ケン坊のこんな感じ。
キーボーディスト、川村ケンのブログです。




どうもどうも。あ、キーボードが打てるー。まだ生きてるー。生きてて良かった(笑)。

昨日は、キセキを体験し、ついでに臨死体験も体験しました(笑)。いや、まぁそのくらい、校正紙とにらめっこをしていたわけですが、何度か気が遠のいたのは本当です。座っていなかったら、”きをつけ”をしたまま、パッタリ倒れていたでしょう。ずっと、右手に持った赤ペンが、なんだか3メートルくらい先にあるように見えてましたから(笑)。

 

書きたいことが沢山ありすぎて、でも、なんだかウマく、・・・ウマ、くう(笑←面白いか?)、・・・まとまりません。

あまりにも凄かった。それはこの最後の作業の大変さもさることながら、あのキセキが。本当にいつかお話したいのですが、ちょっと、ありえないことだったと思います。神が、メガミが、次々に僕の目の前にあわられてくれたのですよ。

僕は、今回のキセキを、一生忘れませんよ。

そして昨日、「・・・皆さんも、一緒にキセキを起こしてくれたんです」と書きましたね。あのね、これ、本当なんです。冗談でも、お世辞でも、ないんです。皆さんがご自分ではそんなこと思っていなくても、本当なんです。最後の校正を一緒にしてくれていたKちゃんとも、ちょっと手を休めた時に「あのさ、これってさ、僕のブログを読んでくれてる人たちのおかげってこと、あるよね」「うん、絶対、あると思う」って。いいんですよ、「?」でも(笑)。でもとにかくね、本当に、ありがとうございました

 

実は第二回目の校正、昨日のお昼の締め切りに、間に合わなかったんです。

本来、”校正”というのは文字の間違えの直しとか、「これはどうしても、まずい」という表現だけを修正、とか、きっとそういうものですよね。

今回ね、実はここへきて僕、・・・もう一冊書いたんじゃなかくらい、赤入れをしました。まあ、これは言いすぎにしても、少なくとも、一回目の校正よりも、さらに真っ赤っかにしたように思います。

で、会議室をお借りして、編集ちームと同時進行で残りの作業を進めることに。一枚、書けたら(←だから、校正で書くなっての(笑))、編集さんに「よし、出来たよ!」って渡して。

そして、挙句の果てに、青くなって僕の仕事をしている担当のTくんのところへ行って、「あのー、ちょっとパソコン貸して下さい」って言って、昨日の夜、改めて一項目、最初から書き直しましたからね。まとめたんじゃなくて、最初から、全然、話も内容も変えて(笑)。

びっくりですよね。すいませーん

 

担当編集Tくんが、「これ、食べてください」ってコーヒーとお菓子もってきてくれましたよ。それにしても、消しゴム、丸くなりましたなぁ(笑)。

今回用意した赤と青のボールペンは、普通の消しゴムで消せるのです。字が汚い上に、おっちょこの僕には、便利でしたねー。大体、一度じゃ他の人は読めなかったりしますからね。何度も書くには、これでないと。でも、そのうち、紙の方が削れて薄くなっちゃってね、危うく破れそうになちゃったりもして困りましたよ(笑)。

 

そしてどうにかがんばったんですけど、結局、会議室での作業もリミットに。会社が入っているビル自体が閉まってしまうので、ファミレスに場所を移しました。コーヒーでお腹をガボガボにしながら、終わらないかと思った最後の校正を、それでもやるしかない最後の校正を、延々としていたわけです。そして、ようやく出来上がったものを担当Tくんの自宅のポストまで入れに行って、やっとのことで、昨夜、というか今朝方の「ふぅわぁーい」だったのです。

 

そして今日、この作業で僕の入れたまっ赤っかの原稿をを、担当Tくんと、昨日「わかりました。では、納得いくまで書いて下さい。こちらも、一句一文字、川村さんが書いたものをそのまま反映させるように、今から全て修正に入りますから。がんばりましょう」と、その場にいた誰もが耳を疑った、キセキの一言を放ってくださった、編集長のKさんと三人で、最後のチェックをしました。

 

しかしあのKさんの一言、本当に誰もが、「え!まさか!」、の一言でした。だって、それは・・・。それをしたら・・・。でも、僕の望みだけをとってみたら、いよいよ100%、叶ったのです。

