喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

日本農業遺産 ~愛媛・南予の柑橘農業システム~ ってどんなもの?

2021-07-11 | 農業

 日本農業遺産に認定されている ~愛媛・南予の柑橘農業システム~ ってどんなもの?

そもそも、「日本農業遺産」、「世界農業遺産」って何?

似た言葉に「世界遺産」ってあるけど。

 

 重要かつ伝統的な農林水産業を営む地域(農林水産業システム)を農林水産大臣が認定する制度が日本農業遺産。

それを国際連合食糧農業機関(FAO)が認定したものが、世界農業遺産。

 

 世界遺産が、貴重なものを変えずに保存していく。

これに対して、世界農業遺産は、持続可能性を重視。

そのときどきの状況に合わせ、変えずに残していくもの、変えていかなければならないものを見極めていく。

つまり、将来にわたり、持続可能なしくみを考えていく。

したがって、認定された後が大切で、アクションプラン(行動計画)をみんなで考え、目標達成に向けてみんなで取り組んでいく。

 

 

 日本農業遺産、世界農業遺産とは?

https://www.maff.go.jp/j/nousin/kantai/giahs_1_2.html

 

 漫画「南予のみかんは、なぜすごい?」がすごく分かりやすい。

https://ehime-nougyoisan.jp/wp/wp-content/uploads/2021/04/manga.pdf

 

 

 柑橘は、幸せの色がする。

柑橘は、幸せの味がする。

 

           岬人(はなんちゅう)

 

 

 

 


世界農業遺産の認定に向けて ~愛媛・南予の柑橘農業システム~

2021-07-11 | 農業

 喜久家ブログも久しぶりの投稿。

忙しさに理由を付け、更新していなかった。

「初心忘れべからず」

この喜久家ブログを書き始めた初心を思い出す。

「ふるさとを出ている人のために、ふるさとの様子をタイムリーに伝えること」

 

 こう思ったきっかけとなる出会いが、1か月前にあった。

その内容は、「世界農業遺産」

 実は、日本農業遺産というものがあり、愛媛県の南予地方の柑橘農業システムがすでに認定されていることを知った。

愛媛県は、さらに世界農業遺産認定を目指しているようだ。

 この話を聞いていて、わくわくした。

もちろん、ふるさと伊方町も含まれている。

何かが変わる予感がする。

 

 愛媛県南予地方に、柑橘農業に、佐田岬に新たな風が吹き始めた。

風を感じ、風を読み、風にのっかろう。

 風は土を作り、土は人をつくる。

つまり、風土が人をつくる。

 

 ※画像をクリック

柑橘農業システムとは|愛媛・南予の柑橘農業システム

愛媛が世界に誇る美しい景観と独自の農法を次世代に継承していくために、世界農業遺産・日本農業遺産認定を目指し、活動を行っています。

愛媛・南予の柑橘農業システム

 

 

                    岬人(はなんちゅう)

 

 


令和3年 ソトガイチの新倉庫完成

2021-07-11 | 農業

 令和3年、ソトガイチの新倉庫がほぼ完成した。

父は、ことあるたびに私を呼び、新倉庫への思いやこれからの構想を語ってくれた。

「この倉庫なら、これから50年はもつ。しかも使いやすいはず。

おまえは、どう思う?」

 私との大きな共通点は、「持続可能性」。

農業の魅力や大切さを、将来にわたり見つめていくということ。

 今だからまだ聞くことができる、話すことができる80歳を超えた父との会話。

それをお互い、楽しんでいる。

 

 これでもプレハブか、というくらいしっかりとしたもの。

県道との側壁は、もとの石垣を残した。

進入路をコンクリートで舗装し、大型トラックでも出入りや車の方向転換もしやすい。

 

 今年の収穫物は、この倉庫が使われた。

数カ月がたち、新たに少しずつ整備。

県道に面した倉庫表は、コンテナや消毒タンクを置くスペースとして使われている。

倉庫裏には、のり面との間に屋根をかけ、物が置けるような大きな空間ができた。

 

 進入口の砂利スペースの利用については、おもしろい使い道を考えている。

旧倉庫の増設部分の木造資材を使い、新たなものにリノベーション(作り変える)予定。

事務所プラスαとして。2階建てで。

この考えには、父も賛成。というよりも父の方がやる気満々。

 80歳を過ぎた歳だが、考え方が新しい。

地域の未来を、農業の未来を、そして我が家の未来を考えている。

未来が楽しみ。

 

 今、足りないのは経費だけ。

何とかならないものだろうか。

誰かの力を借りたいものだ。

 

       岬人(はなんちゅう)

 

 

 

