川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

12月8日

2008-12-08 06:21:23 | 政治・社会
 67年前のこの日、大日本帝国が天皇の名でが米英に宣戦布告し「大東亜戦争」を始めた日です。開戦の詔勅です。戦争に至った大義名分を明確に述べています。読み下し文もありますので声に出して読んでみてください。

  宣戦の詔書
   http://www.geocities.co.jp/WallStreet/4669/daitoua1208.html

 中国侵略戦争がにっちもさっちもいかなくなり、米英など欧米帝国主義諸国との「無謀な戦争」に突入したというのがぼくの理解です。
 当時の大日本帝国政府は「支那事変(日中戦争を日本政府はこう呼んでいた)を含めて大東亜戦争」と名付けました。皆さんはこの戦争をどう理解していますか?

 大東亜戦争 太平洋戦争 アジア・太平洋戦争 15年戦争 第二次世界大戦……

 この戦争をなんとよべばいいのか?ぼくには名案がなく「大東亜戦争」と書くようにしています。
 
 今年は田母神論文問題が浮上し、この戦争を「聖戦」(正義の戦争)とするひとびとが自衛隊の中枢を支配していることがわかりました。
 
 田母神論文を読むと日中戦争も日米戦争も仕掛けたのはコミンテルン(ソ連のスターリンの支配下にある国際共産党)だとされています。日中(国民党政府)日米を戦わせる事でこれらの勢力を疲弊させ、やがて共産主義者が世界を制覇する謀略だというのです。日中戦争を始めた日本軍もアメリカのルーズベルト大統領もこれらの謀略にはまってしまったといいます。
 こういう説を何度か読んだことはあります。また毛沢東が日本の侵略をこのような目で「歓迎」したという話しもあります。しかし、歴史を見るときの一つの視点ではあってもそれで説明尽くそうというのは無理というものです。
 第一それではアジア解放の「聖戦」などとはとてもいえません。日中戦争以来、日本の軍部もコミンテルンに踊らされ、だまされ続けた哀れな被害者に過ぎないことになります。
 自分に都合のいい説だけを並び立てて自己陶酔するのは勝手ですが、そういう人が自衛隊の最高幹部に上り詰めているという事実は私たちにとっては脅威です。日本の未来を誤りかねないからです。

 「村山談話」を金科玉条のように持ち出して事は解決するわけではありません。私たちの一人一人が改めて歴史の事実と向き合い、様々な観点から学びを深めていく必要があります。

 ぼくはあるとき中国残留孤児の一人の方から「日本人はなぜアメリカを恨みに思わないのか」「復讐したいと思わないのか」と聞かれたことがあります。原爆を投下され、東京を始め都市という都市を焼き尽くされて無差別に殺し尽くされているのに疑問だというのです。
 ぼくはそのとき日本人の多数はこう思っているのではないかということである答え方をしました。しかし、自分の思いは語っていません。
 日本の社会のどこかに答えられないままうずくまっている疑問の一つです。大切な問いかけとして自分なりの答えをしなければと思っています。