1月26日(木)、瀬々敬久監督映画『ラーゲリより愛を込めて』
(From Siberia with Love)を再び観る。
「2回目」ともなると、新しい発見がある。
「シベリア抑留」は終戦後の出来事だ。
この映画は脚本こそあれ、事実に基づいている。
事実は小説より奇なり?
抑留者の中には、ソ連に阿(おもね)り、「アクチブ」(共産主
義者)となって「反動」をつるし上げる、(人間の)醜さ(ある
面、弱さ?)も描かれている(実際にあったことだが)。
--強きを助け、弱きをくじく?
(ソ連は、日本帰還後もアクチブに期待していた?)
上映が始まり、私の隣のおじいさんが持っている唐揚げの臭いをまくので、少し
離れる。
すると後ろのおばあさんが映画を観ながら「あら、可哀そう」などと独り言をつ
ぶやくので、前へ移動する。
企画プロデュース:平野隆
脚本:林民夫
音楽:小瀬村晶
Cast
山本幡男(二宮和也)
厳冬のシベリアで、家族を想い、仲間を想い、希望を胸に懸命
に生きる。
山本モジミ(北川景子)
時代に翻弄されながらも愛する夫を信じて待ち続ける、山本の
妻。
松田研三(松坂桃李)
戦渦で友人を見捨てたトラウマから自身を「卑怯者」だと思い
悩む。
新谷健雄(中島健人)
元漁師でムードメーカー。文字を山本から教わる。
相沢光男(桐谷健太)
昔ながらの帝国軍人(軍曹)として、旧日本軍の階級を振りか
ざす。
原幸彦(安田顕):
過酷な状況下で心を閉ざしてしまう、山本の同郷の先輩。
4人が山本の遺書を驚くべき方法でモジミに届ける(クライマッ
クス)。
--原がモジミら家族に。
母を失った松田は山本の母マサト(市毛良枝)に。
新谷は子供等へ。
「最後に勝つものは道義であり、誠であり、まごころである。・・・・・・自分の
才能に自惚れてはいけない。学と真理の道においては、徹頭徹尾敬虔でなく
てはならぬ。立身出世など、どうでもいい。要は自己完成!」
また、妻を亡くした相沢は、山本の妻モジミに。
11:09 地下鉄へ
11:10 あざみ野
11:18 センター北で間違えて下りちゃった(涙)。
11:19
11:22 改めて地下鉄に
11:24
11:26 センター南に到着。
11:28
11:30
11:31 港北TOKYU SC
11:32
11:33
11:34 109シネマズへ
11:34
11:35
11:38 今度はQRコードで入場。
11:38
11:39
11:40 前回より一回り小さいシアター
14:15 終演
14:17 『レジェンド&バタフライ』
14:18 『すずめの戸締まり」
14:23
14:24
14:31
14:32
14:39 あざみ野に戻る。
14:43
14:50
『シベリア抑留』3冊の本
左より
1.栗原俊雄『シベリア抑留』(岩波新書、2009/9/18)★×3(or3.5)
2.宮田武『シベリア抑留』(中公新書、2016/12/25)★×4
3.長勢了治『シベリア抑留』(新潮選書、2015/5/30)★×5
1.栗原俊夫より
識者たちのシベリア抑留観
1950年代前半、帰還抑留者の問題は日ソ国交回復にあたって最大の懸案であり、
マスコミでしばしば取り上げられた。・・・・・・
『中央公論』は1954年1月号に、「興安丸のもたらした声 12月1日、帰国第一
歩の手記」との特集で、5人のシベリア帰還者による手記を掲載した。・・・・・・
一方で岡本(注:清一。政治学者。同志社大学教授)は、5人を抑留したソ連を
称賛している。
「今度の帰国者は長い間、不幸にも囚虜生活をしていた人たちであってみれば、
ソヴェートの生きた事情など分かるはずはないのである」・・・・・・
ソ連の「バラ色の未来」をみた岡本としては、、5人の主張の中にみえるソ連へ
の批判が許せなかったのだろう。
一方で桑原(注:武夫。フランス文学者)はソ連による日本人の抑留を「国際
上、正当な理由がある」としつつ、「それぞれの理由によって、これらの人々
を留めおいていた国が、これを解放し、帰国させたその好意に対しては、日本
人全体が感謝しなければいけない」という。
「抑留は国際法上正当である」というのは、ソ連による抑留の実態をみれば、
無茶な解釈であろう。さらに、被抑留者を「解放」したソ連に感謝しろ、と言
うのは「誘拐犯が人質を帰してくれたから感謝しろ」というに等しい。
岡本や桑原自身がシベリアに抑留されたら、同じような発言をし
ただろうか。
3.長勢了治より
ソ連は戦争末期に日ソ中立条約を破って、火事場泥棒的に満洲、北朝鮮、樺太、
千島に侵攻し、多大な犠牲者をもたらした。そればかりか「戦利品」として膨
大な物資を略奪してソ連へ搬送し、約70万人もの軍人と民間人を捕虜にしたう
え、60万人以上をソ連とモンゴル人民共和国へ拉致・抑留した。(下線はブン
ダバーによるもの。)
長勢了治は「1949年北海道生まれ。シベリア抑留研究者、翻訳家。
北海道大学法学部卒業後、企業に勤めたのち退社し、ロシア極東
国立大学函館校でロシア語を学ぶ」。
保阪正康「この書を読んでいくと、著者の記述には二つの特徴があることが理
解できる。その第一は、この抑留(私は強制連行という語を用いるが)は、ソ
連の国家犯罪であると明確に訴えていること。そして第二は、・・・・・・」
(『波』2015年6月号より)
歴史上(人類史上)、共産主義国は全体主義(--共産主義国だ
けとは限らないが。)であり、「人道」や「(基本的)人権」と
いう概念はない(?)。
いささか余談だが、<共産主義者の思考方法は、「○か×か」、「敵か味方か」
というものだ>という仮説は実証される?
小熊英二『生きて帰ってきた男』(岩波新書、2015/6/19)
主人公は小熊英二(慶応義塾大学総合政策学部教授)の父親であ
る。
「生きて帰ってきた男」とは、「シベリア抑留から」という意味
だ。
私にも父について似たような本が書けたかしらん(父が長生きで、
私に実力があれば)。
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