僕たちは一生子供だ

自分の中の子供は元気に遊んでいるのか知りたくなりました。
タイトルは僕が最も尊敬する友達の言葉です。

手紙

2007-06-19 | Weblog

一昨日、6月17日(日)、皆さんのおかげで、次女の結婚式が無事終わった。
梅雨入り直後にも関わらず当日は快晴。絶好の結婚式日和になり、二人に
とっても来賓の方々にとってもとてもラッキーだったと思う。

思ったよりとても早く過ぎた一日だった。
挙式が15時、披露宴が16時からと比較的遅い時間から始まる式やったけど、
結婚する次女はもちろん、長女の着付け等があるので2時間半前には式場に
着くようにと、家族全員で家を出たのが12時頃。予定通り12時30分には
式場に着いて、特に着替えの時間がかからない俺はかなり時間を持て余すや
ろなぁ、と思ってたんやけど、13時30分には着替えてください、と言われ、着
替えたと思ったら親族紹介だの挙式のリハーサルだのが始まり、アッと言う間に
挙式の時間がきた。

教会式の挙式だったので、参列者全員が見守ってくださる中、俺と次女が腕
を組んでバージンロードを歩くんやけど、これをすると聞いた時には考えただけ
で涙が止まらなかったのに、なんか本番は不思議と落ち着いた気分になってい
たね。でも、その前にちょっとグっときた時があった。それは次女が、式場の方に
顔に“ベール”をかけられた時。あのベールに何の意味があるのかは知らないけど、
急にそのベールを境に娘が遠くへ行ってしまったような気になってしまうのよ。た
だの白
い布一枚やけど、微妙に透けて顔が見えるあのシュチュエーションが、
なんか神聖な雰囲気を出すからからなぁ・・・なんやよう分からんけど、なんとか
泣かずに済んだものの、あれにはやられてしもたわ。
まぁ、それでも歩く時はまた落ち着いて幸せな気分になっていて、無事にバー
ジンロードを歩き、自分の席に着いた。そして横の席を見た時。長女が泣きじ
ゃくっていた。嫁も泣いている。ここまではなんとか涙を流さずにこれたのに、こ
れでもうアウトやった。もうしばらくはどうにもならんかったね。でも俺達両親・祖
母・兄弟の席は一番前やったので、その涙を家族以外の誰かに見られること
はなかったけど。

そして、式が無事終わり、次は披露宴へ。
乾杯の挨拶に始まり、主賓の方々の挨拶はどれも長すぎることなく、心を込
めて言って下さっていて、素晴らしかった。その中でも次女の友人代表として
スピーチしてくれたM子の話には感動した。彼女は娘の高校時代からの友人
で、その頃から、しょっちゅう家に遊びにきてくれていたので、もう今では家族の
ような存在。次女は彼女が遊びに来てる時でも平気で彼女をほったらかしに
して風呂に入ったりするし、また彼女もそういう時に何の違和感もなく、居間に
一人でいて俺達と話をしたりテレビを見たりしているような人だ。
その彼女は緊張でしゃべれなくなるから、と前もって自分で書いた手紙を読ん
でくれた。ここには書かないがそれは二人が結婚するまでには色々なことがあっ
た。親の俺達が知っていることだけでも、苦難の連続だったと思うけど、親友で
ある彼女は俺達両親が知らない苦労も知っていたはずで、その感情を押さえ
ることができなったんやろう、やがて涙で話ができなくなってしまった。俺も、彼
女がきっと今日までのことを思い出して感極まっているんやろう、と思ったら、涙
が止まらなくなってしまった

彼女の挨拶の前に、遠い所から式に参列してくれ、次女を小さい頃から可愛
がってくれたKが言ってくれた。「二人には友達が多いね、素晴らしい」と。ほん
とにその通りだと思った。人生において友達はある意味、家族より大切な存在。
それをほんとにそう感じた瞬間やったね。