 


令和2年 倉庫移転

2021-07-11 | 農業

 令和2年秋から本格的に始まった我が家の倉庫移転。

ハルサキの旧倉庫の整理とソトガイチの新たな倉庫の造成、建築。

三崎建設の多大な協力により、みかん畑が削られ、基礎が造成されていく。

 

 父の経験とノウハウにより、かなり考え抜かれた青写真ができた。

広さは、ハルサキと同じくらいだが、コンテナの並びを考え、縦を少し長くした。

 柑橘の保存環境を考えると、周りを木で囲まれ、涼しいハルサキには及ばないが、

我が家と近く、普段の農機具やトラックの保管等かなり立地条件は良い。

 小林建設の社長と何度も検討を重ね、50年先でも使えるようなものとなっている。

令和2年年の瀬、この基礎の上にプレハブが建ちあがっていった。

 

               岬人(はなんちゅう)


令和2年秋、倉庫取り壊し

2021-07-10 | 農業

 我がふるさとに県道拡張の話が持ち上がった。

その計画でいくと、我が家のハルサキの倉庫を移転しなければならない。

この倉庫は、倉庫の温度が高くなることを抑えることができるなど、柑橘の保存をするには環境がとても良い。

 苦渋の選択だったが、

「地域のみなさんが喜ばれるなら移転しよう。」

と父が決めた。

 その後も県道の用地交渉など大変なことが多かったが、令和2年度秋、進み始めた。

 

 取り壊されるハルサキの倉庫。

 この倉庫ができたときのことは、よく覚えている。

小学生ながら、屋根に上がってコールタール塗りなど手伝った。

 40年前、ここを建てた父にとっては、暮らしの倉庫であり、思い出の倉庫。

その心境を思うと、父の思うように協力した。

 

 農業を継いでくれている息子もトラックで移転作業をどんどん進めていく。

 

 年が明け、令和3年、ついに建物が取り壊された。

 建物がなくなってみると、案外狭く感じられる。

やがてこの基礎も取り除かれ、新たな道路となり、地域の交通が便利なものとなる。

 

 変化の少ない田舎だが、新しい時代の風が吹いている。

 

        岬人(はなんちゅう)


雪にも負けず デコポン

2021-01-18 | 農業

 1月16日(土)、ウジナのデコポンを収穫。

1週間前の大雪で雪害が心配されていた。

 

 でも、デコポンはたくましかった。

皮をむいて食べてみたが、味は上々。

 

 天気も良く、岬の空の青さと柑橘のオレンジ色が、喜びを高めてくれた。

 

 猫の手も借りたいくらい忙しかったので、我が家の犬もついて来た。

 

 佐田岬は、1年中で最も忙しく、喜びのある収穫のときを迎えている。

近くにお越しの折は、声を掛けてくれたら、一つご馳走いたしましょう。

 

            岬人(はなんちゅう)

 


浅野農園~太陽と潮風の恵み~ の贈り物

2018-01-18 | 農業
 こちら愛媛県最西端の佐田岬半島。
太陽と潮風の恵みを受けて育った柑橘。
 我が家族の愛情もいっぱい注いで。

 これからが本格的な収穫時期。

 まずはポンカン
オレンジ色を見ると幸せな気持ちになる


 前季の清見(きよみ)ジュース
熟成され、味がまろやかになている。




 ふるさとの宝物


 
 こんな柑橘を贈りたい人がいる。
気に入ってもらえるとうれしい。

 幸せをのせた柑橘。
幸せが広がりますように。

 
     岬人(はなんちゅう)
 

カラフルでヘルシーなふるさと佐田岬

2017-03-18 | 農業
 2月12日(日)。
 久しぶりの柑橘収穫の手伝い。


 カンクボに続いて、ヒラバヤに。
風は強かったが、空と海の青さがさわやかだった。


 母と二人で。
久しぶりに間近で見ると、やはり歳をとったかな。


 それでも手さばきはよく、全くついていけない。
どんどんコンテナがいっぱいになっていく。


 一つデコポンを食べてみた。
採れたてなので、少し酸っぱいが、瑞々しさがたまらなくいい。
ここでしか味わえないものだ。


 ヘルシーでカラフルなふるさと佐田岬だ。

         岬人(はなんちゅう)


幸せな柑橘の風景

2017-03-18 | 農業
 2月12日(日)。
久しぶりに柑橘収穫の手伝いをした。

 場所は、カンクボ。
母と二人で。


 モノラックで上って行く。


 瑞々しい清見タンゴール。
この風景を見ていると、幸せな気分になる。


未来に残したいふるさとの風景だ。


            岬人(はなんちゅう)

