喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

三崎高校の公営塾の始まり

2022-02-03 | 教育

 母校、愛媛県立三崎高等学校が分校化の危機。

何とかならないか。手探り状態。

そんな中、三崎高校の先生方を中心に、多くの方々の力により様々なことが行われていった。

 

 今、三崎高校の入学生は50人を超え、V字復活。

まるでドラマのよう。

 その始まりの1つ。三崎公営塾のニュース。

 

https://www.facebook.com/login/?next=https%3A%2F%2Fwww.facebook.com%2Fosamu.asano.3%2Fposts%2F1835638379841587

 


感謝いっぱいの誕生日

2022-01-19 | 感動

1月19日(水)。

54回目の誕生日。

 

いつものように母家の両親にお礼を伝える。

そして仏壇のご先祖様にも。

 

わが家では、妻が手料理をふるまってくれ、息子と3人でいただいた。

何気ない、でも、いつもとはちょっと違った一日。

 

SNSでも多くの方からお祝いメッセージをいただいた。

感謝がわき起こる誕生日。


結婚記念日に送られたメッセージ

2021-12-23 | 感動

 師走、さらに年末ということでバタバタしている。

そんな中、今朝12月23日の5時30分、携帯に1通のメッセージが入った。

大学時代の先輩からの感激のメッセージ。

 

🎉 今日は結婚記念日💏 おめでとうございます 🎁🎂🎉✨😆✨🎊

今日くらいは早めに帰って、奥様孝行 がんばってね👊😆💪   伊原 」

 

 

 伊原さんは、当時から面倒見がよく、誰に対しても明るく接することのできる先輩だった。

あれから33年が過ぎ、こうして今でも。

すばらしい方だ。

少しでも見習い、伊原さんのような生き方がしたい。

人に喜びを届けられるような。

 

 このメッセージのおかげで、落ち着いた、温かい1日になりそうだ。

 

           岬人(はなんちゅう)

 


すてきな人が、すてきなものを作る ~ニノズコンフィチュール~

2021-12-18 | 農業

 今日、ある方の家へお招きされている。

さて、何を手土産に持って行こうかと考えた。

こんなときは、決まってあるものを贈るようにしている。

大切な人への贈り物「ニノズコンフィチュール」。

 

 ちょうど良い大きさの、オレンジ色の手さげ。

ワクワク感が増す色合い。

 

 中には、4つの小瓶に入ったコンフィチュール。

コンフィチュールとは、フランス語でジャムのこと。

旬の果物に他の素材やスパイス、リキュールを加え、味に深みを持たせている。

 

 このコンフィチュールが絶品なのだ!

「ザ・ワールド・オリジナル・マーマレードアワード」という英国で毎年行われる

世界最大のマーマレードイベントにおいて2018年から最高賞等を受賞し続けている。

 中でもダブルゴールド受賞(最高金賞)の「ゆず&生姜」が絶品。

 

 これらを作られている方が、伊方町三机出身の二宮さん姉妹。

様々な経験とふるさと愛に満ちた、とてもすてきなお二人。

 

☆ 4つのこだわり

1 愛媛産の柑橘を中心に使用

   旬の新鮮な柑橘を皮ごと贅沢に使っている。

2 保存料、着色料、添加物不使用

   主に愛媛産の柑橘、愛媛産のレモン、グラニュー糖のみ。

3 すべて手作り

   地元愛媛で、時間をかけて丁寧に作っている。

   愛媛の南予地方の温暖な気候と潮風の中で収穫された柑橘を、

   新鮮なまま火を通し、生の果物にない美味しさを引き出している。

4 特注の銅鍋

   新潟県指定無形文化財鎚器銅器で有名な「玉川堂」に作っていただいた銅鍋。

   発色良く仕上がる。

 

 お二人は、ふるさとを思う「すき」な気持ちに

「て」を加えられ、「すてき」なもの作り、ふるさと創りをされている。

 

