かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

騒がしかった秋の蔵王古道

2020-10-21 15:54:51 | 日記

高気圧が張り出してきたので、宮城蔵王の紅葉もさぞや、と期待して、再び蔵王古道をあるいてきたがスカだった。

冷えたらもう4,5日あとが見ごろかと思うが、今年は当たり年ではなさそう。栗駒山を見てきたからなおさら。

おまけに、体調すぐれず4時間すこし登り、澄川スキー場まで行ったきりで下山を開始した。胃腸が重い、焼酎の飲みすぎか。それでも蔵王古道の勾配は優しくて、ブナやミズナラの巨木たちと巡り合えたので、1日の「散歩」としては十分だったのだが、この日は、色好きの不満のほかにもう一つ不満を抱えての下山だった。

この時期の晴れた日の難点として、車が多いのだ。古道の多くが、近くをエコーラインが通るが、6月に歩いた時とは全く騒音量が異なった。あの自粛時の静寂がなつかしい。ドライバーのお顔を拝見すると、ほとんどが高齢者だ。それも、仙台、山形、福島と近隣の車が圧倒的。

コロナの自粛要請に飽きたご老人たちがは(オイラもそうだが)、出かけたくて出かけたくてしょうがないと見た。妻「お父さん、今日は快晴なので蔵王にでも行って紅葉見物して、頂上でお釜見物してから、麓の温泉にに入ってこない?」、夫「うんそうしよう、平日だから空いてるだろうからな」という朝の会話が聞こえてくるかのようだった。

晴天の一日蔵王古道を歩いていたのは、オイラだけ。だれも、宮城蔵王を麓から登る登山対象としていないのが寂しくもあるが、逆ににオイラだけの専用道であり、車の騒音は、今話題のクマ除けにもなってくれて安心、安心、と言い聞かせて、2020秋の宮城蔵王を終える。

時短営業で、16:00から開湯している遠刈田温泉・神の湯にどっぷり浸かって、ほてった体を缶ビールで冷まし、仙台行きの最終高速バスで帰途に。

クルマの少なそうな来夏こそ、この古道を歩いて宮城蔵王から山形蔵王に山越えしようと思案。

 

     

    澄川スキー場までで、唯一展望が開ける場所の地面に座り、シャケ弁と熱いコーンスープの昼食とする。

 

 

     

     あの柱状節理の岩が噴き出したのは何百万年前なのだろう。ひとすじの滝が流れているのを発見。

 

 

     

          滝近くの森に、赤い目玉の妖精がすんでいることを確認。

 

 

 

 

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黄金のブナの木

2020-10-19 14:20:59 | 日記

一本のブナの木の下にテントを張った。

オイラは、ブナにも男性と女性がいるもんだと思っている。

ブナの幹や枝ぶりを眺めていると、実にそんな気がしてくる。

どう見てもその肢体のなまめかしさからして女性だと思うブナの木。

ごつごつとした手触りや黒い苔の張り具合から、武骨極まりない男性だと確信できるブナの木。

この方は女性、こいつは男と識別しながら歩くブナの森が好きでたまらない。何かしらの人格?を持ち、

何かを語っているかとも思えてくる。

ブナの木に意識があることの証明に、テントを張った目の前のブナの木を1時間ばかり微速度撮影を試みた。この木は女性だと思う。

やっぱり、風も吹いていないのに、あちこち動いていた。何かを語っているようでもあるが、残念ながらブナ語が理解できない。

ただ言えることは、朝日を浴びて輝きを増した黄金の葉たちとの別れのあいさつに余念がないということだ。

来春、雪解けを待って、この女性のブナの木の前にまた、テントを張ろうと思った。

 

 

 

 

 

        

 

 

微速度撮影をすると、一本のブナの木も、動物と同じように動きたかっていることが分かる。

天上の流れる雲に手をさし伸ばして、どこかに連れて行ってもらいたいのだ。

風も吹いていないのに、たしかに、あちこちの枝という葉といい、じっとしていない。

 

 

