CDを聴くには、1枚につき約60分の時間が必要だ。その感想をまと
めるとなるとそれなりの時間がかかる。
私の学生時代、畑中良輔先生が「レコード評というのは大変時間と労
力のいる仕事なの」とつぶやいておられた。
最近、必要にかられて岡村喬生とバックハウスを聴き直した。
1.「岡村喬生 日本の抒情を歌う」
岡村さんは、昭和6(1931)年生まれ、早稲田大学第一政治経済学部
卒、大学在学中はグリークラブに所属。昭和34(1959)年イタリア
に留学し、ローマ・サンタ・チェチーリア音楽院を卒業。オペラ歌手
として活躍。開成高校時代は応援団だったというだけあって、私とは
違って、押し出しの立派な硬派という感じがする。
声楽を木下保先生に師事したという。岡村さんの日本歌曲はオペラチッ
クで、日本歌曲をドイツリートの域に高めた木下先生とは「芸風」(*)
は違うが、単なるオペラチックとは違う「心の歌」だ。
初めて聴くとある意味でドキッとするが、何曲か聴き込むといい意味で
ドキッとする歌唱。さすがプロだ。
(*)芸風;この言葉も学生時代、木下保先生に教えていただいた。
私の同期の某君が木下先生に、あるクラシックのトリオについてどう
思われますか と聞いたところ、木下先生のお答えは、
「う~ん、それぞれの芸風が違うからね~。どうかね~」
だった。
「岡村喬生 日本の抒情を歌う」1と2
2.ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番、第5番『皇帝』
(1)バックハウス/ハンス・シュミット=イッセルシュテット/WPO
(2)アシュケナージ/ズービン・メータ/WPO
自由が丘の叔母さんが聴いてみたいというので、私も聴き直した。
評論家のベスト・ディスク(最新版)には両曲ともポリーニ/アバド/
BPOが選ばれているが、私は聴いていない。
(2)は1985(S60)年度レコード・アカデミー賞を受賞したベートー
ヴェンのピアノ協奏曲全集から2曲をカップリングしたものだ。何の抵
抗もなく、耳に入ってくる演奏だが、逆にあまり残らない。
先日、叔母さんに風邪で訪問できないことを伝えるため電話した。
「ところで、ベートーヴェンのピアノ協奏曲は聴いていますか?」
「ええ、毎日、聴いてるわよ」
「どうですか?」
「バックハウスがいいわね~。とくに『皇帝』は。
アシュケナージはうまいけどちょっと弱いというか」
「でしょ、でしょ」
ベートーヴェンといえばバックハウスといっても過言ではないかもしれ
ない。
ちなみにアシュケナージ盤は「名曲名盤 ベストディスク」(最新版)の
ベストテンには入っていない。
左バックハウス盤、右アシュケナージ盤
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私が(一時期)愛聴したのは、ルービンシュタイン(の『皇帝』)ですが・・・・・・(2008/8/7に取り上げた)。