
マルボロ・マクラーレン・ホンダ MP4/5やMP4/5Bマシーンに搭載されていたのは
自然吸気のV10エンジンでしたがその頃ホンダは密かにV12エンジンの開発を
急ピッチで進めていました。
3,500㏄V12エンジンは13,000回転から735馬力以上を叩き出してしまうバケモノ。
新しいV12エンジン搭載のマシーンは MP4/6 として1991年のグランプリ開幕から
投入され開幕4連勝とセナが最後にワールド・チャンピオンになったマシーンでも
ありました。
セナが母国グランプリで初勝利したのもこのV12エンジンの MP4/6 でラスト数周を
6速ギアだけで走破しチェッカーを受けたたのは有名な伝説ですね。
失った低いギアを使う事が出来ずV12から発せられる強烈なバイブレーションに
耐えながらのフィニッシュであった為、セナはマシーンから自力で降りる事も
出来ない程、疲労困憊してました・・・
とても印象深いのは傍受されたマクラーレンチームの無線にフィニッシュ直後の
セナの嗚咽がまるで子供の泣き声の様に入って中継された事は今でも忘れられません。
そして、我が愛しのセナ仕様トライク MP4/5 もバイブレーションでは負けていません。
エンジンは非常に丈夫ですが高回転域で発せられる振動は尋常ではありません。
リアルな4ストロークエンジンである事を体感出来るのは快感でもありますが
この振動がもたらす影響はボルト&ナットから構成されるマシーンの各部のガタや
緩みを助長して始業点検を怠ると思わぬ事態になり兼ねません。
いつも始動時にはパワートレーンの点検、そしてスロー走行での異音チェックを
しますが、前回走行時にリア回りから異音を発していたのでガタつきチェックを
したところデフカバーの溶接部が外れカバーが共振でビリビリ鳴っていました。

自宅ガレージには溶接する機材が有りませんのでドリルで穴を開けL型ステーを
利用して4か所を固定して対策しました。

今迄、タイヤ取り付け部のバブの緩みの増し締めや
デフとスイングアーム連結部のボルト緩みが発覚しました。
これは、ボルトがタップしてあっただけでしたのでナットを噛まし強力に
締め上げました。デフ周辺は最も荷重か掛る場所ですが
ここは最も振動で緩みますし常にチェックが必要です。

リア・フェンダーも振動により亀裂が発生していましたので
アルミ板を利用し補強板を工作し取り付けました。

ナンダカンダと世話が焼け、弄りたくなるのもコノ手のマシーンの魅力ですわ・・・