手持ち撮影で、あまり鮮明ではないが、G3Ⅹでスナップした栗駒山の秋色スナップを少しばかりまとめてみた。

 

 

 

月曜の午後、BGMにのんびりジャズピアノを聴きながら・・・

ゆったりジャズYoutubeをお借りします

 

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栗駒山・極彩色から白の世界へ

2020-10-17 16:25:37 | 日記

三日ばかり、栗駒山麓の須川湖にテントを張り、秋の世界を楽しんできた。

一日目は晴れ。湯けむりたなびく標高1000m余りの須川高原の周囲は、ありきたりの表現だが極彩色の絢爛世界。カエデやカバノキの仲間の黄が風景の主調で、ナナカマドやモミジの仲間、ドウダンといった赤色系がそれぞれの個性で黄色のキャンパスにアクセントを添え、シラビソやコメツガといった針葉樹の緑の陰影が、赤や黄の彩りをますます濃いものに仕立てていた。華やかな低木地帯のある火山性の湯元や湿原地帯を取り囲むようにブナの森は黄金色に輝いていた。

栗駒山に毎年通っているわけではないので、声を大にしてコメントできないが、当たり年だったのではないか。(ヒトが、そう感じるだけで、植物たちはせっせと冬の準備をしているにすぎないし、クマたちにとってはドングリやブナの実が凶作となっており、それどころではない由。)

星空望めず。

二日目は、夜半から小雨、午後から晴れる予報だが、寒冷前線通過のあとは、きまって強い風が吹き、秣岳から栗駒にのぼったが、稜線にいる間、ガスが途切れたのはつかの間だった。天狗の頭で強い西風にいじめられ、頂上滞在1分。逃げるように麓に下りると、昨日の彩が、また優しく迎えてくれた。

星空望めず。

三日目は、晴れたが凍えるほどの寒さ。午前2時から待機したが、残念ながら星空は望めなかった。日の出とともに雲が消え、姿を現した栗駒本峰や天狗の頭は真っ白、初冠雪かと思ったが、霧が凍った霧氷だろう。あと、ひと月、ここは白色の世界で、車やヒトがいない静寂世界に立ち戻るのだろう。

三日間とも、栗駒山荘や須川高原温泉の露天に長湯した。来夏は、長期滞在で、自然観察の基地にしたくもなったな。道路開通は5月から。

 

 

 

 

     

                三日目の朝、天狗の頭は霧氷の白世界

 

 

      

            3日目の須川湖は毛嵐が湖面から立ち上る

 

     

              秣岳(まぐさだけ)

 

     

       彩の世界の西向こうにうっすらと出羽富士・鳥海山の姿が浮かんでいる。

 

 

さまざまな山の植物たちは個性的な古楽器のようでもあり、奏でる音楽は、バッハの協奏曲の世界に近しいか。第1楽章は夏から秋の彩り、晩秋から玄冬の世界は第2楽章の静かで厳かで瞑想的な世界、そしてまたやってくる春の歓びは第3楽章で表現。朝の「古楽の楽しみ」でやっていたブランデンブルクの2番や4番あたりを聴いていると、宗教とは、季節の循環、命の循環に対する畏敬や感謝のようなものであり、そのように思えてならない。

 

 

リヒターで聴く2番Youtube

 

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凍りついたテントの思い出

2020-10-14 16:01:50 | 日記

あれは、学生時代に上越国境の平標山(たいらっぴょうやま)に一人用のエスパーステントを担いで登ったときだったか、たぶん指定のテント場ではなく、稜線の草地にポツンと張ったような記憶。いま、地図を眺めてもどの辺りだったか、指さすこともできない曖昧模糊とした場所。どうしてそんな場所に張ったか、理由さえ思い起こせない遠い時の彼方。ただ、二つ事実だけは、いまでも鮮明に覚えているから、不思議なのだ。ひとつ、朝目覚め、外に出るとエスパースの水色のテントが真っ白に凍りついていた。あるいは、霜だったのかもしれないが、外気は確実に氷点を下回っていて、濃いガスが辺りに立ち込め、視界を遮っていた。いいようのない恐怖と孤独感が襲ってきて、オイラはテントを揺らして氷を落とし、(霜だったのかもしれない。)、テントをたたみ、早々に下山をはじめた。

