メンバー紹介のコーナーで与えられた、4小節のフリーソロ・パート。
サポートミュージシャンにとって、見せ場です。
待ってました、とテクニックを見せるのが王道。
または、笑いを取りにいくのも、これまた「ハズし」の面白さ。
あの4小節まるまるを、
スネアドラムだけで、16分音符だけで、タカタカタカタカ・・・と。
流れるようなクレッシェンドとデクレッシェンド、滑らかな音の強弱だけで、
見事に埋めつくした、あのスネアの美しい波。
モニターを通して、聴いているこちらの身体が、フワリと浮くような気持ち良さでした。
日々のトレーニングに裏打ちされた完璧に磨き上げらテクニックの高さ。
簡単そうで、誰でもやりそうで、誰もやらない、誰にもできることではない、ということを、とっさにやる、できるという、あのアイデアと、ユーモアと、ある種の攻めの心。
あの、ビロードのようなスネア・ソロを聴かされた時には、
「この人は、・・・タダものではない」
と、恐ろしいくらいに、思いました。
上手な人は、スネア一発(叩くだけ)で、上手とわかる、
というのはこれまでも実感がありましたが、
スネアだけのドラムソロというのも初めてでしたし、
本当のプロならば、それだけで、完璧に人を惹きつける事ができる、ということを教えてもらいました。
3月30日、ドラマーの宮田繁男さんが、お亡くなりになりました(ニュース記事)。
まだまだ、55歳とのこと。
あまりにも早いお別れでした。
2009年のKin〇iKidsさんのkinki youツアーでご一緒させて頂きましたが、
大きなドームを含む三十数本のツアーで、あの、天才的なドラムに、何度も何度も、音を乗せさせて頂けたことは、生涯忘れることはありません。
素晴らしいドラムを、どうもありがとうございました。心から感謝いたします。
ツアー中、僕が撮った宮田さんの写真を、宮田さんは、当時のブログのプロフィール写真に使って下さっておられました。
「いい写真だよ、ありがとう。ちゃんと、Photo by Ken Kawamuraって入れたからね。」
と言ってくれて。
それと、広島の打ち上げの時に、
「ケンちゃん、お酒のあとはウコンだよ。秋ウコンを飲むといいよ。僕は、ウコンを飲んでから、一度も二日酔いをしたことが無いよ」
と、ウイスキーのロックをグビリ、とやって笑ってくれた姿が忘れられません。
家に帰って、早速秋ウコンのタブレットを買いまして、以来、もう4年間ほどになりますが、毎日、欠かさずに飲んでます。
どうか、安らかにお眠り下さい。そして、あちらでも、最高のドラムを叩いて下さいね。
もしかして、空を見上げていたら、時々、あの極上のスネアが、聴こえてくるかもしれませんね。
では。