 今日のこんな贈り物。

きっと喜んでもらえるだろう。

 

         岬人(はなんちゅう)

 

 


二名津イルミネーション点灯式

2021-12-12 | 地域づくり

 12月11日(土)、恒例の二名津イルミネーション点灯式があった。

増田会長を中心に地域をこよなく愛する人たちによって、毎年開催されている。

喜久家ボランティアのさおりちゃんとあいりちゃんを誘って参加した。

 

 

 入るとすぐの場所で、地域おこし協力隊の伊勢さん夫婦が、豚汁ならぬジビエ(猪)汁をふるまってくれた。

おいしい! さおりちゃんとあいりちゃんは、後でおかわりするするほどだった。

 

 前では、三崎高校吹奏楽部の演奏と有志によるパフォーマンスが会場を沸かせていた。

その後、小学生たちのかわいいダンス。

あまりのかわいさに、サンタクロースがプレゼントを持って登場。

 

 その後、橋田さんによるクリスマスボア争奪クイズ。

全て二名津地域に関するマニアックなしかもためになるクイズ。お年寄りも参加。

 ちなみにクリスマスボアとは、伊勢さん考案の猪の骨付き肉のこと。

これがまた絶品!大好評!

 

 最後は、増田さんの語りとギターの弾き語り。

いつもながら、心に染みわたる。

 

 動かずに立っていたら、寒くなってきた。

焼き芋とコーヒーを注文。

平礒から毎年応援にかけつけている幸徳君と息子武蔵がついでくれた。

地域を担うたのもしい若者だ。

 

 こうして、手作り感満載のイベントは終了した。

 人の手が加わると温かい。

年末年始の寒空、道行く人たちをこのイルミネーションが温かく迎えてくれることだろう。

     

 今年も校舎内を飾ってくれたのは、平礒の広君。

彼のセンスには、脱帽!

 

 今夜、イルミネーションよりも輝いていたのは、このイベントを準備・盛り上げてくれた人たちだった。

佐田岬の小さなまちのきれいな輝き!

 

     岬人(はなんちゅう)

 

 


偏見や差別が吹き飛ぶ!? 世界はつながっている

2021-12-11 | 生き方

 

違いをなかなか認められない。
でもDNAは真実を語る。
偏見や差別意識が吹き飛ぶ!? DNAが教えてくれる真実
 
自分のルーツが世界中に広がっている。
感動で涙が出た。
世界はつながり合っている。
 
世界から平礒へ来てくれる喜久家ボランティアの若者たち。
ここは、まさに違いを豊かさに変える場所。
 
 

TIMELINE - タイムライン - 偏見や差別意識が吹き飛ぶ!? DNAが教えてくれる真実 | Facebook

デンマークの旅行ӱ...

 

 

 


世界農業遺産 高千穂郷・椎葉山地域 ショートドキュメンタリームービー

2021-12-08 | 農業

高千穂郷・椎葉山地域(宮崎県高千穂町、日之影町、五ヶ瀬町、諸塚村、椎葉村)は2015年に世界農業遺産に認定されました。

世代を超えて受け継がれてきた農林業システムと伝統文化、そして、この厳しい中山間地域においてそれらを受け継いできた人と人とのつながりが世界に評価されました。

高千穂郷・椎葉山地域に住む私達にとっては日々の「当たり前」の暮らしが世界に認められています。

しかし、そのような明るいニュースがある一方で、本地域において人口減少や少子高齢化に伴い、農家の後継者や農地の維持管理などが課題となってきているのも現実です。

農業以外の分野でも学校の統廃合や地域コミュニティの維持も大きな課題となってきています。

私たちが住む環境は日々変化しています。

世界農業遺産に認められた資源を未来につなげるためには、農林業や伝統文化も含め、役所、会社、団体、そして人々の暮らしやつながりなど、あらゆるものも変化していかねばなりません。

