ということが分かって、昨夜は嬉しさのあまりなかなか寝付けなかった。
綾返しとは、整経した糸を織り幅に幅出しして、織り機に取り付けるまでの作業の一つ。
糸の端を緒巻に結び付けた後、織る邪魔になるので、綾の外側へ持って行き外す作業です。
織りの行程の中ではいちばん緊張する場面。
3ねんくらい前の写真@自宅ですが、竹の棒を2本、物差しのすぐ左、白い頭の見えている粗筬の左へ移さないといけません。
これは半分移したところ。物差しを立てて空間を作り、糸が一本ずつ交差した部分を筬の左へ無事通して右側の綾棒も左に移動したら成功。
織り工房で劣等生だった私、常にもたもた、綾落ちること再々。
人に助けてもらったり、そうでないときは昼休みに掛かり、皆さん楽しくお弁当にお茶している時に、別室で一人黙々と。
「はあ、**さん、遅いね。誰か見ておいでえ」と先生が言われて、誰かに助けてもらうことも再々。
学校時代にはこれでも人並みに近いくらいの学力はあったと思うのですが、勘とかコツとか、言葉にできない身体能力においては大いに劣っている私。
叱られまくって、叱られるのもなかなか新鮮な体験でしたが、だって家の中では誰も私を叱らないので・・・ああ、だいぶトラウマになってますね。
でも、でも、その苦労からもう永遠に解放されると思って、きのうはなかなか寝付けなかった。
織を始めて9年、私にとっては革命的な出来事になる筈であります。
それは粗筬の羽が塞がっているから綾返ししないといけない、片方が開いていたら粗筬を外すだけで綾は無事、たぶん1秒くらいでできる。
もうされている人から見たら、何だそんなことかと言われそうですが、工房ではただの一度も誰もそのことに触れず気付かず、黙々と、営々と綾返しをしておりました。
最近、ネットでいろんな高機を見ていたら、付属品として長い棒に櫛の歯みたいに短い棒が立っているものがあり、それが幅出しに使う粗筬とやっとわかりました。
例えばこちらのようなもの
http://www.lcv.ne.jp/~ichiki/HPbase/ori41.htm
これは外れないように蓋つきですね。上を外すと筬はすぐ取れます。
こちらのサイトでは綾返しを手品のようと表現、確かに。めんどくさくて難しいのが綾返し。
それから永遠に解放される日も近い。
で、専用道具は、織り道具の常として高価。https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/j511540628
自作することにしました。
と言っても私が夫に頼みます。きょうは朝から出かけているので、今夜以降ですね。
材料も揃えました。太い棒に短い棒をカットして立てます。
間隔は手前の緒巻の糸を結ぶ切れ目と同じにすると、私専用の粗筬の出来上がり。
家にあるもの利用で材料費はゼロ、作業時間は1時間くらいでしょうか。
つうか、釘打って自分で作ってもできそう。
https://ameblo.jp/selamat-datang/entry-10508939966.html
ああ、誰も綾返ししなくていいって教えてくれなかった。
この9年間を思うとしみじみ、大変だった。
これからはもっと気楽にいろいろ織れそう。というか、粗筬抜かずにそのまま織り機に取り付けて、ぶら下げながら織るのはダメ?
糸に無理がかかるのでやめた方がいいかもしれないけど、やってみたら案外アリだったりして。