私の手元には澄んだ高い良い音の
するキューが何本かある。
まずは第一はこれ。
ボブ・ランデの手による初期の
ショーン#21チューリップウッド。
日本にはこの1本しか存在しない。
アメリカから持って来た個体。
1983年製。インレイハギの先端
が丸いパンタマシン加工の最初の
作。
クィーンと澄んだ高い抜けるよう
な良音がする。撞いていてと
ても気持ち良い。
ても気持ち良い。
次はこれ。ブラジリアンローズ
ウッドで作った87ヘルムステッ
ターコンバージョンモデル。私
のオリジナルデザイン。
キュィーン、コーンと80年代の
カスタムJOSSと同じ音がする。
マイク・シーゲルやニック・バ
ーナーが使っていたJOSSと同じ
音。
それから絶対に外せないこれ。
1997年製TAD#1500番台。
ズピューンという和音の心地良い
ズピューンという和音の心地良い
清涼音がする。
これは私のオリジナルキュー。
これは私のオリジナルキュー。
クォーンという澄み切った音が
する。時にキン!に近い。
実に良音。自分だけでなく、周囲
の人にもそれは認知できるようで、
快音を指摘する。
そして、これだ。
これはアダムのバラブシュカリイ
シューモデルで、バラブシュカの
遺族から許可を貰って日本のアダ
ムが作ったイメージコピーモデル
で、そのラインモデルG5。
手を加えてある。
エンドキャップを別樹脂に交換。
糸巻きはTAD標準の細めの白緑に。
シャフトは私のオリジナルテーパー
に全体を削り直し。
先角はLBM(リネンベースメラミン)
先角はLBM(リネンベースメラミン)
かつ私が開発した内部構造の物に
交換。
ハギは標準のままで、緑と蜜柑色
ハギは標準のままで、緑と蜜柑色
の湘南電車カラー。
このキュー、これまた頗る良音が
このキュー、これまた頗る良音が
する。
最初ノーマルではキーン!という
人も驚く金属音だったが、改造し
たらクォーンという音に変化した。
ただし、今でも良音。
そして、このキューはプレーキュ
ーとしても能力がとても高い。
褒めてくれよ ブルーアイズ細めて
芝生の下で 眠っていずに
のキュー。
これも良音。すこし曇りあるが、
それでも音は良い。
手放したキューから。
手放したキューから。
リチャード・ブラックのブシュカ。
これはボンボン音だった。良くない。
ポール・モッティのザンボッティ
ポール・モッティのザンボッティ
モデル。
これはそこそこ快音。
クゥーンという音。木琴の低い
キーを叩いたような音。
思うにビリヤードのキューの音質
の違いは、材料の違い、構造の違い
よりも、個体差に負う部分がかなり
を占めると思われる。
それは木材の密度だったり、パーツ
との圧着度合いだったり。
もちろん、銘木は硬木でもあり、
材料状態で叩くとキンキンと音が
する物が多い。
故にトーンウッドと呼ばれている。
しかし、そうした木琴のような音
を発する材料であっても、その木
ごとに個体差があり、また、組み
立てのごく僅かな精密さの違いに
より、澄んだ抜ける高音がするか、
あるいはボンボン音になるかに分
かれてくる。これは経験上間違い
ない。
それと、シャフトがどんなシャフト
であるかも大きく音質に影響する。
どんなとは種類ではなく、その木
ごとの個体差の事だ。
そして、大抵、ソリッドシャフトの
場合、良音がするシャフトはアタリ
のシャフトである事が多い。
ソリッドシャフトのみを並べて、
空中にぶら下げて爪の背で軽く
弾くように叩いてみるといい。
全て音階と音質が異なるから。
この時、高い音がする個体は木の
目が密であり、バットと組んだら
良音を発するケースが多い。
そして、これは年輪の密度は関係
ない。個体差は年輪の密度、製材
された時点の木の生育年数とは
関係がない。別な要素に拠る。
キューの良音はなぜ存在するか。
その理由は多岐に亘るので説明
しきれないが、一つはっきりし
ているのは、「木の密度の違い」
としか言えない。
あと先角が象牙だったりLBMだ
ったりしたら、音は高くなるが、
音程の高低だけでなく、音質の
透き通るようなタイプがなぜ生
まれるのかという点については、
「良音」は木の密度による、と
まず断言できる。その要素が一番
要因のトップに来る。
ギターと同じで、こればかりは、
実際に撞いてみないと判断でき
ない。