しかしその資源を受け継いでいくうえでは、絶対に変化してはいけないものもあります。

この動画は、世界農業遺産に認定された高千穂郷・椎葉山地域について、ひとりひとりが今の現状に目を向け、未来について考えるきっかけにしたいという想いで制作しました。

                        制作:総合地球環境学研究所   制作協力:NHKエデュケーショナル

 

阿部健一さんからお勧めされたこの映像。

どこか今までのものとは何かが違う。

地域外へではなく、地域に暮らす人たちへ向けてのメッセージだからだ。

グッときた。

心の奥底に広がっていく感じ。

 

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世界農業遺産 高千穂郷・椎葉山地域 ショートドキュメンタリームービー

高千穂郷・椎葉山地域(宮崎県高千穂町、日之影町、五ヶ瀬町、諸塚村、椎葉村)は2015年に世界農業遺産に認定されました。 世代を超えて受け継...

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いま、ひとりひとりが考えるときです。

変えなければならいものは何か、

そして、変えてはいけないものは何か。

 


「世界に誇る“琵琶湖システム”」~世界農業遺産に!

2021-12-08 | 農業

平成28年から滋賀県が地域の皆さんと一緒に取組を進めてきた「日本農業遺産」に認定され、同時に「世界農業遺産」への申請が決定!   

テレビ滋賀プラスワンでは、世界農業遺産への認定を目指す滋賀県特有の“琵琶湖システム”について紹介。2019年3月30日放送。

 

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テレビ滋賀プラスワン 「世界に誇る“琵琶湖システム”」~世界農業遺産に!(2019年3月30日(土)放送)

平成28年から滋賀県が地域の皆さんと一緒に取組を進めてきた「日本農業遺産」に認定され、同時に「世界農業遺産」への申請が決定しました!    ...

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 「愛媛県南予地方の柑橘農業システム」も世界農業遺産への認定を目指している。

農業には夢がある。

 

 


日本で初めての世界農業遺産(GIAHS=ジアス) ~トキが舞い降りる佐渡~

2021-12-08 | 農業
世界農業遺産・GIAHS(ジアス)は、食糧農業機関FAOが、世界的に重要かつ伝統的な農林水産業を営む地域を認定する制度。
農林水産業という営みが、継承すべき遺産として世界に認められたもう1つの世界遺産です。
現在、世界22か国62地域、日本では11地域が認定されています。
 
佐渡は、国内で初めて認定を受けた地域の一つで、今年、認定10周年を迎えました。
佐渡では生きものを育む農法を実施し、トキをはじめとする豊かな生態系を維持する里山があります。
また、金銀山や能など、豊かな文化を背景とした農村文化が根付いています。
これらが、島全体で受け継がれていることに価値が認められています。

世界農業遺産GIAHS|ほっとホット新潟 令和3年10月16日放送

世界農業遺産・GIAHS(ジアス)は、食糧農業機関FAOが、世界的に重要かつ伝統的な農林水産業を営む地域を認定する制度。農林水産業という営み...

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 愛媛県南予地方の柑橘システムも世界農業遺産の認定を目指している。

実現すると、ふるさと伊方町平礒も世界農業遺産の地域に含まれる。

持続可能な農業、そしてふるさと。

農業には、夢がある。

 

 

 

 


ネオニコチノイド系農薬 人への影響は

2021-12-08 | 農業

 

 持続可能な農業とは。

 安心・安全な農業とは。

 

 人への安全性は高いとされ、広く使われている ネオニコチノイド系の殺虫剤。

ところが、ヒトにも影響を与える可能性があるという懸念が 最新の研究などから浮かびあがっています。

現場を取材しました。 (報道特集 2021年11月6日放送)

 

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ネオニコ系農薬 人への影響は【報道特集】

人への安全性は高いとされ、広く使われている ネオニコチノイド系の殺虫剤。 ところが、ヒトにも影響を与える可能性があるという懸念が 最新の研究...