長い長い、道のりでした。勿論、ほんとうに沢山の方の手助けで、ここまで来ました。それでも、最終的に書くのは、僕一人の作業。正直、どうしようもなく孤独で、辛くて、泣きそうだった日もありました。そして、現実問題、という壁や、色々な紆余曲折もありました。

でも、最後の最後に、締め切りの鐘が鳴ったと同時に、

 

女神が、微笑んだのです。

 

「わかりました。川村さん。やりましょう。」

 

って言って。

 

そして、その一言に繋がったのは、僕に、今度のことに関わってくれた、全ての人の思いの強さだったのだと、僕は絶対に信じています。あまり絶対という言葉は使わないのですが、今度ばかりは。そして、それを汲んでくださった、Kさん。彼女の横にすわって困った顔をしていた担当のTくんでしらも、きっと1%も予想していなかった一言だったと思います。だって、僕ですらも、望んではいたけれど、まさかでしたもの。

 

その決断は、大変なことです。

 

発売予定日まで、もう一ヶ月を余裕で切っていますから。そして、関係する工場やそれに関係する全ての方々の予定というもののあったはずです。出版するにあたっては、公的な届け出もしてあるわけですし。

Tくんも、昨年の段階から「何がなんでも、発売日だけは守ります。それが僕の一番重要な仕事なんです」と言っていました。それは、プロの編集者にとっての重要な矜持なのだと思います。

それが、まさかの、発売日延期、となりました。皆さん、ごめんなさい。あと一週間だけ、余計に待ってください。

僕の本は、2月25日に、出ます。

発売日延期。僕はその事実を、今日知りました。きっと、色々と調整してくれた中で、「しかたない」と、最後の手段をとってくださったのです。

ですから、あの「では、納得いくまで、やりましょう」の一言は、本当に重たい言葉だったとだと思います。それを笑顔で言ってくださったKさんの心中には、どれだけの重圧があったことでしょうか。

で、もしもそう言ってくださったのに、僕が「できませんでした」なんてことになったら。アイデア、出なくてーとか、眠くなって、寝ちゃったんです、すいません・・・とか。そんな可能性だって、無いわけではありませんものね。

Kさんとは、昨日のお昼に、初めてお会いしたのです。そして、実は最初は「もう時間がないのです。無理なのです。出版社としては、発売日は守らなければならいのです。わかっていただけますね」と、仰っていたのに。

勿論、僕は、首をタテには振れませんでした。そして、30分ほど「・・・どうにか」と、お話をさせていただいて、・・・そしていよいよ、女神は微笑んだのでした。「川村さんの仰るようにいたしましょう」と。もうほんとね、「何が何でも、明日の朝までには全部やりますから!もっといいものに、しますから。」ってね、聞こえはいいですが、言ってみれば初対面の、何の保障もない、無理なお願いした僕のことを、信じてくれたのです。

 

そして、会議室に篭って再編をしながら、僕は校正を手伝ってくれたKちゃんに

「ねぇ、なんでKさんは、許可してくれたんだろう」

と訊きました。「だってこれって、ちょっとありえないよね、僕は嬉しいけれど」って。

そしたら、「そうだね。凄かったね。でも私は・・・あのKさんは、本当にプロなんだって思ったよ。公平な人だなって、思った。ここまで直した校正紙、凄い勢いで読んでたよね。きっと『あ、これはよくなってる、この方がいい』思ってくれたんじゃない?」って。

「え?あんなパッパッて見ただけで、わかるものなの?」

「うん、わかる人は、わかると思う」

 

そして、もう一点、これは・・・。僕の想像です。

 

 

その前に、ちょっと時間軸を前後します。わかりづらくてすみません。頭、整理できてないなー(笑)。

 

で、今日の夕方からの校正チェック。編集長Kさん、担当Tくん、そして僕で、デザイナーさんに渡す前の最後のチェック。もうここでは、内容に関してではなく、文字のこととか、言葉のつづり方とか、そういうのを、1ページずつ、確認していくのです。

