まぁ、つけめんでも食べながら、聞いてください。
「チベット問題」が今、ニュースなどで取り上げられていますが、チベット問題って、意外とどういうことなのか、知られていないのではないでしょうか?いかがでしょう。
なので、ちょっと今日は久しぶりに、一緒にお勉強ー。
チベットいう国は、現在はと「チベット自治区」と呼ばれ、中国の一部、とされています。日本と同じように2000年もの長い歴史を持つ独立国だったんですが、中国に侵略されてしまったんです。第二次大戦が終わったすぐあとの1949年(昭和24年)の出来事です。
中国は、チベット人に対して、数々の弾圧、虐殺、圧迫を加えました。チベット仏教の寺院を破壊し、職を奪い、言葉を奪いました。現在では、中国語しか話せないチベット人が沢山いるそうです。
中国がチベットに攻め入ってから現在までに、600万人しかいなかったチベット人のうち、これまでに120万人が亡くなったといわれています。理由は、中国軍による虐殺、または闘争の結果(仏教国家ですから軍力は極めて弱い)、または入ってきた中国人に食料資源を奪われたための餓死、などとされています。ヒロシマ、長崎の原爆で亡くなった方々が合わせて30万人ですから、その人数の多さがお分かりになるかと思います。
1959年には、ダライ・ラマ14世という、国の最高指導者が国を脱出(亡命)することになりました。これは、ある時、中国に「わが国に劇を観に来ないか」と誘われたんですが、当時、こうして誘われるまま観劇に行って、そのまま行方不明になって帰国しない要人が多かったそうで(つまり・・・わかりますよね。恐ろしい)、支持者がダライ・ラマの居る宮殿を取り囲んでそれを阻止、中国軍と衝突したのをきっかけに、インドに亡命することになったんです。我が身の危険も十分感じたでしょうし、自国民が自分の為に、と次々に命を落とすのは忍びなかったのではないでしょうか。
ダライ・ラマ14世は、インドに「亡命政府」を置いて以来、既に約50年間、自国の土を踏んでいません。自国の指導者が、自国に帰れず、外国に居て、政府も外国にあるわけです。我々の感覚からしたら、不思議ですね。しかし、そこまで追い込んだのは・・・。彼は、1989年に、非武力による抵抗や、平和運動の功績で、ノーベル平和賞を受賞しています。しかし中国はこれを完全に無視、関連書籍のチベットへの持込も禁止しています。
ちなみに、ダライ・ラマというのは名前ではなく、ダライ=大海、ラマ=教師・指導者、という意味の、チベットの最高指導者を表す呼称です。現在のダライ・ラマは14世ですので、次はダライ・ラマ15世になる、といった具合です。ちなみに、彼の子供、とかではなくて、僧たちの予言によって決められます。このダライ・ラマの指名制度、実に神秘的で面白いので、ご興味のある方は調べてみてくださいね。
さて、ではそもそも、なんでこんなことになっているのでしょう。勿論、こういう国際問題を一言で言い表すのは難しいです。ただ、そもそも何で中国はチベットを欲しがったのでしょう。
一説には、核の燃料になる物質が、チベット高原に沢山眠っているからだと言われています。そして、中国は、現在、チベット自治区で核実験を行い、核廃棄物、産業廃棄物の捨て場所にしているそうです。もし本当に、その為だけだったとしたら・・・。やり切れませんね。
以降、現在まで何度も反乱、騒乱は起こっています、チベット人側からしたら、自分たちの国を返して欲しいわけですから、当たり前といえば、当たり前でしょう。今回の事件も、当然、その流れを汲むものです。中国側のチベット自治区の管理、運営体制も、相当劣悪なようですから、不満が爆発したわけです。
前にもルワンダの部族対立や、ケニアでの話でも取り上げましたが、これは(ここまでの圧政は)「民族浄化」的発想なんだと思います。民族浄化とは、つまり一つの民族を、この世から一人残らず抹殺してしまおう、とする動きです。過去、こうしていなくなってしまった民族が沢山います。現在でも、危機に瀕している民族が実際に、沢山あります。実際、このままではチベット人の将来も・・・と危惧せざるおえません。
