あいかわらず満州事変のあたりを行ったり来たり、ウロウロ。
昭和史の研究は、この10、20年でかなり専門化が進み、さらに日進
月歩といってもいいのではないかしらん。
本書は、平成27(2015)年8月、すなわち戦後70年の年に発刊され
たもので、それまでの研究成果を踏まえている。
余談:大熊一郎先生は、「論文はハサミとノリだ」とおっしゃって
いたが、(過去の多くの論文の)どこをハサミで切るのかはかなり
実力のいることだろう(笑)。
帯には
「中国の老獪、欧米の野心、国民の熱狂--息づまるドラマを明ら
かに。最新研究をもとに満州事変への道をとらえ直す」
とある。
世界史的な視野(下記1、6、7、8・・・・・・)も検討されており、オー
バーに言えば、満州事変の多面的な研究は、現在、これ一冊あれば十
分とさえ言えるのかもしれない。
参考までに・・・・・・
<目次>
はじめに
1.日露戦争後の米中との関係と「大衆」の登場
2.第一次大戦期の日中関係(対華21カ条要求問題)
3.中国国内政治と日本(陸軍)
4.日中間の人的交流の拡大
5.日中間のトラブル=講義・暴行事件・日貨排斥運動
6.日露戦後の日米関係
7.ワシントン会議
8.排日移民法
9.国権回復運動
10.国共合作、5・30事件
11.北伐(1926)、南京事件(1927)
12.済南事件(1928)
13.張作霖爆殺事件
14.中ソ戦争(1929)
15.「ワシントン会議の精神」と中国(関税・不平等条約問題)
16.済南事件解決交渉に見る日中関係調整の困難性
17.日貨排斥運動の実態
18.長沙暴動
19.満州事変直前
20.結びに
おわりに
高坂正尭先生は、昔NHKで、(当時としては)大したことではな
かったわね、と関西のイントネーションで言っておられたと記憶し
ているが、やはり「対華21カ条要求」は一つのターニングポイント
だった?
近年の研究では、かの「東方会議」一つとっても、従来の見方はや
や修正されている?
参考文献も掲載されており、まことに便利だ。
筒井清忠『満州事変はなぜ起きたのか』(中公選書)★×5
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2/18 米国トランプ政権が、中国の国営メディア5社を「中国共産党
の政治宣伝機関」と認定。何でいまさら?大昔からのことでは(笑)。
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