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 ネオニコチノイド系農薬をやめた佐渡。

佐渡には、トキが舞い降りる。

日本で初めて世界農業遺産となった。

 


第14回 地域教育実践交流集会の閉会挨拶 ~Well-being(ウェルビーイング)について~

2021-12-06 | 地域づくり

 12月4日(土)、第14回地域教育実践交流集会がオンラインで開催された。

副代表ということで、閉会挨拶の大役が回って来た。

さて、どんな話をしたらよいものか。

 

 今回のテーマは、Well-being(ウェルビーイング)。

Well-being(ウェルビーイング)とは、「幸福」のことで、心身と社会的な健康を意味する。

満足した生活を送れている状態、幸福な状態、充実した状態などの多面的な幸せを表す言葉。

瞬間的な幸せを表す英語Happinessとは異なり、「持続的な」幸せを意味するのがウェル・ビーイングだ。

 

 15ある分散会、そして全体シンポジウムでも「地域教育とウェル・ビーイング」について様々な切り口で考えていった。

途中、閉会挨拶のことを意識しながら、参加していた。

そうして思いついたのが、「高校と地域のつながり」からウェル・ビーイングについて話そうと考えた。

以下のような話だった。

 

 『みなさんがイメージするウェル・ビーイング(幸福)は何色ですか?

黄色やオレンジ色をイメージする人は多いのではないでしょうか。

私が暮らす愛媛県伊方町は、本格的な冬に近づいていますが、山々は柑橘の鮮やかなオレンジ色に彩られ、実りの季節を迎えています。

本日の交流集会も実り多いものになったのではないでしょうか。

 

 今回のテーマは、Well-being(ウェルビーイング)ということで、高校と地域とのつながりについてお話したいと思います。

現在、愛媛県の多くの高校は分校化の危機にあります。

分校が何年か続き、入学者が少ない場合、廃校となってしまいます。

地域から高校がなくなる!

これは、地域にとって大変なことです。

地域の衰退は一気に進むことになるでしょう。

そこでそんな危機にある高校は、魅力化に取り組んでいますが、共通する取組は、地域との連携・協働です。

そのことがお互いにとってのWell-being(ウェルビーイング)につながるからです。

 

 そんな中から地元にある愛媛県立三崎高等学校について紹介します。

10年ほど前から入学定員の半分に満たない年が出始め、分校化の危機がささやかれ始めました。

そしてついに崖っぷちの状況に陥ってしまいました。

その間も地域との連携・協働の取組は続いていきます。

モデルのローラを感動させた裂織り、全国こんなものあるんだ大賞を受賞したみっちゃん大福、マーマレード世界大会アマチュア部門での最高賞受賞、

地元の海から塩を作りスイーツに利用したカフェなど。

 

2年前からは全国募集も始まり、何と分校化の危機を乗り越え、現在はV字回復している状況です。

地域づくりのカギを握るのは、「若者・よそ者・ばか者」と言われます。

様々な所から集まった高校生たちがまさに大活躍しているのです。

 

 最近の特徴的な取組を2つ紹介します。

1つは、みかんアルバイトです。

地域の柑橘農家は収穫時期を迎え、人手不足で困っています。

そこへ高校生たちがアルバイトとして手伝い、地域課題の解決に一役かっています。

これは高校生たちにとっても、農家にとってもWinWinとなっています。

 

2つ目は、秋祭りの出し物についてです。

昨年・今年とコロナ禍により秋祭りは中止されました。

そこで、地元の高校生をリーダーとして、一緒になって秋祭りの出し物を練習し文化祭で披露したのです。

唐獅子、五つ鹿踊り、浦安の舞を見事に踊りました。

会場からは、感動の声が上がり、「来年はうちの地区に来て、踊ってほしい」などの希望も出ました。

      

 

これらの取組は、誰一人取り残さない、持続的な幸せであるWell-being(ウェルビーイング)へとつながるものです。

 

