日々雑感「点ノ記」

備忘録(心の軌跡)

命日

2006年09月12日 | インポート
父が死んでから21年が過ぎた。
今日が、その21回目の命日になる。

私の息子が生まれて1ヵ月ぐらい経った時に、当時大阪で暮らしていた私たちのもとに母から電話があった。

父が入院して、あまりよくない病気のようだとの内容だったので、生まれて間もない息子も飛行機に乗せて、家族5人で急いで愛野に帰った。

まだ生まれたばかりの息子の顔を、父母には見せていなかったので、見せておかねばとも思ったし、父の病状次第では自分の生き方も軌道修正をしなければならないかもしれないという思いを抱きながらの帰郷だった。

父は、2週間の闘病生活で、あっけなくその59年間の人生を閉じてしまった。

解剖の結果、肺がんから肝臓などに転移したものだったそうだ。

葬式を済ませ、それから半年後には、ふるさと愛野町に引っ越してきて、少し生き方を軌道修正した生活を始めていた。

サラリーマンを辞めて自営業を始め、子育ても自然が豊かなふるさとですることができた。

21年前に、父の他界という事実が無ければ、今もどこか他の場所で暮らしていたかもしれない。

貧乏とは常にお友達のような生活ではあるが、ふるさとに帰ってきて生活ができている事を父に感謝している。

今年も、父が好きだった真っ赤な芙蓉の花が一輪、庭先で開いている。


豊田かずき