ケン坊のこんな感じ。
キーボーディスト、川村ケンのブログです。




仕事の合間に、ちょっと散歩がてら外に出て「草花ブログの元」等を撮影しておりました。新緑の季節ですからね、同じ路地でも、ちょっと見ない間にニョキニョキと色々なものが生えてたりして、結構面白いものですよ

「何さ、あんた花の写真撮ってんの?」

ふいに、道行くおばあさんに声をかけられました。「えぇ、まぁ。キレイですよねー。」と答えると、

「あら、ならさ、ちょうど私の家の垣根にさ、薔薇がキレイに咲いたところだからさ、時間あるなら見に来てみたらいいわよ、ここからだとちょっと歩くけど、外からでも良く見えるから。」

と言って、お宅の場所を説明してくれました。なるほど。たぶん、歩いて15分くらいの場所のはず。

「じゃあ、あとで見に伺わせていただきます。」とお礼を言うと、「はいよ。」と、おばあさんは颯爽とスーパーカブでブブーッと走り去ってゆきました。

せっかくなので本当に行ってみることに。・・・途中、寄り道したりしながら、なんだかんだと30分以上歩いて、最後にふぅふぅ言いながら長い長い坂を上りきりますと、おばあさんが言っていた通り、見事な真っ赤な薔薇が、角のお家の垣根にびっしりと花を付けておりました。「おおー、ここだ。ほんとだ、キレー。」早速カメラのスイッチを入れて、何枚かパシャパシャと撮っておりました。いい香りもしてました。あのおばあさん、きっと丹精込めて世話してたんでしょうね。それがこうして綺麗に咲いたら、そりゃ嬉しいですよねー。教えてくれて、ありがとうでした

ふとファインダーの奥に、小学校1~2年生位と思しき、小さな女の子が見えました。

女の子を見たとたん、僕の心の中では、「垣根の垣根の曲がり角ー」という歌が流れ出しまして。おぅい、そりゃ冬の歌だろー、しかもサザンカだろーという声もおありでしょうが(笑)、とにかくその女の子にも、薄っすらと写真に写り込んでもらったらどうかなぁ、遠目でボカした感じで・・・、とパシャ、パシャ。

2枚ほどシャッターを切ったところで、女の子がだいぶ近づいて来ましたので、僕はカメラから顔を上げて道を空け、「こんにちわ。」と女の子に声をかけました。

女の子は、僕の顔をじっと見ています。でも、挨拶は返してくれません。なのでもう一度、「こんにちはー。」と声をかけましたが、彼女は、無言でした。変わらず僕の顔から目を離すことはなく、僕の目の前を通り抜けようとします。

通りの反対側にまで道を空けた僕と彼女の距離は3メートルほどはありました。しかしね、僕の前を通り過ぎるときの彼女の様子が、もう、ただ事ではなかったんです。

あのですね、こう言ったら伝わるでしょうか。まるで、大きな声で吠える嫌いな犬の居る家の前を通る時みたいにですね、「ソーッと、気付かれないように、抜き足差し足」って感じで、ゆ~っくりとスローモーションで通り過ぎようとするんですよ。横目で僕を見たまま(笑)。

えー、何もしないさー。突然大声だしたりもしないしー。安心して普通にお通りよー

・・・あ、でもなぁ、とここで思いました。うん、僕があの角度でカメラ向けてると、彼女からしたら、薔薇ではなく、

「知らない人(ないし・・・オジサン?(涙))が、道端で、私の写真を撮っている!」

という風に見えたかも知れないですよね。普通に、平日の午後ですしね(笑)。まぁ、これは小さな子供には、・・・確かにちょっと怖いかもですね

なので、「ここは変に挨拶を返したりしないほうがいい」、という彼女の判断は、きっと「見ず知らずの人とむやみに話をしてはいけませんよ」という、親御さんや学校の先生の言いつけを守ったものではないのか、と思えまして(特徴も憶えておくのよ、と言われているので、ジーッと僕の顔を見てたとも(笑)。)後はそのまま黙って見守ることに。バイバイ、モデルになってくれてありがとね

そして、いよいよ女の子が僕の目の前を通り過ぎるその瞬間!僕の目は、彼女の小さな右手に釘付けになりました。

その可愛らしい手にしっか、と握られていた、紐の付いた黄色い物体。

あぁ、そ、それは。あのテレビで見たことのある・・・、

防犯ベル!じゃないですかーっ

おわー・・・、そこまで疑われていたとは。えぇ、この時の僕は完全に「不審な人物、怪しい人」。そう、見かけたら110番、のカテゴリーの人ですよ(笑)。実際、あれで彼女がベルを鳴らしてね、本当におまわりさんが来てですね、パトカーの後部座席の真ん中に座らされて事情聴取なんてされてたら・・・。まぁ、ブログのネタにはなりましたけどね(笑)。

いやー、さすがに防犯ベルまで持たれていたとはビックリしましたが(僕の前を通り過ぎたあとは、もう、ポケットにしまっていましたよ(笑))、今は、時代が時代ですからねー、仕方ないですよね。実際、大人を信じたが故に、結果として恐ろしい目に遭ってしまった可愛そうな子供が後を絶ちませんしね。過剰なくらい注意したり警戒したりしたとしても、それはむしろ褒められこそすれ、責められるべきことではないのでしょう。まぁ、疑われた側の僕としましては、ちょっと悲し・・・いや、ここはやっぱり仕方なし、ですね。

まぁ、自分じゃ恐ろしい犯罪を犯すような大それた人間だとは思ってないですけど、「李下に冠を正さず」、とも言いますからね、むやみに「不審者」と思われないように、少しは気をつけることにします。ストップ、後部座席の真ん中(笑)。

はい、今日は「防犯ベル」と「薔薇」で、「ベルばら」、のお話でしたー

・・・(笑)。

ではー。



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