読書の秋の「成果」をそろそろまとめておきたい。今年読んだ本はなぜか、
みんなおもしろい。以下に紹介するのは、私にとって、すべて「★5つ」の
ものばかりである。繰り返しになるが、実におもしろかった。
岡村喬生『ヒゲのオタマジャクシ世界を泳ぐ』(新潮文庫)
岡村さんは、昭和6年生まれ、いわずと知れた、早稲田グリーのご出身であ
る。OB四連やテレビで知っている。一対一でお話ししたわけではないが、
先日も木下記念スタジオでお会いした。それをキッカケとして、私は本書を
amazonで見つけて読んだ。
本書は、「岡村さん自身」が、早稲田グリー、東唱への入団、木下保先生と
の出会い、イタリア留学、国際コンクール入賞、ケルン歌劇場第一バス就任
(すごいですね~!)、そして帰国までの実話を綴った(--聞き書きで誰か
がまとめたのではなく。)ものである。
ハンガリーの名指揮者イシュトヴァン・ケルテスが43歳で水死した時、岡村
さんが一緒だったことは知っていたが、その時の模様が詳しく書かれている。
岡村さんは、私から見れば「硬派」(開成高校時代は応援団だったらしい。)
で、私のようにニコニコ、ニヤニヤしない、ちょっとおっかない人という印象
だったが、本書を読んで、なるほど日本人として、男一匹、ヨーロッパのオペ
ラ市場で西洋人に立ち向かっていったサムライであるように思えた。氏の経
験による文化論のような部分もあって大変おもしろい。
先日、岡村さんから直接伺った話では、東唱時代、指揮に来られた木下先
生に歌曲を教えてくださいとお願いした時、木下先生に「えっ、君が?」とい
われたそうだ。「合唱と独唱は違いますからねっ」(岡村さん)ということだっ
たようだ。
岡村喬生「日本の抒情を歌うⅡ」
こちらは平成5(1993)年発売のCD。
日本の歌曲をベルカントで歌い上げている。岡村さん61歳の力強い歌唱。
(曲によっては少しクセがあるカナ?キレイゴトよりいいけれど。人によって
はアジがあるというカモ・・・・・・)。
大町陽一郎『楽譜の余白にちょっと』(新潮文庫)
大町さんは、昭和6年生まれ。東京芸術大学名誉教授にして、東フィルの専
任指揮者である。
本書も、amazonで見つけたものだが、著者が折に触れて、ベーム、カラヤ
ンとの出会いなど書いた文章をまとめたものである。
イッセルシュテット(当時64歳)のインタビュー--「R.シュトラウスは指揮が
うまかった」、「私はフルトヴェングラーとは違う。彼はすべての音楽をロマン
チックに演奏した」、「フィッシャー=ディースカウはウェットすぎる」という趣旨
のことを言っているのがおもしろかった。
イッセルシュテットはウィーン・フィルのベートーヴェン交響曲全集を初めて録
音したのではなかったかしらん。
「指揮って何だろう」(p55)もおもしろかった。
岡村喬生さんも大町陽一郎さんも昭和6年生まれだが、ボイストレーナーの
大久保昭男先生も同世代ではないかしらん。
竹内靖雄『経済思想の巨人たち』(新潮文庫)
通常の経済学史よりはるかに広い範囲、すなわち古くはヘシオドス、管子、
プラトン、アリストテレスからブキャナン、アロー、ベッカーまでを扱っている。
安藤昌益、福沢諭吉も登場する。数学は出てこず、読みやすい。「マルクス」
がおもしろかったが、マルクスに関しては小泉信三の方がより学術的だろう
か。「ケインズ」もおもしろかった。
西川善文『ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録』(講談社文庫)
私が西川善文さんを、意識したという意味で、知ったのは、三井住友銀行発
足の記者会見で、「(住友銀行は)さくら銀行を救済するのはなぜか」という
