<戦争と新聞>をテーマにした本は多い。
(以下引用)
長年私は、日本近代史とくに昭和史に打ちこんできた。そして昭和史から何を
学ぶべきかについて、拙著『昭和史』で五つの教訓として示した。簡約して箇
条書きにしてみる。
1.国民的熱狂をつくってはいけない。そのためにも言論の自由・出版の自由
こそが生命である。
2.最大の危機において日本人は抽象的な観念論を好む。それを警戒せよ。す
なわちリアリズムに徹せよ。
3.日本型タコツボ社会におけるエリート小集団主義(例・参謀本部作戦課)
の弊害を常に心せよ。
4.国際的常識の欠如にたえず気を配るべし。
5.すぐに成果を求める短兵急な発想をやめよ。ロングレンジのものの見方を
心がけよ。
(中略)
それにしても現今の日本、健全なジャーナリズムどころか、周りにかわされて
いるのは烈しく単純な悪態の言葉、言論の自由とは縁もゆかりもない怒りと憎
悪の感情のぶつけ合いばかりである。日本人は公正な考え方より空気や現象で
動かされやすいもの、困ったものよ、と最後には大いに歎くことになってしま
ったのが残念であったが。
(『半藤一利・保阪正康『そして、メディアは日本を戦争に導い
た』半藤氏による「はじめに」より)
余談)選挙演説に多くで「押しかけ」て、大声、大音量で激しい攻撃を加える、
一部の者のやっていることは、戦前の「右翼・国家主義者」と何ら変わらない?(*)
何ともならない?
何とかならない?
(*)その「犠牲」となったのは美濃部達吉、津田左右吉等々。
前坂俊之『太平洋戦争と新聞』1989、1991(2007)★×5
「満洲事変への道」以降、戦前の歴史と当時の新聞報道を丁寧に記述。
鈴木健二『戦争と新聞』1995(2015)
半藤一利・保坂正康『そして、メディアは日本を戦争に導いた』2013
山中恒『新聞は戦争を美化せよ!』2001 950ページ超の大作
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