最後にお知らせがあります。

現在、愛媛県南予地方の柑橘システムは日本農業遺産に認定されています。

それを今年度から世界農業遺産の認定を目指し、ネットワークづくりや取組が進んでいます。

学校、大学、行政、企業、農家、地域などが連携し、

農業、生物多様性、まちづくり、起業、環境、教育など、いろんな立場・視点から農業遺産をほりさげて、未来へつなげていきます。

 

本日の「かかわりをチカラに、つながりをカタチに」し、

来年は是非みなさまとお会いできることを楽しみにしています。

本日は大変ありがとうございました。』

 

        岬人(はなんちゅう)

 

 


足元にある Well-being(ウェル・ビーイング)

2021-12-05 | 農業

Well-being(ウェル・ビーイング)って何色?

 

 Well-being(ウェルビーイング)とは、「幸福」のことで、心身と社会的な健康を意味する。

満足した生活を送れている状態、幸福な状態、充実した状態などの多面的な幸せを表す言葉。

瞬間的な幸せを表す英語Happinessとは異なり、「持続的な」幸せを意味するのがウェル・ビーイングだ。

 

 今日、長崎鼻のみかん山に摘果と秋芽摘みの手伝いに行った。

天気も良く、見事な景色が広がっていた。

 

ウェル・ビーイングって何色のイメージだろうか。

山の緑?

海の青?

それともやはりみかんのオレンジ色?

 

 ひと休みする母。

幸せそうなひと時。

もちろん私も。

 

 ウェル・ビーイングって身近なところにあると感じる。

 

                 岬人(はなんちゅう)


佐田岬という呼び名の由来

2021-12-02 | 歴史・伝統・文化

 八幡浜市から豊後水道に突き出た約四〇㎞の、日本一細長いといわれる半島の名前は、当然「佐田岬半島」である。この名称は現在では定着しているが、昭和四〇年代までは、正式名称を「佐田岬半島」とするか「三崎半島」とするかで、役所や研究者の間で様々な議論があった。当時、愛媛県庁では企画部がこの半島の総合開発計画を立案していたが、計画書に出てくる半島名は「三崎半島」だった。県では、戦前から慣習として「三崎半島」を使用していたそうである。地元では「佐田岬半島」を用いることが多かったようだが、昭和四〇年の三崎町の町勢要覧をみると両方が記されており、その用法が混乱していたことがわかる。国土地理院作成の地図には「佐田岬半島」とあり、結局はこれに統一されていったという経緯があるbr>  さて、「佐田岬半島」は、全国で唯一、岬の名前をつけた半島名として珍しいものである。岬と半島は同様の意味なので、それを重ねることは稀なのだろう。それだけでなく、「佐田(サダ)」についても語源を調べてみると、佐田浦(現三崎町)から来ているものだが、柳田国男『石神問答』によると、もともとは岬を意味する言葉であると紹介されている(註1)。全国の岬の名称を見ても、鹿児島県佐多町に佐多岬という類似した名の岬があり、また、高知県の足摺岬についても、平安時代末期の史料に「蹉●御崎」とあり(註2)、古くは「サダミサキ」と呼ばれていたことがわかっている。
 つまり、「佐田岬半島」の「佐田」も「岬」も「半島」も、もともとは細長く海に突き出た地形をあらわす同じ意味の言葉であり、それが三重に重なっているのである。歴史と共に言葉が変わり、同じ意味の言葉が重なっていく。「佐田岬半島」の名称は、地名の変遷を重層的に体現していて面白い。
 なお、佐田岬に関しては、宝暦十三(一七六三)年に細田周英が描いた四国遍路の絵図である「四国 礼絵図」に「佐田ノ岬」とあり、江戸時代は「サダノミサキ」と呼ばれていたO崎町三崎の明治四〇年代生まれの老人に聞くと、戦前には「サダノミサキ」という呼称も残っていたらしい。
 「サダミサキハントウ」という呼び方は案外新しいものなのである。

