽学部器楽科ピアノ専攻卒業。同大学院修士課程(器
楽科ピアノ専攻)修了。オランダ政府給費留学生としてアムステルダ
ムに留学。アムステルダム・スウェーリンク音楽院にて学ぶ。オラン
ダ国家演奏家資格を得て同音楽院を卒業。様々な鍵盤楽器を使い、ソ
ロ・室内楽・歌とのアンサンブルなど多くのコンサートを国内外にて
開催。慶應義塾横浜初等部教員。

オルガン;中川紫音
東京藝術大学音楽学部器楽科オルガン専攻卒業。同大学院音楽研究科
修士課程器楽専攻修了。安宅賞、アカンサス音楽賞受賞。ドイツ・ブ
レーメン芸術大学音楽学部古楽オルガン科卒業、最優秀の成績にて国
家演奏家資格取得。日本基督教団聖ヶ丘教会、桜新町教会オルガニス
ト。一般社団法人日本オルガニスト協会、日本オルガン研究会会員。
慶應義塾横浜初等部教員。

メゾ・ソプラノ;穴澤ゆう子
東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。同大学院修士課程(オペラ科)修
了。1990年~2000年バッハ・コレギウム・ジャパンにて活動。2000
年文化庁派遣芸術家在外研修員としてオランダ・アムステルダムに留
学。2002年に帰国後は各地でコンサートのソリストを務める他、二期
会公演、日生劇場のオペラなどの舞台にも多数出演。二期会会員。慶應
義塾横浜初等部非常勤講師。

<楽器修復>
太田垣至(ピアノ)
伊藤信夫(オルガン)



プログラム



12:51 あざみ野より


12:54 江田駅下車


12:57


12:59 コメダ珈琲店


13:00


13:01


13:02


13:03


13:04 慶應義塾横浜初等部入口


13:04


13:05


13:06 突き当り右側が講堂入口


13:07 「第21回 塾長杯 水上運動会」
7/1(日) 戸田オリンピックボートコース


15:38 コンサート終了


15:38


15:42 妹とコメダ珈琲店で「懇談」


15:55 実はこれが食べたかった?


16:30


16:31 赤田西公園運動場 「赤田」は古い地名


16:37 「防犯パトロール実施中」


16:43 あざみ野3-32


16:47 桜通りバス停


16:49 三規庭へ




     *      *      *      *



6/12米朝首脳会談・・・・・・お互い「非核化」と「体制保証」を約束。
お金を貸すのに「証文」を取らない森の石松か?  

アメリカ人は、「どうだ、こりゃおもしろい(話)だろ~。ワッハッハ」
という割には、話がまったくおもしろくなかったりすることがある。 
トランプ大統領の「うまくいった。すばらしい成果だ」というコメントも?  

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