紫蘭(ラン科)花言葉は、互いに忘れない。日当たりのよい庭で、植え込みの紫蘭が明るい紫の花をいっぱいにつけているさまは静かな華やぎを感じさせる。野生蘭でありながら栽培が容易のため、観賞用として普及してきた。山地の岩の多い湿つた斜面などに群生地がある。萼片3枚と側花弁2枚は狭長楕円形でほぼ同長。唇弁は3裂し、中裂片は大きく、数個の縦の襞が隆起する。古くは根を漢方に用い、漢名を白及という。紫蘭といいつつ、白い花もある。「紫蘭咲いていささかは岩もあはれなり 北原白秋」「雨を見て眉重くゐる紫蘭かな 岡本 眸」「司書の眼をときどきあげて紫蘭咲く 富安風生」「紫蘭もて訪ひ來し人を逢はしめず 加藤楸邨」「朝戸出や紫蘭の花に雨あがる 村上入沼」。(紫蘭咲き 群がるさまは 踊るよう ケイスケ)