川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

桐生一高

2008-08-07 07:29:45 | 政治・社会
昨日は2時前から6時過ぎまで丸木美術館で過ごしました。若麻績さんの「祈りの力」というお話をうなずきながら聞きました。短くまとめる力がありません。紹介は他日を期すことに。

  今日は甲子園で桐生一高(群馬県)の試合があります。ぼくは今回、この学校の野球部は甲子園出場を辞退し、学校を挙げて謹慎すべきだと考えてきました。これほどのことを自分たちとは無関係だとして済ます神経はどうかしています。甲子園はますますぼくからは遠くなっていきます。皆さんはどう考えますか。
 二人の方の意見を紹介します。

 
  桐生一高野球部員強制わいせつ:識者の意見 堀田力さん/玉木正之さん 
                 ( 毎日新聞 8月2日 群馬版)


 桐生第一の甲子園出場を認めた高野連の決定には賛否両論がある。それぞれの立場から2人の識者に意見を聞いた。(聞き手・鈴木敦子)
 ■出場に賛成
 ◆連帯責任の範囲超える--さわやか福祉財団理事長・堀田力さん
 ◇日本高校野球連盟が設けた特待生問題有識者会議で座長を務めた、さわやか福祉財団理事長の堀田力さん
 出場決定で良かった。選手たちは引け目を感じずに堂々と戦い、桐生第一の素晴らしさを世の中に示してほしい。批判もあるが恥じることはない。
 今回の犯罪は絶対にやってはいけないことだが、責任は完全に個人にある。個人の資質に基づく犯罪で、野球部の仲間にとって予防可能だったかどうか。連帯責任を負う範囲を優に超えており、無過失責任だ。
 これで出場できなければ、責任を負わされた方も納得いかず、頑張る意欲を失ってしまう。野球だけでなく勉強などにも将来的に悪影響を与えるだろう。
 野球ができることを鼻にかけて悪事に走ったとか、練習態度に問題があったとかなら、他の選手らが支え合って解決すべき問題だが、今回は野球とは全く関係がない。互いの日常にまで注意し合うのなら疑心暗鬼になってしまい、かえって逆効果。不祥事をバネにチームが一つになるのがあるべき姿だ。
 ■出場に反対
 ◆決定「教育の一環」に矛盾--スポーツライター・玉木正之さん
 ◇「スポーツとは何か」などの著書があるスポーツライター・玉木正之さん
 率直に言って出場させるべきでない。日本高校野球連盟が高校野球を教育の一環に掲げるなら、今回の決定は矛盾している。甲子園がプロの興行だという事実を露呈させた。
 関係者は興行を成功させることに気を取られ、被害者の気持ちを思いやるなどの教育的意義を求めなかったということだ。
 高校野球は高校生の部活動だ。教育者として部長や監督の力が足りなかったのではないか。グラウンドで返せば済むのか。ただ野球が強ければいいのなら、クラブチームを作ればいい。
 そもそも北京五輪のために開幕を前倒しして、期末試験の時期を犠牲にしたのが今回の大会だ。
 一体誰のため、何のための甲子園なのか。学校の宣伝か、選手の名誉か、関係者の金もうけか。選手たちは出たいに決まっている。甲子園の本質がメディアも含め大人に都合の良いイベントに変わってきているのではないか。

 

 掘田さんが言っていることは、個人の資質に基づく犯罪で他の部員には責任がない、だから恥じることはない。ということに尽きるようです。
 犯罪の責任がその個人に属し、仮に親しい友人であっても教唆煽動などしない限り、刑事責任を問われることはありません。だからといって、自分には無関係で恥じることはないといえるものなのでしょうか。たばこを吸ったとかというレベルの事件ではありません。部外の第三者に危害を加えたのです。堀田さんは「資質」に基づく犯罪なので他人には防ぎようがないと言いますが本当にそういいきれるものでしょうか。
 青春期の性欲をもてあまし、悩んでいる青年は山ほどいます。この課題にどう対処するかは昔から青年期の大問題なのです。ぼくの故郷などには「夜這い」という習慣もあったといいます。今で言えば犯罪に近い場合もあったのかも知れません。若衆宿というのもありました。青年のたまり場です。性教育の場でもあったはずです。
 いつの時代でも集団の指導者達にとっても避けられない大切な課題です。野球部というのも男ばかりの同じ年頃のものたちだけの未熟な集団ですから、指導に当たる監督や部長の苦労も大変なはずです。逆に言えばその指導力を発揮するチャンスでもあるはずです。
 この課題にうまく対処できず、犯罪行為に走ってしまう生徒が出たのです。遅まきながらでも、自分たちの抱える大切な問題として全員で考えるチャンスにする他はありません。それが学校であり、クラブ活動であるはずです。
 問題を個人の「資質」に帰して、「君たちには何の関係もないよ」というのが高野連の有識者会議の座長というのですから、立派なものです。
 高野連に属する野球部は高校のクラブ活動とはいえないものになりました。クラブ活動としてやっていこうとする野球部は高野連を脱退する時です。