実はそのM子の挨拶の前に俺達両親が計画したサプライズがひとつ入ってる。
それは、一度目のお色直しの入場曲(確かエアロスミスのI Don't Want to Miss
a Thingだったと思う
)をジャックして俺達夫婦と友達夫婦が生演奏する入場曲
にすり替えてしまおう、というもの。曲は色々考えたけど、娘がよく聞いていた浜
崎あゆみの「TO BE」。50前のおっさんおばさん4人で歌うにはちょっと歌うほ
うも聞くほうも、無理があったけど、娘達やその友達が知らんような曲じゃ盛り上
がらへんからね。
ギター2本、ボーカル2人で歌い始め、やっぱり4人では盛り上がりに欠けるので、
途中から、次女の友達
12人が入って歌うという構成にして、演奏が始まると同
時に入場してくる二人の驚いた顔を見て楽しもう、という単純な企画やったけど、
まぁ、予定通り二人は驚き、そして喜びもしてくれたみたいで一応成功したとい
えるかな。
それより、びっくり&感激したのは、この式をプロディースしてくれた式場のTさん
(女性)が、演奏が終わり席に戻った俺達の横にきて、「うまくいってよかったで
すねー、感動しました!」といいながら涙を流してくれていたこと。確かに俺達
もうまくいってよかった、とは思っていたけど、そないに涙を流してもらうほど感動
的なことをしたとは思っていなかったので、これにはほんとにビックリで、俺達の
ほうがサプライズやった。でもこういうことにいちいち感動したと言ってたら務まら
ない仕事をしている人が、涙を流して感動してくれていた訳で、ほんとにいい
人にプロディースしてもらえてよかったなぁ、と思ったわ。


そうして涙あり、笑いありで、式は滞りなく進み、いよいよクライマックスへと近
づいてくる。

そして最後の花束贈呈。ふと前を見ると、なんや俺達の前にいる二人がミッキ
ーとミニーを持っている。俺達はそんなものを受け取るとは聞いてなかったので、
夫婦で顔を見合わせていたら、
司会の方が、それは、二人が生まれた時の体
重と同じ重さのミッキー&ミニーで、二人からのサプライズプレゼントです、という。
これにはびっくりはしたものの、それでもここまでは、へぇ、二人も色々考えとった
んやなぁ、と嫁と笑っていた。
で、最後の最後。次女が花束を渡してくれたと同時に、司会の方が、「今日
は父の日で娘さんからお父さまにプレゼントが・・・」と話始めた瞬間、何かが
一気に込み上げてきた。そして、次女が花束と一緒に、「手紙書いたから後
で読んどいて。ここで読まれるのは嫌なんやろ?」と言って、手紙を渡してくれ
た。さすがにここまではなんとか人前ではこらえていた涙がどうにも止まらんよう
になってしもたね。

俺は、自然に感動して泣くのはいいけれど、「わざと簡単に」泣かせるような
演出は大嫌いな
ので、娘には絶対に披露宴の最後に手紙を読んだりするよ
うなことはするな、と言っていた。それは、親子間での感謝の気持ちなんての
は手紙にするのはいいとしても、わざわざ人前で読むもんじゃないと思うし、お
互い、分かっていて当たり前だとも思うし、何より俺達親子はそれまでに、式
場の簡単な仕掛け※1に引っかかって流すような安っぽい涙※2の何千倍も涙
を流してきたから。
花束ももういい、と言っていたのだけれど、まぁこれがないとどうも式の終わりが
まとまらないらしく、まぁそれだけは受け取ることにしていたんやけれど。

泣き所は“つかれる”と簡単に安っぽく涙がでる。でも“はずそう”としてくれると、
その思いやりが渦を巻いて押し寄せてきて、心の底から涙が自然とあふれてく
る。

俺はそうしてくれた次女を我が娘ながら誇りに思う。

手紙の内容は書けない。思い出すだけでも涙が止まらなくなるから。
どうぞ、全世界中の幸せが彼女に与えられますように。


※1式場を批判しているのではなく、あくまでも私個人の好みです。事実この
    式場の方々は皆さんとても親切・丁寧で、気持ちのよい対応をしていただ
    き、最高の式ができたと感謝しています。
※2これもあくまでも私の娘の式でのことです。他の方が流される涙がそうであ
  るとは全く思っておりません。

PS:式に参列してくださった方々、それまでに祝辞をくださった方々、その他
   関係者の皆さまのおかげで滞りなく式を終えることができました。この場
   をお借りして厚く御礼申し上げます。