註1 『定本柳田国男集』十二巻 筑摩書房刊
註2 『平安遺文』古文書編第七 三一八四

1999年10月21日掲載


みんま

2021-12-02 | 歴史・伝統・文化

ミンマ(巳午)の行事

1999年10月21日 | 八幡浜民俗誌

 「ミンマ(巳午)」とは、「仏さんの正月」とも言われ、十二月の巳の日に、その年に亡くなった人のための正月を祝う行事である。意外と知られていないが、この行事は、四国以外では見ることのできない全国的に珍しいものである。四国内でも全域で行われているのではなく、愛媛県内では全市町村で行われるものの、香川では愛媛県寄りの西讃地域、徳島県、高知県でも愛媛寄りの四国山地や幡多郡にて行われているといった分布域がある(分布図参照)。名称については地域差があり、中・南予では「ミンマ」、東予では「タツミ」と呼んでいる。これらは、行事が行われるのが巳と午、辰と巳の日であることに起因するものである。また、越智郡では「ミショウガツ」といい、この行事が巳の日を中心に行われていることが理解できる。また、上浮穴郡や周桑郡では「カンニチ」ともいい、これは陰陽道でいう凶日である「坎日」からきているものである。十二月巳の日は坎日とされており、ミンマが陰陽道の知識から発生したと推測できるのである。
 ミンマの行事内容は、地区や家々によって異なるが、八幡浜地方の一般的な内容は次の通りである。①本来は十二月に行われるが、八幡浜地方では十二月が忙しいからといって、十一月に行うことが多い。②自宅に簡単な祭壇を設け、位牌を祀り、餅、注連飾り、菓子、果物などを供える。③家族、親族が墓参し、墓前に柿の木枝を二本立て、注連縄をはり、一升餅、みかんや干柿などを供える。注連縄は左ないのものを使う。④墓前にて、死者の身の近い者が餅を後手に持ち、鎌で切って、墓参者に配って食べる、⑤その餅を食べると病気をしないという俗信がある、といった内容である。なお、双岩では、仏さんが女性の場合は巳の日に、男性の場合は午の日にミンマを行うとされ、これは四国内でも確認できない珍しい事例である。
 ミンマは、仏さんの正月を祝うとされるものの、実際の正月とは異なる点が多い。門松ではなく、柿の木枝を用いること、注連縄は逆のない方であること、餅は塩あんの餅であること、餅は順手ではなく、肩越しに渡さなければいけないなど奇妙な作法があること等である。これは、正月の類似儀礼ではあるものの、あえて逆のことをして、死者のための儀礼であることをあらわしているのであろう。そして、ミンマを祝うことで死者のケガレと決別し、忌明けとするのである。この行事は家族、親族がその年の不幸を断ち切り、新たなる年を迎えるための知恵から生まれたものと言えるだろう。

