池上彰『知らないと恥をかく世界の大問題６』

池上彰氏の『知らないと恥をかく大問題』シリーズの6冊目だ。初版
は、今年5月10日の発行となっている。「５」は、前年5月、「４」はそ
のまた前年5月の発行だからほぼ1年に1回まとめられていることに
なる。

時事的な問題を取り上げているという意味では、長谷川慶太郎氏と
同様だ。発行して1年も経つと、中古価格は10円以下になってしま
うかな～。

本書がおもしろいのは、単なる時事解説だけではなく、歴史的な観
点から考察している点だ。

「第2章　ヨーロッパ、衝突の現場から」がおもしろい。
「スイスがユーロを見捨てた？」
・ユーロ危機があると「スイス・フランは安全だ」とスイス・フランを買
　う動きが強まる。
・スイスはEUに加盟していない。（注；EU加盟国は28カ国。オース
　トリアは加盟している）。
・スイスは移民をほとんど受け入れない。
・スイスは15万人という大規模な軍隊を持っている。（徴兵制。侵略
　された場合は焦土作戦も）。
・食糧は1年分を備蓄している。備蓄した（後の）小麦でパンを作る
　ので、パンはまずい。
・スイスはヨーロッパ中から嫌われている。（利己主義的？）

スイスは永世中立国として知られている。オーストリアも永世中立
国だが、EUに加盟し、また徴兵制の軍隊を保持している。
（日本は多くの国同様、徴兵制ではないが、徴兵制＝戦争国家と
いうステロタイプな考え方はマチガイだ）

ちなみにウクライナはEUに加盟していない。