『道頓堀川』(1982/松竹)
映画道頓堀川を再び(50回
目位)熟視するように観た。
やはり良い映画だ。
制作発表会でのひとこま。
デビューしたての佐藤浩市は
くそ生意気の盛りで、深作監督
の演技指導に「できません」と
答えて激怒されたりしていたと
本人がインタビューで語って
いる。
本映画作品は、ラストシーンが
原作と大幅に違うので、原作者
の宮本輝と深作欣二監督で言い
合いになったという。
戦争で悲惨な体験をした深作
監督の作品は、必ず「死ぬ者
と生き残る者」が対比的に描
かれる。
向こう側のビリヤード台の前に
いるのは玉田ゆき役の加賀まりこ
ではい。某美人プロ。
ビリヤードはビリヤードだけ
をやるのが本道だ。
そこに賭博を絡めると、その
スポーツの道が汚(けが)れ
るし、それはスポーツでは
なくなる。
ビリヤードを博打勝負事とは
捉えずにスポーツとしての
真剣勝負と捉えるならば、
博打をブツ事にビリヤードを
利用したりすべきではない。
撞く玉筋も汚くなるし。
撞いてる年配の人見たらすぐ
判るよ。あ、賭け玉育ち、と。
バクチでスポーツを利用する
のはとても宜しくない。
今はいい時代だ。
かつての時代、というかここ
20年ほどのつい最近まで、金を
賭けなければ誰も撞いてくれ
なかった。キャロムの世界の
人以外は。
ポケットの人は師匠筋であろう
と弟子筋からもむしり取ろうと
するような人間たちばかりだっ
た。
到底スポーツマンではないし、
バクチ打ちとしてもしょぼい
小銭稼ぎの日銭暮らしのよう
なもので、極めていただけない。
今は、どうにかようやく撞球
が本来の撞球という運動競技と
しての本質を日本では取り
戻しかけているように思える。