中国とチベット亡命政府の対立は続いています。そして、暴動による死者数などの発表も、中国側とチベット側で大きな隔たりがあります。言い分も、まるで逆だったりしています。現在、。チベット自治区は中国当局にとって封鎖されていて、実際の現地の状況がなかなか掴めないんですね(こちら)。
ダライ・ラマ14世は「独立は求めていない。ただ、在るべき自治権の確立を。」と言い、中国側は「いや、彼らは、そう見せかけておいて、実は独立しようとしている。」と、これを信用していません。
世界各国にいるチベット人も、抗議運動などをしています(こちら)。中国国内でのデモでは19人が射殺されたとの発表もあります(こちら)。チベット支援団体や、通信社などへの嫌がらせもあるようです(こちら)。
はっきり言いますが、めちゃめちゃです。
2006年には、中国軍が、ヒマラヤを超えてダライ・ラマに巡礼しようとするチベット人の巡礼者に対して、何の警告もなく発砲。二人が殺されました(一人は15歳の少年でした)。これは、YouTubeで他の一般登山者のよって撮られた映像が公開されて、問題になりました(映像はこちら)。酷い話です。
チベット自治区では、例えば、「ダライ・ラマ万歳」などと言うと、捕まり、拷問され、裁判も無く死刑になったりもするそうです。良くて、強制労働所行きだとか。この時代に。
スピルバーグは中国政府のスーダンのダルフール紛争への対応を非難して、北京オリンピックの芸術顧問を辞退しました(こちら)し、国連親善大使である俳優のジョージ・クルーニーも、やはりこのダルフール紛争の件で、自らがイメージ・キャラクターを務める時計メーカーのオメガに対して、北京五輪のスポンサーを降りるよう、勧告しているそうです。ダルフール紛争はやはり民族浄化と言われています。詳しくはまた改めますが、中国はスーダン政府から原油を買い、代わりに武器を売っているんです。スピルバーグやジョージ・クルーニー氏等は、これに抗議の声を上げた、というわけです。
そして、これから、このチベット問題に関しても、抗議の声が上がってくることでしょう。ってか、上げないとまずいです。黙っていることは・・・黙認、にすら繋がるのですから。日本政府やマスコミは、様子を見てるのか、いや、やっぱり中国が怖いのか、・・・おとなしいですよね。いつか、これが日本の姿になるかも・・・とは、少々突飛な意見に思われるかもしれませんが、・・・つい先日、中国軍部の高官が、アメリカ軍部高官との会談で、「太平洋を真ん中で二つに割って、我々と米国で、それぞれ統治、管理しようじゃないか」と持ちかけたそうですよ。
乱暴なことを言いますよね。・・・半分って。
日本が、どっちに入っているかは、簡単におわかりになりますよね。ってか、冗談じゃないですよね。我々は、我々でちゃんとやりますからー、出来ますからー。
さて、北京五輪は果たして、ちゃんと行われるのでしょうか。行われても危惧材料は沢山、行われなくても、これまた問題なんですが。
とにかく、チベット問題の早期解決を望みます。これ以上、犠牲者が増えませんように・・・。はやく在るべき国に、居るべき国民が居て、生活を営み、経済活動に勤しみ、文化を育む、という国家としての「普通の状態」に戻れますように。
冷凍ギョーザ問題みたいにね、のらりくらりされていたんでは、きっと、また犠牲者が。
今日はまた少し難しいお話になりましたが、なんとなくチベット問題の片鱗くらいは見えたでしょうか(だといいんですが・・・説明が断片的になっちゃったかなー、と少し反省)。とにかく、ひとまず、お疲れ様でした。
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さて、また明日から、広島、山口と飛んできます!ガッチリやってきますよ。
追記も、やっと全部追いつきましたー。
ではー。