川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

避難と移住  農山漁村の復権

2011-04-08 09:15:49 | 自然と人間(震災・津波・原発事故)

藤田さんが送ってくれた詩をそのまま紹介します。
 
「鐘が鳴っている」  藤田勝久

鐘がひと際高く 打ち鳴らされている
古稀を迎え また迎えようとする我々に
鐘がひと際高く 打ち鳴らされている
耳を澄ませ 最後の任務に赴けと
 
もう我々は 十分に生きたのだ
立派に生きた奴もいれば
私のようにお粗末極まりなく
恥多き人生を歩んだ奴もいる
 
そのことは 問うな
最後の任務に赴け
若い連中を 出来るだけ助けよ
彼らを 逃がせ
 
危険な黒い雲が迫っている
70歳になったら そのことぐらいは分る
まだ安全だ まだ逃げることはないと
誰が確信を持って言えるのか
 
我々はいいのだ
逃げることはない
若者を避難させよ
足手まといになるな
 
S君がいざとなったら警告すると
そう言っていたが まったく音沙汰なくなった
繰り返す 我々はいいのだ
若者を緊急に 総員退避させよ
 
       2011、4、7    藤田勝久
 
 川越に帰ってきたら、昨夜は早速地震で目覚めました。千年に一度という地震の余波ですからまだまだ続くのでしょう。こんな状況の中で福島原発はどこまで行ってしまうのか皆目見当はつきませんが、若い人たちが東京(関東)を離れて生活することを考えるのは当然です。
 
 政府も自治体も私たち市民もそれを支援、応援する道を用意しなければなりません。
 
 昨日、高知県東洋町長の「呼びかけ」を紹介しましたが、こんな自治体はほかにもあるかもしれません。とりあえず、やろうとすれば緊急避難はできます。
 ●東洋町http://www.town.toyo.kochi.jp/joho/html/index.htm(広報誌「とうよう」の4月号を覗いてみてください)
 
 しかし、「仕事」の問題に道筋をつけなければ生活を維持し続けることは出来ません。
 
 ①若い世代は「都会」生活へのこだわりを断ち切り、農山漁村、どこでも生き抜く意欲と能力を養う。
 ②政府と自治体は「地方」に仕事を創出する。
 
 どれも難しいことです。僕は②に関して、荒廃した山林を蘇生させることを国家事業とすることを提案してきました。「日本」を守るための大事業ですから自衛隊や海上保安庁に匹敵する組織を作って意欲と能力のある若者を登用すべきです。
 僕の若い友人の中にも30代になって山林労働者に転職した人がいます。危険を伴う困難な仕事ですが転職してよかったと言っています。しかし、家族が暮らしていく収入にはなっていません。
 東洋町でも沢山町長のリーダーシップのもとで間伐に取り組む人々が雇用されているようですが事情は変わらないでしょう。政府が国土再建を見通す中でこうした自治体の取り組みに法的な根拠を与え、労働者には自衛官・海上保安官なみの賃金を保障すべきです。
 
 地球という生態系を壊滅させかねない「原発」は途方もない「カネ食い虫」でもあることに今回のことで誰もが気づいたはずです。そのような無謀な事業は直ちに中止し、森や川や海をよみがえらせる事業に税金を投入すべきです。
 
 原発は昔からあったわけではありません。この日本ではたかだか40年でしょう。原発抜きでも何とかやれないはずはありません。多少の不便は我慢しているうちに慣れてくるでしょう。そのうちにこちらのほうが快適な生活だと思う人が増えてくるはずです。
 自然の恵みに生かされる生活を取り戻していく以外に人類生存の道はないと僕は考えます。