一昨日、ノルウェーの首都オスロで、クラスター爆弾禁止条約の署名式が行われました(こちら)。
100ヵ国以上の国の代表が署名しました。日本も、しました。
クラスター爆弾ってどんなものだか、ご存知でしょうか。
航空機で上空から大きな親爆弾を投下します。これを空中で爆発させますと、中に入っているボール大の数百(例えば300個とか)の子爆弾を広範囲にばらまくのです。
子爆弾はバラバラと地上に落下し、地面に到達した時点でまた爆発し、その中の数百(例えば600個)の金属片があたり一面に、猛烈な速度で炸裂するのです。人間の柔らかい身体なぞ、まとも食らえば千切れ千切れになってしまいます。正面で炸裂すれば、一瞬で千切れた身体があたりの木や建物に張り付いてしまう、例え金属片一つが当たっただけでも、手足など簡単にもぎ飛ばされてしまうという、非常に残酷な爆弾なのです(残酷でない爆弾など無いのですが、それにしても)。
そして、爆発しなかった子爆弾は不発弾として「地雷」の役目を果たし、数十年に渡って、被害をもたらします。
畑仕事で、クワを振りおろした瞬間、何十年も不発だった子爆弾を直撃してしまい、両足を失った人。息子たちと一緒に収穫に行った農家の方は、両手と片目を失った人(こちら)。
アメリカはベトナム戦争時に2億6000万発のクラスター爆弾を投下したといいます。そして、そのうち30%(およそ7800万発)が不発弾となって、人口670万人のラオスだけで、今も毎日一人をこの爆弾で殺しているというのです。
そもそも、戦時下においてでも、98%は、民間人が犠牲になったといわれているクラスター爆弾(本来の攻撃目標であった軍人の犠牲者は全体の2%、ということです)。
一昨日の会議には、この条約に反対する、アメリカ、中国、ロシアは、署名どころか、参加すらしていません。そして、これらの国こそが、クラスター爆弾の主な産出国です。爆弾を作り、世界中に売ってお金を儲けているいる国、と言いかえられます。
軍産複合体。
政治家と、軍部と、軍需産業の癒着、密着。
僕たちの平和は、何に守られているのでしょう。
もしかしたら、こうした誰かの犠牲の上に成り立っている危ういものではないでしょうか。
ロシアはのプーチン氏は、もともとそっち寄りの人ですから、おそらく、そうそう簡単には平和路線には進まないでしょう。中国は・・・なんとも難しいのですが、ただ、今は何が何でも国力増強路線を邁進していることは間違いないのですから、軍需産業からだって、これまた簡単に手を引くなんてことは考え辛いのではないでしょうか。
アメリカは、というか、オバマ氏は、これからどう出るでしょうね。アメリカは、どう変わるのでしょうか。やっと、イラクからも2011年での完全撤退を表明しました(決定ではないけれど。こちら)。イラクの今後も気になりますね。イラク問題は、中東問題の一つのキーです。イランとの関係や、イスラエルーパレスチナ問題とも深くリンクしていると見られていますしね。僕は、オバマ氏には期待しているんですよ。何か、本当に何かを、変えてくれそうな気がします。彼が当選したこと自体、彼の国の歴史からしたら、もの凄いことなのですからね。
日本も大統領制にしてくれないかな・・・。
自分たちのリーダーは、自分たちで直接、選びたくないですか?
クラスター爆弾のばら撒きには反対してくれたけど、税金の二兆円はばら撒きそうですが、大丈夫なんだろか・・・僕たちの国は。
ではー。