「体力維持のバロメーターと山岳安全祈願のため、職を辞してからも山開きの日に合わせて毎年富士に登ろう!」と決意したのは何年前だっけ。冨士の樹海コースから7月1日に合わせて登頂した2018年ころか。そう遠い日ではなかったはずだが、2019年、2021年(2020はコロナで閉山)といずれも悪天候のため山頂を目の当たりにして敗退した。
富士吉田口山開き前日の6月30日は、どこの山小屋も空いているし、ほぼ毎年と言ってもいいくらい報道される7月1日に御来光を仰いで万歳する集団の一員に加わりたいというミーハー的我欲もあっての誓いだった。
が、誓いはあっという間に破られた。昨年は、「梅雨時はもういいや」とあきらめて9月になって未踏の須走コースから登り始めたが、これも悪天のため敗退した。五合目の山小屋に前泊し、御来光を目的にしない登山だったが。1日中雨が降っていたので、富士吉田五合目にトラバースして古道を下った。
昨年は、あの須走口を歩いたら冨士の全コースを歩いたことになるから卒業しようとでかけたのに悔いが残り、卒業を順延した。
それで、今年2023年になったのだが、報道でも明らかだが、今年はコロナ明けで国内、海外とも富士登山者が殺到する予想である。山小屋の収容人員を大幅に超える登山者が予想され、宿をとらないで五合目から登り始めるいわゆる「弾丸登山」が横行し、疲労や高山病、悪天による遭難などが心配されるとのことで、登山者数制限の話まで出ているという。
ちなみに、二三の山小屋の宿泊予約状況をネットで調べたら、7月初めを除いて8月いっぱいは、もうほとんど予約でいっぱいである。あのコロナの対策としてどこの山小屋も収容人員を半分近くに減らして、個室や隔壁ベッドなどの改造をほどこしたことも満室の原因だろう。
「弾丸登山」とは、五合目を日没以降に出発し、翌日午前4時過ぎの御来光に合わせて山頂に登り、そのまま不眠で下山してくるという、一種無謀な登山行為を言うのだろうが、今年は宿が取れないから「やむを得ず弾丸登山者」が大幅に増えて、登山道は先を進む者、へたばる者、座って眠る者などで押すな押すなの賑わいとなるのだろう。
こんな富士登山は御免こうむりたいが、オイラには卒業式となる須走登山道が残っているので、天気を見計らって少なくとも国内登山者が減っている8月末から閉山の9月10日までに挑むこととしたい。
そしてこの「弾丸登山」の汚名を着せられないように「蝸牛(カタツムリ)登山」方式で登ることにしたい。五合目から通常6,7時間の登りのコースだが、その倍の時間をかけてゆっくり登るのだ。
午後スタートし翌朝の御来光まで12,3時間をかけて、登ったり、写真を撮ったり、自然観察をしたり、道端の岩陰でツェルトを羽織りながら休んで月を愛でたり、仮眠をとったり、お湯を沸かしてお茶を飲んだり、カップ麺やスープを飲んだり、(気付けに少しお酒を‥内緒)しながらゆっくりと山頂を目指すのだ。
そして晴れていたら、お鉢巡りをし、また大好きな吉田古道や精進湖の樹海コースを1日かけてゆっくりと下って、最後の富士登山にゆっくりお別れをしよう。
アプリ「登山天気」によると、明日の富士山頂はは☂マーク。気温最低6度、最高8度と暖かい方だろうが、風はどうだろう。低気圧でも、運がよければ厚い雲海から御来光がのぼり、登山者らがバンザイと両手をあげるのだろう。(報道が楽しみ・・)
明日土曜日のNHKR1「石丸謙二郎の山カフェ」は、富士登山特集だとか。「山からおはよう」を聴きながら空想登山しようかな。