農業と宝について考える

2021-12-02 | 歴史・伝統・文化

正月に「宝」について考える

2007年01月01日 | 八幡浜民俗誌
 「宝」といえば人々にとって貴重な品物のことであるが、丁寧に「お」を付けて「お宝」と言ってしまえば、品物を金銭に換算してしまう印象を抱く。「お」を付けると、逆に「宝」の持つ高貴さのイメージが損なわれるような感じがするのは私だけだろうか。テレビ番組の「なんでも鑑定団」でも、歴史的資料の価値を金銭で換算して、一喜一憂しているが、「家宝」だと思って代々大事にしていた品物が、低価格で判断されて出品者が落胆するシーンは、視聴する分には面白い。しかし「宝」は金銭的価値だけで判断されるものではない。
 「タカラ」の語源を考えてみると、『大言海』という辞書によれば、タカは高貴の意味で、ラは接尾語という説を紹介し、また、江戸時代の辞書である『和訓栞』では、田力(タチカラ)つまり米の生産の意であることが説明されている。また、高崎正秀著『古典と民俗』によると、手に取り持った神がかりの依代の意で、タクラ(手座)の意味という説もある。これらは、「宝」が「高貴」・「田(米)」・「神」というキーワードで説明されている。必ずしも「お金」や「貨幣」には直接結びつくことはない。
 「宝」に関する有名な万葉集の和歌がある。山上憶良が詠んだものであるが、「銀(しろがね)も金(こがね)も玉も何せむに勝れる宝子に及(し)かめやも」、つまり、金銀も玉も、どうして子どもというすぐれた宝に及ぼうかという意味である。「子宝」という言葉もあるが、この「子宝」を金銭的価値で判断されてはたまったものではない。子どもは「宝」ではあっても、決して金銭的価値で判断される「お宝」ではないはずである。金銭では測ることのできない「宝」の価値を考えることは、子どものみならず人間の尊厳をも顧みるヒントになるのではないだろうか。
 さて、正月で宝といえば「宝船」を思い起こす。「宝船」は、宝物や米俵、七福神を船に乗せた一枚絵で、正月にこれを枕の下に敷いて寝ると吉夢を見ることができるという。この慣習は中世には既にあったとされ、江戸時代には、年末にこの宝船売りが町を売り歩いて、一般化したものである。様々な宝船の図像を見ても大判・小判(お金)がザックザック乗っているものは少なく、圧倒的に米俵が描かれている事例が多い。
 そもそも、大判・小判も米俵を模した形をしているように、日本では、お金は米をシンボル化したものであり、しかも、その米は、一年の稲作労働から生まれてきた生産物であり、言ってみれば「生産力の象徴」であった。
 これが、いつの頃からだろうか。お金のイメージから「生産力」の意味合いが薄れ、お金が「消費」を第一義としたものになってきている。これは高度経済成長期の出来事であろうか。いや、あえて時代を設定するならば、一九八〇年代ではないだろうか。高度経済成長期を生きてきた世代は、それ以前の自給自足とはいかないまでも、「生産」を基調とした日常生活(第一次産業中心の社会)を経験している。しかし高度経済成長期以降に生まれた世代は、日常生活の基調が「生産」ではなく「消費」へと変化した社会を生まれながらに過ごしてきた。この経験の有無による転換期こそが一九八〇年代であり、現在の高度消費社会、つまり日常生活では「生産」の感覚が薄れ、お金があれば何でもできると考えてしまうような「消費」第一の社会につながっているといえるのではないか。
 最後に、とても「宝」とは思えない「お金」・「貨幣」についての思考を述べておきたい。お金は触ると汚いもの、触ると後で手を洗いたくなるという感覚は多くの人が持っている。この点は『お金の不思議―貨幣の歴史学―』(山川出版社)によると、貨幣にはケガレが宿るといい、神社でお賽銭を投げる行為も、よくよく考えるとお金を投げつける行為は神様に失礼にあたるが、なぜかそれが許されてしまう。これは、実はお金・貨幣に自分の災禍・罪穢を移し託して、お賽銭として神社に投げ入れることで祈願行為となるというのである。江戸時代の国学者本居宣長も『古事記伝』の中で「お金を払う」の「払う」と神社での「御祓い」の「祓う」は同じ意味だとし、「今俗に、物を買たる直(アタヒ)を出すを、払ふとも払をするとも云は、祓除の意にあたれり、又これを済(スマ)すと云も、令清(スマス)の意にて、祓の義に通へり」と述べ、「決済」の「済」と「清」も、ハラった後に、スム(清らかな)状態を指すという。お金のない状態が清らかとは、おかしな気もするが、貨幣を手放すことで、災禍・罪穢が清まるのであれば、それにも一理ありそうだ。
 人、物、そして心も含めて、世の中のすべてのものを金銭的価値のみで判断していくことは、実は我々が自らが「宝」の持つ価値を放棄することにつながり、結局のところ、お金という単純な価値基準(拠り所)しか持てない脆い構造の社会になってしまうのではないかと、正月早々、要らない心配をしている。

(南海日日新聞2007年1月1日掲載原稿)