(馬鹿な?)質問に「そんなことでは断じてない」と声を荒げた時である。すご
い人だと思った。
(この場面、本書には、「『救済』とは何だ。この言葉が新しいパートナーを誹
謗しているからだけではない。さくらは危ない銀行であるという言い方にもな
る。しかしそんなことは断じてない」とある)。
本書は、西川さんの小学校時代の思い出から、住友銀行入社後、安宅産業、
イトマンの「処理」に関わったこと、さくら銀行との統合、政治に翻弄された日
本郵政社長時代などを生々しく(--それはあまりにも生々しく感じることも
あるが。)書いたものである。読みだしたら止まらない。
* * * *
週間フォト日誌
12月2日(月) 神田駿河台はイチョウの紅葉のまっさかりである。イチョウ
は、「銀杏」、「公孫樹」とも書く。
神田駿河台3丁目にはギンナン(銀杏)が落ちない。雌雄のどちらかしかな
いかららしい。
朝のベローチェで『ザ・ラストバンカー』をメモを取りつつ読み直す。
会社近くの中央大学駿河台記念館に箱根駅伝のポスターが貼ってあった。
今年も、慶應は出場しないので、中央大学応援である。予選を通過するか
ヒヤッとしたけれど。
12月3日(火)
右側のビルは、有名な旅館龍名館本店
12月4日(水)
12月5日(木)
毎朝、落ち葉の掃除、お疲れ様!掃いても掃いても・・・・・・。
夕食 鯵つくねと春雨の黒酢煮込みスープ 牡蠣のポタージュ
東京芸術劇場
平成2年10月開館、公益財団法人東京都歴史文化財団が管理運営して
いる。
発声練習20分
三好達治作詩、多田武彦作曲「わがふるき日のうた」の譜読み中。
譜読みは、階名でもラララでも何でもいい。とにかくドンドン譜読みして、曲想
をつかむやり方である。関屋晋さんも、たしか、そんなやり方だったのではな
いかしらん。参加人数が多かった。
この日、「R.シュトラウス歌曲集」(福永陽一郎編曲)の楽譜が販売となった
(1500円)。
練習後の「連絡」--現役から「ガラコンの写真ができました。700円です」と。
→皆川さんへ。
12月6日(金)
虎の門病院で定期検診(血液検査)。
夜は、二子玉川でフレンチを食べる。
この日の結果--
血圧 68~122
GOT47(前回43)、GPT75(同75)と前回から横ばい状態だった。
「来年、新薬(飲み薬)が発売になったら、それで行きましょう。ひどい副作用
はないでしょう」と鈴木先生。
次回(予約)は1か月半間隔でよくなり、1月と3月になった。
環状2号線工事中。外堀通りから虎ノ門1丁目方向。右側が虎の門病院。
突き当りはアメリカ大使館 これ以上近づいての写真撮影は警察官に怒ら
れる?
新御茶ノ水地下通路 はて、これは、何の数字?
ディナー in 二子玉川
二子玉川ライズ前
二子玉川駅前玉川通り
二子玉川柳小路は左へ
柳小路
ビストロ「みや乃」 TEL03-5717-9117
3F入口
スープ
前菜 北海道産帆立のカルパッチョ
前菜(家内) フレッシュフォアグラと天使海老椎茸のテリーヌ
魚料理 魚介たっぷり特製ブイヤベース
魚料理(家内) 長崎より届いたお魚のこんがり焼き
肉料理 蝦夷鹿モノ肉のやわらか焼き おいしかった~!
コーヒー(コース外)
12月7日(土)
W杯サッカーの組み合わせが決まり、日本は、コートジボワール、ギリシャ、
コロンビアと同じ組になった。と騒いでいるが、この中で、日本が一番弱い
ことは「間違いない」。むろん勝つチャンスがまったくないとはいえないが
・・・・・・。
12月8日(日)
友人某氏宅にてCD鑑賞会。手持ちのCDを持ち寄って鑑賞するのも楽しい。
どんなCDを聴いたのか?は、また次回に。
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