かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

大門より入れ

2018-12-24 08:20:58 | 日記

暮れの関西冬の旅、二日目土曜日は、この3月、ダイヤモンドトレールを終えた翌日、夕方の飛行機までの時間に「行ってこれるだろう」と安易な予測のもとに歩いて、時間切れのため三分の一ほどで追い返された九度山から高野山までの町石道「ちょういしみち」を歩いてきた。

一町109㍍ごとに石の卒塔婆が道端に立ち、その数180、21キロにわたって聖域に誘うというお大師さまが開いたいにしえの山道(参道)。




慈尊院からの初めと大門に登る終盤を除いて、概して急なアップダウンもなく、慈愛に満ちた柔らかな小道であった。一日中、傘を差して、トレールシューズはグチュグチュに濡れまくったが、苦にならなかった。

慈尊院から歩くこと6時間半、霧の中から突然に目の前に大門が現れた時の感銘はいいようのないもの。



大門をくぐって、お大師さまの眠るニキロ先の奥の院に向かう。


最後の町石

奥の院入口の一の橋から先は、日
本のどこにもない風景。「今も生き続ける杉の古木に抱かれて眠る何十万という魂の累々とした石の碑」。

まさに異なる聖域で、御廟にたどり着いて、改めてお大師さまこと空海さんの底知れぬ力に、唖然とし、祈ることもたじろいで、脱力したまま金剛峰寺、霊宝館もそこそこに拝観し大門までもどり、近くの臨時バス停より橋本に下った。

大門から奥の院、一の宗派が広大な町をつくり、数々の寺を集め、死者の魂を集め、亡き人の思い出と供養のため数知れぬ生者を全国から引き寄せ、彼岸と此岸を混在させて千数百年も生き続ける高野山。

この聖地を、再び訪れることがあらば、また石道を辿り、大門より入るのだろう。高野山は、そういう風に作られている。老いぼれて足が弱っても、お大師さまが、導いてくれるのだろう。
登れなくなった頃、ようやく彼岸に導かれるというもの。町石道は、そのような道だった。

帰りのバスで、あるご婦人から、余ったからといって南海電鉄株主優待キップをただでいただいた。「得をした」とほくそ笑んだ。未だ此岸にある俗人なのである。

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興福寺参拝

2018-12-21 20:56:34 | 日記

関西の冬の旅に来ている。落慶した興福寺の東金堂にお参りした。時間があったので、リニューアルされた国宝館にも出向き、阿修羅やサカル、ゴブジョウ にも再会してきた。心、晴れ晴れ。明日の雨も、苦にならず。





 

中金堂に平成生まれのお釈迦様が鎮座(合掌)

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ウィルタネン参り

2018-12-20 05:20:59 | 日記

あったかな朝、窓を開けても室温24℃、湿度55%と快適至極。窓の外では虫とカエルのさびしそうな歌声が聞こえている。ベランダに出てみると、やや雲が多いが、月明かりに照らされた星世界。今日は4時30分ごろ月が没するので、5時ごろがウィルタネン撮影のチャンスか。外に出てみよう。午前4時30分。


 

午前5時戻り。

昨日のサトウキビ畑の道路にて。今日は、少しアップで撮ろうと古いニコン製80~200m(f2,8)を持ち出してみる。午前4時30分ともなるとアルデバランもスバルも地上に隠れようとしていたので、カペラとの間にあてずっぽうにレンズを向けたら、そのうち青緑の彗星がレンズに収まるようになったので、80mから150mの間でとってみたら、昨日までより、緑がかった美しさが少しは出てきた。

ネットにアップされた美しいやつは、ポータブル赤道儀とコンポジット(数枚の合成)を駆使しているので、今のオイラの資材ではこれが限度か。でも2018年12月のウィルタネン参り、満足して完了としたい。

明日から、関西冬の旅で、4日間家を空けるし、戻ってきたら「全一等星撮影行」が待っている。

5.4年先にウィルタネンが地球に戻ってくるころ、オイラはいかなる境地に立っているのだろう。オイラも星になっているか。(そんな美しいものではない。)

 

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未明の西の空からウイルタネンGET

2018-12-19 06:17:17 | 日記

昨日から今朝にかけて、石垣島はよく晴れている。5時の気温15℃。日中は24℃くらいまで上がるという。昨日の朝5時すぎにベランダに出てみると、東の空に明るすぎる金星、右上に、おとめ座のスピカ、その右隣にからす座が分りやすい四角形で輝いている。

 

このカラスの四角を目印に真下に眼を落とすと、そろそろ南十字星(はいむるぶし)とケンタウルス座のα・β星(ぱいぬぶし)が水平線上に現れる季節。国立天文台の「今日の星空」では、今朝6時ごろ(今時分)に、はいむるぶしの十字がちょこんと現れている。夜明け前の1~2時間、いよいよ観察時となったので、これから、朝の星具合を眺めながら「規律ある」生活をしていこう。

 

昨日の琉球新報に未明のバンナ公園から愛好家によって撮影されたウイルタネン彗星が美しく掲載されていたのをみて「あ、そうか、お月様が沈む未明に、まだアルデバランとすばるが西の空に浮かんでいるので、その時分だともっと良く撮影できるのでは」と、オノレの頭が固いことに気づいた。彗星は、12月いっぱいは(少しずつ離れてはいくが、すばる方向に見えているのである。)

ということで、今朝は3時に起きて、星が見えていることを確認して、わがアパートから100mはなれた真っ暗なサトウキビ畑の中の道路に三脚を広げ撮ってきたのが下の写真。やっぱ、箒の尾をひいてはいないが、ウィルタネンをゲットできたのではなかろうか。少なくとも、おとといよりかまし。

 

アデルバランのV字とすばるが見えているあたりにズームを伸ばすと

 見えてるよねウイルタネン もっとアップすると

分るよね

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ウィルタネン彗星なんとか捕縛

2018-12-18 05:40:10 | 日記

昨夜は、ひさびさ晴れたので、ベランダに三脚を立てウィルタネン彗星を捉えようと、東方向にレンズを向ける。天文台で教わったとおり12月17日は、おうし座のアルデバランとスバル(八重山では「むりかぶし」といって天文台の望遠鏡の名前になっている。)を結んだ線をやや越えたあたりが彗星の位置だという。

残念ながら、10.2日のお月様が南中あたりに煌々としており、明るすぎて肉眼ではアルデバランとスバルしか確認できんので、レンズの御世話になる。

高感度だと明るくなるわ、低感度でも長押ししても明るくなるわで、月の明るさに要領が分らなくなったが、写された画像を見るとどちらの感度でも、わずかに「シミ」のような彗星が確認できる。いわゆる「ほうきぼし」の箒は映っていないが、間違いなく彗星なのだろう。

やっと捉えることができて少し安心するが、年末まで、観察できそうなので、月明かりがない頃合になんとかもう一度、地球から離れていくウィルタネン君に会えるといいな。

 

 

   スバルとウィルタネン

 

 

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