バラ(バラ科;薔薇属)花言葉は、愛。落葉または常緑の低木の総称で、種は多く、それらの交雑種も含む。薔薇はその香りと薬効で、古代ギリシャ、ローマ時代から庭園に植えられたという。ヨーロッパや西アジアなどの野生種を元二品種改良が行われていた古代薔薇に、中国や日本の野生種も加えられて本格的に品種改良が行われたのは19世紀以降のこと。四季咲きの系統ができ、無数といってよいほどの品種作出され、現在も新品種が生まれ続けている。薔薇の樹形を大別すると叢生と蔓性があり、枝には鋭い刺がある。花の芳香は品種によって微妙に異なる。花色は品種によって微妙に異なる。花は単弁と重弁があり、花の形地や大きさ、花色などは変化に富んでいる。5~6月が開花の盛期であるが、四季咲きのものは秋まで咲き続ける。「ばら」は刺のある小木の総称である。「茨(棘.荊)」によった名。「薔薇」は野茨の漢名「野薔薇」に基ずく。◎ギリシャ神話やキリスト教との結びつきで、西洋では愛と美の象徴の花である。高貴な美さをいかした句が多いが、棘の故か、翳りのある句も生まれる。『手の薔薇に蜂来れば我王の如し 中村草田男』「夕風や白薔薇の花皆動く 正岡子規」「雷すぎしことばしづかに薔薇を撰る 石田波郷」「老いにも狂気あれよと黒き薔薇とどく 殿村登四郎」「薔薇よりも淋しき色にマツチの火 金子兜太」「薔薇を剪る夜明けの音をつくりつつ 原田青児」「記念樹の薔薇の名アンネ爆心地 重本泰彦」「手に薔薇の傷いつぱいよ逢いたかり 矢島 恵」「自らへ贈るくれなゐ強き薔薇 櫂未知子」「少年の指の血甘し夜の薔薇 田口一男」「太宰の恋白薔薇ひとひらづつ毀れ 島貫 恵」「愁いつつ丘にのぼれば花いばら 与謝蕪村」「古郷やよるもさわるも茨の花 小林一茶」「薔薇を喰う虫聖母見給ふ高きより 水原秋桜子」「薔薇の香か今き過ぎし人の香か 星野立子」「薔薇一枝挿しぬ忘れてはゐずや 藤田湘子」「花いばら髪ふれあひてめざめあふ 小池文子」。(吾庭の 一鉢の薔薇 咲き急ぐ ケイスケ)