われわれがいかようにも避けられないもの。それは、いつやってくるかもしれない「天変地異」と「私という生命の終わり」だろうか。「天変地異」は「私という生命の突然の終わり」をもたらすものであるから人類共通の不安であり、恐怖でもある。
古くは、外敵の侵略や暴虐、パンデミックなども加わり、これらが人類を恐怖せしめてきたが、であるからこそ人類は「宗教」や「芸術」に救済と再生への糸口を求めてきたのだろう。
とりわけ西洋のヒトビトはキリスト教のせいだろうか、「死=苦悩」→「安息」→「復活」→「歓喜」というファンタジーが肉体感覚として共有しているようで、ベートーヴェンもブラームスも例外ではないだろう。
ブラームスの交響曲1番は、ベートーヴェンの第九を継承した「第十」と呼び慣わされているように苦悩からの脱却と歓喜をテーマとした音楽だとよくいわれているが、第1楽章の言いようのない恐怖のおののきとパニック感は第九をしのいでいるように思える。
それをあの日のカール・ベームは見事に表現してくれていて、出だしのティンパニーから震えあがるが、歓喜のクライマックスへは、17日、22日どちらもエキサイティングに導いてくれた気がする。
今日は「阪神大震災」から30年だという。いつ、どんな場所で、命に係わる天変地異が発生してもおかしくないニッポン。
カール・ベームのブラ1を聴き、この50年間にニッポンでおきた天変地異を回想し、あらためてこの世は恐怖と不安で満ち溢れていることを再認識したが、だからといって絶望するのではなく、再生と歓喜のフェイズを夢見る力をいだき続けることもまたヒトの性であると思いたい。
かぜねこ三百名山未踏峰・空想(共有)登山
蓬莱山(ほうらいさん・1174m・日本三百名山№275)
比良山系は、蓬莱山が三百名山、最高峰武奈ヶ岳が二百名山に選定されている。蓬莱山は頂上がレジャーランド化されて興ざめ気味ではあるが、琵琶湖の展望と言い素晴らしい山頂を味わうことができる。登山口が鉄道駅だったり、西側はバス停もありアクセスもいいし、ロープウェイもあり楽々登山も可能だ。蓬莱なんて、天国みたいな名前でありこんな山頂で老いを楽しむのもいいかもね。
「ジオ登山アッサンの山と地質のヒストリー」さん提供
ブラブラ登る!蓬莱山の絶景の秘密|ジオ登山(蓬莱駅~薬師滝~小女郎峠⇔小女郎池~山頂~内見山~クロトモハゲ~志賀駅)
地質の専門家による山案内。めちゃめちゃ楽しいな。