香港からの留学生のKくん。
今年に入ってからのレッスンで、
「この先、どうするの?」
「できるナラ、日本に残りたいデスガ・・・」
などとお話はしていたのですが、
この春、無事に日本の音楽系の専門学校を卒業し、
やはり、6月にビザが切れるので、とにかく一度、香港に帰ることになったのです。
今週は、
「できるだけ、日本にいるうち、勉強したいカラ」と、
連日のように、レッスンを予約してくれているのです。
今日も、レッスン前にお話しをしていると、
「日本の風景、大好きネ。本当にキレイネ。」
「たとえば、どんなところが?」
「駅から、ここに来る、途中。自転車に乗ってる高校生がいるネ。今日、天気いいネ。制服で、こう、さーっと、走るネ。」
「ああ、たしかに。」
「・・・キレイネー。本当に、キレイ。」
「それは、その子がキレイな子だったとか?」
「そうじゃないネ(笑)。その光景が、キレイ。香港帰ったら、もう見れない。サビしいー」
どうやら香港では、制服を着た学生が自転車で学校に通学するということ自体が、ありえ無いのだそうです。
「みんな、バスか、地下鉄。制服で自転車に乗ること、香港でいたら、ヘンなこと。『えー、あの人、なに?』なります」
なのだそうです。
「あ、でも、中国は?みんな自転車乗ってるんじゃない?」
「アー、チガウ!。中国のはチガウ。実際、見た事あるけど、あれはチガウヨ(笑)!」
これは、全力で否定するKくん(笑)。
「キレイ、感じないネ。日本のは、ほんっと、キレイ!」
面白いなあ、と思いました。
Kくんは、日本で、高校生が自転車に乗って自分の横を走り抜けるたびに、
「ああ、日本は、本当にイイな。キレイな光景ダ」
と思うのだそうです。
なんか、嬉しいですよね。
でも、同時に、僕たちにとっては、あまりにも当たり前の光景で、気にも留めないくらいに普通に思っていることが、
ほんの数時間いった国では、全然普通じゃないなんだな、見ることができないことなんだな、と思うと、不思議です。
そして、
「今、日本のどこいっても『これが最後、最後』って思って見てるネ」
と言っていました。
最後。
二度とないこと。
最後、だと思うから。
・・・だからこそ、より一層、感じる、美しさ。
こういうことって、きっと、あるのだろうと思います。
一日、一日を、もっともっと、大切にしないとな、と思いました。
そして、
「これ、ケンさんにプレゼントね。あの味、なると思う」
と、また、香港のお醤油をくれました(前にももらったのです)。
「これかけると、香港の味になるカラ」
と。二本も。
ありがとうー。
レッスン後、帰りしたくをしているKくんに、
「最近、何食べてるの?やっぱり、大好きな中華?」
「いや、中華は、香港帰ったら毎日食べるから。今は食べないデス」
「じゃあ、やっぱり、日本のものかな?」
「・・・マックね。あぁー、マック最高。」
春風の中、さっそう自転車で通り過ぎる高校生を美しい、と思いながら、
「マック最高!」
うむ。これぞ、現代人(笑)。
ってか、マックって、すんごいですねえ。
ではー。