ポケット・ビリヤードの選手で
キュー切れ大魔王はエフレン・
レイエスとコーリー・デュエル
だが、コーリーがエフレンと違う
ところは、平撞きでのキューの
切れ味も頭抜けているが、空中
殺法を使うところだ。
エフレンはほとんどジャンプショ
ットは使わない。
コーリー・デュエルやアール・
ストリックランドは普通のプレー
キューでジャンプさせる。
ただし、エフレンもコーリーも
マッセはよく使うが、ストリック
ランドはマッセはほぼしない。
キュー切れ、ジャンプ、マッセ、
三拍子突き抜けているのは、世界
の中でコーリー・デュエルしか
いない。
ポケットビリヤード選手では
世界一キューさばきの技術が
高い人がコーリーだ。できる人。
達人であり名人であり唯一無二。
ナインボールの試合でソフトブレ
イクを発明し、決まった配置に
させて機械のようにマスワリを
続ける事を歴史上初めてやり
始めたのもコーリーだ。
そのため、ナインボールでは
ルールが大幅に改訂された。
公式試合で彼の技法を封じる
ために。
あまりにもワンサイドゲームに
なってしまうからだ。
例えばコーリーがその狙いブレ
イク&マスワリ作戦を使うと、
USオープンの決勝戦で11-0の
パーフェクトで全米王者が決す
る程のワンサイドゲームの展開
になったりした。
なので、いろいろルールが改変
されるようになった。
とにかく、今でも世界最高の
技術者がコーリー・デュエルだ。
今は俳優のような渋みが出て来た
が、2001年頃は何だかスカラー
シップの真面目で優秀な大学生
といった風貌で、アメリカの
ビリヤード界に新風を巻き起こ
した。それまでは裏世界の裏筋
ギャンブラーのようなタイプが
プレーヤー全員の顔だったからだ。
ジム・レンピなどはギャンブラー
保安官、マイク・シーゲルなど
はサルーンを根城にした専門
ギャンブラーのガンマン、スト
リックランドは乱暴者のカウボ
ーイといった風貌だった。
そこに1950年代真面目君のよう
な髪型と風貌のコーリーが登場
した。
あれはかなりの新風だった。
典型的な、それでいて古典的かつ
伝統的なアメリカやイギリスの
優良優等生の大学生のような
感じだったのだ。
ただし、撞く玉は、ぶっとびの
世界一の技術だった。
渋いぜ、コーリー。
この2001年USオープンでコーリー
が見せたジャンプ・ドローでの
ポジショニングの技は、いかに
コーリーが手玉のコントロール
が曲業師のように卓越したもので
あるかを物語る。
JUMP DRAW