 

腐らないミカン

2017-01-28 | 農業
 昨年の大晦日に大掃除をしていたときにすごいものを見つけた。
それは、1年前に正月を迎えるために神棚に飾った柑橘(伊予柑)だった。

 それがこの写真。



 何と腐っていないのだ。
枯れている。

 「奇跡のリンゴ」を栽培し有名な青森県の木村秋則。

 木村秋則さんの奇跡のりんごは腐らない!
 普通に農薬、肥料を使って育てたリンゴと木村秋則さんの無農薬、無肥料で育てたりんごを置いておくと、
木村さんのリンゴは半年経っても腐ることなく、自然に乾燥していく。

 農薬、肥料を使ったりんごは徐々に腐っていく。

 木村秋則さんのリンゴはまさに「奇跡のリンゴ」です!
 農薬に頼らず、肥料にも頼らず自然の力だけで育ったリンゴは、
しっかり土の中に根を張って土から栄養を吸収するそうです。…

 「りんごはね、自ら育つ力を本来持っているのです。
私は、その力を横からそっと支え、応援しているだけです」と木村さんは言う。

 木村秋則さんのリンゴの木の根の長さはどのぐらい長いと思いますか。
なんと50メートルも伸びるらしいです!
「木は、肥料を与えなければどこまでも根を張って栄養分を吸収しようとするのです」と木村さん。


 1年間神棚に置いていたミカンがなぜ腐っていないのかは、よくわからない。
でも木村さんの考えにあてはまるようだったら、すごいことだ。

 「奇跡のミカン」を作ってみたい。

            岬人(はなんちゅう)

 

愛媛県立農業大学校で行われた大盛況の収穫祭

2016-11-05 | 農業
 息子は将来ふるさとの平礒で農業を営むことを思い描いている。
今時の若者にしては、めずらしい。

 だが、農業に夢があるのはまちがいない。
世の中の様子をみてもそう感じる。

 そんな息子が進路として選んだのが、松山市にある愛媛県立農業大学校。
今、女子学生も多くなり、かなりの人気。


 11月3日が収穫祭ということで、妻が様子を見に行った。



 門を入って大きなやぐらが組まれている。
そこに掲げられたしびれる言葉。
「学び育てて 技術を磨く、それが我らの農業人生」 
 まるで生き方そのものの心意気を感じる。


 各テントには、学生さんが作ったとびっきりの農産物が、安い値段で販売されている。
今、野菜の値段が驚くほど高い。
それなのに、ここでは驚くほど安い。そしておいしい。 
 じょうぶできれいな花の苗はあっという間に売り切れるらしい。

 北海道の士別からも直送された農産物が安く売られている。


 この行列は?


 何と、大根抜き体験。


 子どもたちに大人気。
食育としてとても大切な一面だ。


 息子が餅をついている。


 農大の実習田で収穫された米で餅をつく。


 背負っている言葉は、
「愛媛産には愛がある」
念ずれば花ひらくなどの詩人として有名な坂村真民さんの書。
 農大生たちの農業に対する誇りだ。

 かぶっている黒い帽子は、有名な愛媛の農機具メーカーISEKI(井関)。
その誇りに満ちた帽子がかっこよすぎる。


 そしていよいよついた餅の餅まき。


 こうして収穫祭は大勢のにぎわいで大盛況だったようだ。
息子の姿も生き生きとしていた。

 農業には、人を育てる力がある。
農業には、夢がある。


           岬人(はなんちゅう)

奇跡のみかん甘平(かんぺい)とデコポン(しらぬい)

2016-03-04 | 農業
愛媛県には信じられないほどおいしい柑橘が多い。
もちろんふるさと佐田岬三崎地区の清見タンゴール、サンフルーツなどは全国的に有名。



 甘平(かんぺい)は、2007年に品種登録をされたまだまだ新しいみかん。
まだ知名度も低く生産量も栽培の難しさからあまり増えてはいない。
 
 だが、甘平の魅力は果実の大きさからは想像できない味にあるといえる。
1月以降に出回る温州みかん以外の柑橘を総称して中晩柑(ちゅうばんかん)と言うが、
伊予柑・八朔・デコポンなど多くの種類が出回るが、
どれも糖度は高いものの酸も高めで 食べた際にある程度酸っぱさを感じる柑橘が大半。

 そんな中、この甘平は手のひらからはみ出しそうなほどの大きさがありながら甘味たっぷりで、
酸っぱさを全然感じさせない。
 もちろん甘ったるいだけではなく糖と酸のバランスが絶妙な美味しいみかん。

