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「長いお別れ」 中島京子 

2018-03-22 | 読書

今の私のこういう状況だから、介護関係の本が気にかかる。ノウハウものではなく人の心を深く掘り下げる小説が読みたい。

たまたまアマゾン内を徘徊中に見つけた本、直木賞作家なので外れはないだろうとジャケ買い(古語?)した。

予想通り、読みやすくて読後は私自身のこれからの介護生活に少し勇気を与えてくれるものだった。読んでよかったと思った。

あらすじ。

元国語教師で中学校の校長も経験した昇平は、10年位前から徐々に物忘れがひどくなり、今はアルツハイマー認知症患者として、デイケアに通いながら自宅で妻の介護を受けている。

子供は娘三人、長女はアメリカ、次女は妊娠が分かり、独身の三女はフリーランスの仕事で忙しい。

症状は次第に進み、大腿骨を骨折するが、術後の管理、リハビリができないので手術不適応となってしまう。やがて原因不明の高熱が出て、妻も娘たちも覚悟を決める。。。。

小説の中で、死はアメリカにいる孫が校長先生に語る形で明かされ、小説もそこで終わる。

過不足なく、介護の実態、家族愛などが描かれていて、参考になった。

がしかし、実際にはこれよりももっと過酷な条件の人がほとんどだろうと思う。

この主人公は年金に心配のない(たぶん)元教員、一戸建ての自宅、妻に三人の娘、と介護されるものとしては恵まれている。

中島さんにお願い、非正規雇用で年金も貯金も少なく、結婚しなかったので家族もなく、持ち家もなく、親はすでになく、身内とも疎遠、そういう人が、認知症になり介護を受ける場合はどんな話になるのか、それを書いて欲しい。もちろんトイレも自分で行けません。リハビリパンツ代も勿体ない暮らし。

誰がどこで面倒見る?日の差さないアパートで孤独死?そこにも何かの救いはあり、感動する話にしてほしい。そうすれば読む者はうんと元気が出るから。

コメント (2)
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「忘れられた巨人」 カズオイシグロ

2018-03-17 | 読書

イギリス、カンタベリーの町で。2008年6月。

6月とはいえ、雨が降ると肌寒いです。


読み始めたのは年末、お正月が来て、申告の事務があって、姑様が骨折、入院、手術、転院、リハビリといろいろあって、今日やっと読み終えた。

6~7世紀のイギリスの話。原住民ブリトン人がいて、サクソン人があとからやってくる。かつてひどい殺戮があったはずだが、人々はそれを忘れて暮らしている。

数週間前のことさえ忘れるのは、山の上にクエリグという大きな龍がいて、その吐く息で人々が記憶を失うから。貧しい老夫婦は村を出て行った息子を訪ねる旅に出る。途中でサクソン人の村で、鬼に噛まれた少年を連れ、アーサー王の甥という老騎士と同行し、山の上の瀕死の龍は老騎士が倒すけれど、それでかろうじて保たれていた平穏な暮らしが終わる予感。

老夫婦は、息子のいる島へ渡るために小舟に乗ろうとするが二人一緒は無理と断られる。息子は果たして生きているのか…

長くて寓意に充ちた構えの大きい作品。ふだんこういう種類を読みなれていないので、頭の老化も激しいし、読むのはたいそう骨が折れた。

映画化されるそうなので、どういう映像になるかぜひとも見たいもの。

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セツブンソウ、ユキワリイチゲを見る

2018-03-11 | 旅行

最近遠出しないので、ささやかなお出かけも旅行カテゴリーに(;´д`)

庄原市総領町。中国道庄原インターから南へ約15分。

山すそのあのあたりです。

群生。

わずか5cmくらいの可憐な花。

米粒みたいなのはセリバオウレン。

可憐。キンポウゲ科。キタダケソウ、ハクサンイチゲなどが仲間と思います。園芸種のアネモネも。

旧暦節分のころ咲くのでこの名前とのことです。

フクジュソウは育てているとのこと。こちらもキンポウゲ科。


続いて尾道方面へ30分ほど行き、上下町へ。

尾道と大森銀山を結ぶ銀山街道沿いに栄えた町。七宝のなまこ壁が立派。

こちらひなまつり中。

手作りの装束。

レゴ雛。

雛道具。

雛道具

土の人形各種。

三好人形、上下人形など。

さらに尾道方面へ向かうと

上下町の自生地です。

こちらも可憐な花。

そのあと尾道から山陽道経由で帰宅。途中、姑様の病院へ寄る。

二年と4か月、リハビリパンツやオシメだったけど、病院の介護のおかげで、トイレの介助すると自分でできるようになりつつあります。

それも多分リハビリの一環と思います。

大変喜ばしいことですが、そのことで夫とちょっと険悪になった。帰宅後の介助は誰がするのかと。まさか全面的に私にさせるわけではないはず。頼むとも何とも言わないのだから。じゃどうするのか、何も考えていないようで。ただ家で看てあげたいと漠然と考えているようで。

普段から大変穏やかな←どこが!!この私、ケンカは好みませんが、人が介護するのを自然現象のように思わないで欲しい。

私の善意に期待しているのでしょう。善意の見返りは最低限、感謝の心の表明。でも今までほとんど感じたことありません。弟妹にいい顔するのもやめてもらいたいもの。遠くの人は言われなければわかりません。

先日、姑様のお金を足し算しなおしたら、今まで思っていた倍くらいあったそうで、私も心底安心した。それならいつか施設へ行っても、たぶん最後まで大丈夫。長寿記録を争うようなことさえしなければ。

で、つくづくと自分の老後のことを考えるわけです。考えても不確定なことが多いし、死ぬ時期は選べないし、死ぬまで生きていたいだろうし。


夜、絵のサークルの代表に電話して、退会を申し出る。しっかりお礼言って、なぜ退会する気になったかを説明したら分かってくださった。

健康寿命をあと5年と私は考えている。その間にしたいことは山のようにあるし、嫌なことにかかわっている時間はもう残されていない。毎日毎日、本当に大切にしないと。

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