僕が徹夜で真っ赤にして渡した校正紙を、・・・この二人は正確に、全て読んでくれていました。

当たり前なのかもしれませんが、それにしても、そこらじゅう線で引っ張ってあちこち文字が飛ぶ、とっても読みづらい校正紙。ましてや、僕は素人ですから、ルールも何もしらないわけで、それを読む人は、本当に大変なんだと思うのです。「です」と左に書いてあって、「が」が塗りつぶされて、「から」という文字に線でひっぱられて右側に飛んで、とかそんな感じですよ。普通なら2センチの移動で済む目線を、30センチも上下左右に移動しながら読まなければならないのです。しかも、アミダくじみたいに、赤線は入り組んでいるのです。

じゃ、確認させていただきますね」と、僕にどんどん質問するのです。

 

「え・・・全部読んだんですか?」

「ええ」

「あれから?」

「はい、もちろん」

質問の内容を聞けば、それはわかります。「○○ページの、この”づ”は、”ず”ですね」とか、「○○○ページ3行目、ここで”ひときわ”がありますが、その少しあとにも”ひときわ”が出てきますから、何か他の表現にしたほうがいいですね」とかね。

 

端っこ書いた、僕の落書きまで、読んでくれててね。”この焼き鳥、なるほどですよねぇ”とか、”これ、すっごい笑いましたよ”とか(笑)。

いや、ほんと、プロです

 

そして、「では、以上です」としめられた会議の最後に「あ・・・川村さん。本、今回の校正で、確実にグレードアップしましたね。お疲れ様でした。」と言って下さいました。

 

そして、僕が用語の表記などの確認用に持ち歩いていた「音楽用語辞典」を見て、「あ、それ、古い版ですよね。後で、最新版を差し上げますよ」と言ってくださったのです。こちらの出版社からでているもので、僕のは1996年度版だったのです。

 

それから小一時間ほど、担当くんと最後の確認をして(実はここでもまた一文、考えて書き足しました(笑))、いよいよ失礼しようとすると、Kさんは、「あ、川村さん、これ、先ほど言っていたものです。どうぞ。」と、封筒に入った一冊の本を渡してくださいました。

 

うれしー。こういう辞典は、ちゃんとしたものが一冊あると、本当に便利です。勉強にもなりますよ。

 

そして、表紙をめくりますと(←あ、今、ひょうしって打ったら、拍子、って変換されたんでちょっとドキっとしました(笑)。・・・もう終わったんだよ(笑))、

 

そこには、編集長Kさんからのメッセージが、書き添えられていました。

 

・・・うぅ、嬉しいですなぁ

 

あ、ブーちゃんシールは、僕が貼りました。だって、なんか恥ずかしいじゃないですか、こういうの。生々しくて(笑)。

ちなみに、このシールは、本の中で使う写真の為に買ったものです。・・・って書くと、ますます「何の本だよ!」、って思われますよね(笑)。

 

で、お気づきでしょうか。

 

「キセキ」って、言葉。カタカナで、わざわざ強調されて書かれた、文字。

 

そう、Kさんは、僕のブログを見てくださっていたのです。

つまりね、ということはですよ、きっと、皆さんのコメントにだって目を通されていたのでは、と思うのです(このスケジュールの中でも、あれだけ、神業のように速く文字が読める人ですし)。

 

・・・でね、思ったのです

 

なんで、Kさんは、「わかりました。では、川村さんの納得のいくまでやりましょう」って言ってくれたのか。そのもう一つの理由は、

 

皆さんのコメントを読まれたからだったのでは、と。

 

これは、僕の想像です。でも・・・あるんじゃないかな、って。

 

結局、キセキの「やりましょう」の一言、その理由は、訊いていません。

 

でも、”全ては繋がっている”、と僕は思います。

 

(あ、お名前を含め、このページをここに掲載させていただくことに関しては、先ほど確認は取りましたよ。)



さあて、今日は、もう何もしないぞ。お肉買ってきたから、ワイン飲みながら焼いて食べるぞー(笑)。

 

終わったのだー。

 

・・・でも、金曜日の朝から、もう一度、確認作業をするのですよ。一文字づつね(笑)。本を作るって、凄く大変なことなのですね

 

でも、あと一ヶ月後には、もう出てますからねー。

「思いどおりに作曲ができる本 ~Q & A方式で音楽制作の実践テクニックをピンポイント解説!~」

という名前の、別名”キセキの本”、が(笑)。


お楽しみにー

 

ではー。



コメント ( 17 ) | Trackback ( 0 )