 甘平は愛媛県内でのみ栽培が認可されている品種で、
他県での生産販売が認められていない愛媛県限定の希少なみかん。






 果実は200~280g程で、頭部がこぶのように出ている。
これをデコと呼ぶ。
 果皮はやや粗く、その割りにむきやすい。
果肉は橙色で柔らかく、多汁。
ジョウノウも薄く、そのまま食べられる。
 
 基本的には基準で糖度13度以上、クエン酸1.0%以下と決まっているので、
酸味が強すぎるものなどはないことになっている。

 基準を満たしていないものや、JAに加盟していない生産者から出荷されたものは「不知火」として出荷される。

 みかん農家でありながら、柑橘が大好き。

 愛媛には、愛がある。

                岬人(はなんちゅう)


大雪によるふるさとの柑橘の危機

2016-01-25 | 農業
 23日土曜から降り続いた大雪。
しかも気温も低く、佐田岬ではめずらしく氷点下となり、水道も凍った。

 ここまでになると柑橘農家にとって
「雪景色がきれい」
などと悠長なことを言っている場合ではない。



 年を明け、収穫が本格的に始まったばかりで、
みかんの木にはまだたくさんの柑橘がなっている。
サンフルーツ、デコポン、そして清見タンゴールなど。

 

 雪が柑橘に積もり、長い時間が経ったり、凍ってしまうと、
柑橘の皮や中身の細胞が壊され、腐ってしまったり、味が苦くなってしまう。

 昨日、弟が表面の皮が雪にやられ、凍ったものをサンプルとして取って帰っていた。
どこまででくい止められるか、そして回復できるかが非常に気になっていた。
1年かけて育てた柑橘がたった1日の雪でだいなしになることさえある。



 あとは天(自然)にまかせるしかない。
今朝もまだ雪が積もり、伊方や瀬戸では臨時休校となった。
 その後昼にかけて日差しも見え始め、夕方には柑橘に積もった雪はほとんど溶けたようだ。
これにより、最悪の事態はまぬがれた。



 自然には勝てない。
ただ受け止めるだけ。
 それでも悪い事態をさけるため、農家の工夫は続く。 
農家のねばり強さは、ここにある。

 そんな物語があり、農家の逸品は消費者に届けられる。
ぜひ知ってほしい物語だ。


              岬人(はなんちゅう)


 

 

 

最後の運動会「二名津小学校」

2012-09-25 | 農業
 23日(日)、娘たちが通う二名津小学校の運動会が行われた。
 前日の夜から降り始めた雨は、朝方近くまで降り続き、
娘たちもできるかどうか気になっていた。
 雨があがった空は、どんどん回復し、9時15分から始まった。

 来年度から三崎小学校へ統合するため、最後の運動会となる。
 私が入学したのは、釜木小学校。
3年生まで過ごし、4年生から松小学校と一緒に二名津小学校へ統合した。
あれからもう30年以上経ち、3年前息子が卒業し、今年で双子の娘たちも巣立つ。

 今年が最後かと思うと多くの寂しさがこみあげてくる。
地域の人も同じ思いで、大勢つめかけた。
 地域ぐるみで学校を盛り上げ、大切にしようとする思いは、
今も昔も変わらない良さ。

「あることの終わりは、あることの始まり。」
だと思う。
 明るい未来に向けて、歩み始める。

                    岬人(はなんちゅう)
 

最後の運動会「二名津小学校」

成城ハニー 宍戸園

2010-11-01 | 農業
 昨日の続き。

 東京のど真ん中で農業をしている宍戸さん。

農薬のブルーベリーやバラのジャム。
バラの化粧水。
そして、このハチミツ。
 宍戸園について http://www.therapicotton.jp/topics/shishidoen-honey.html

 話を聞いていると、これが東京の農業か、
という驚きと新鮮さ。

「どんな人に、どんな商品を、どんな思いで届けたいか。」
宍戸園は、その点がしっかりとしているようです。

「誰でもいい。高く売れればいい。もうかればいい。」
それでは、絶対にうまくいかないと言われていました。


 さて、昨日の問題です。
「宍戸園では直売をしていますが、近くの人たちは成城ハニーなどの商品を求める以上に
お目当てとしているものは何でしょうか?」

 答えは、
「宍戸さんに会いたいから」
と言うことです。
 お父さんの宍戸さんが持たれている人がらが、みなさんをひきつけているとのことです。


 驚きました。

 商品のすばらしさはもちろんですが、
安心できる信頼関係が決め手だというのです。
 顔の見える売り手と買い手。
ふるさと佐田岬の商品も、そんなファンを一人ずつ増やしていきたいものです。


               岬人(はなんちゅう)