ふたつ、冬が訪れた山道を下山中に脳裡に流れていた音楽は、バッハ「マタイ受難曲の第六曲のアルトのアリア  悔いの哀しみは」。当時、家で何度もレコードで聴いていたカール.リヒター版のせいだろうが、なぜかこのアリアだけが、壊れたレコードのように繰り返し流れつづけた。

 

どうして、この思い出が突然現れたかというと、今朝山に向かう電車でNHKFM「古楽の楽しみ」を聴いていたらバッハが流れていたから。

季節の循環とキリスト教、そしてバッハ、とくに秋から冬という北の生き物に辛い季節を向かえる季節、云わば受難の季節に、バッハの音楽は、優しく手をさしのべてくる。

さあ、今日から二日間、標高1000メートル地点で、テント暮らし。同じエスパースだが、今は緑色。大陸から冷たい寒気が降りてくるという。また、白く凍りつくだろうか。

 

今宵の宿は、ブナの森の乾いたウッドデッキ😍

 

 

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キャンプ地の星空撮影は、そろそろつらいか

2020-10-10 13:20:49 | 日記

9月の末、飯縄山の麓にあるキャンプ場で目覚めたのは未明の2時過ぎだったか。秋も深くなると、テントの外に出るのが、そろそろ億劫になるほど冷えてきたし、フライシートが夜露でべっとり濡れている。

テントから顔だけ出して、樹間からのぞける空を見上げたら、晴れていて、月がそろそろ戸隠の山に隠れそうだったので、テントから這い出して、少しでも空が広い場所に三脚を据えようと適当な場所を探し歩き回ったが、あいにく、そのキャンプ場は外灯が点々と場内を照らしていたので、少しでも暗がりを求めて歩いたら、サンダル代わりに履いたジョギングシューズでも、朝露で靴下まで濡れた。

そんなこんなの諸事情で、晴れていたにもかかわらず、星空の写真を数枚撮っただけで、あとはレンズの結露防止用ヒートベルトをレンズに巻いて、こないだヨドバシで買った1アンペアのリチウムバッテリーにベルトのUSBコードをはめ込んで、1時間の微速度撮影をスタートさせ、早々にテントにしけこんだ。

それから、テント内で半身をシュラフにいれ、開けたテントの入り口半分をまくり上げて、付属のひもで入り口部分を固定し、前方にヒャッキンで買ったレジャーシートを敷いて、ガスカートリッジでお湯を沸かし、コメを炊くという朝の支度にとりかかった。

微速度撮影が終わるころには、保温ボトルにお湯を入れ、コンテナ容器に炊いたご飯の半分を入れて弁当を作り、みそ汁に佃煮というシンプルな朝食を済ませていたので、再び屋外に出でてカメラの回収に赴いたが、まだ暗いので、設置場所がどこだったか少し捜し歩き、焦る。

そんなもんだから、出来上がりの写真は、ややピントも甘く、微速度撮影も1時間で30秒足らずと満足のいくものではなかったが、2020年の戸隠高原の記憶として貼り付けておこう。

せっかく、重い一眼と三脚を持ち出すのだから、冷えていても、もう少し「真面目」に星空と向き合おうと反省した。

もう10月も半ば、来週から10日程度は月も暗いし、火星も地球大接近中、22日ころはオリオン座流星群が観察できるのだという。カイロを持参しながら、シーズン最後の?「星空撮影も目的の一つとして」どこかの紅葉の山懐に飛び込もう。

 

 

    

          月が隠れた3:55 ソフトフィルター使用

     

       

          冬のダイアモンドすべては見えませんでした。

 

 

 

 

 

 

   30秒の微速度撮影を1分に(ソフトフィルター使用)。 後半暗くなったのは月が隠れたため。

 

      

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