![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/79/fa8696d26e30b8582942288f0d930b6a.jpg?1692618832)
ネット上の評では、作品の中で
渋谷ハチ公前に蝟集したような
連中がクソだと罵りと罵倒の連
鎖を広げている映画。
それはそれら大衆が「絵空事」
として観ているからだ。
この作品はダメ作品なのではな
い。「未完成」なのだ。
表現上のプロットの未達成さを
いくら詰ってもせんなきことだ。
この作品で描かれたテーマは、
戦争を知る者とテロリストにし
か解り得ない。
ただ、そうした描き方にしてし
まっては映画としては成立しな
いのだ。アジテーショナルな意
味においても。
奇しくも作品でも描かれた、生
半可な、戦争を知らない人間た
ちによって作られた中途半端な
「反戦」意識が如実に現れてい
るのは、最大の皮肉といえよう。
だが、この作品で描かれたテロ
リスト行動はアリだ。そういう
ものだ。
それは戦争を知る者だけが知って
いる。
しかし、オープニング直後に連続
爆破犯人がすぐに判ってしまう
作り込みは、何とも稚拙に過ぎる。
そうした薄っぺら感で充満してい
る作品としてしまったのは、それ
は製作者の技量でしかない。
ただ、繰り返すが、この作品は
「未完成」なのである。
女が若い時の訓練の際の爆弾
解体の際の刃物使いの手際で、
観ていて「あー!それはダメ」
というものがあった。
ある技法のセオリーを使わず
に爆弾処理をしていたからだ。
ある意味、妙なところでリアル。
まだ食べられない青リンゴの
ような映画作品だ。