僕たちは一生子供だ

自分の中の子供は元気に遊んでいるのか知りたくなりました。
タイトルは僕が最も尊敬する友達の言葉です。

神戸の音楽レベル恐るべし

2010-02-24 | Weblog
先日、取引先の部長のお誘いで10年ぶりくらいに神戸(三宮)で食事&音楽鑑賞をした。
ところでこの部長、自宅に、ものすごい、ではすまんようなもうケタ外れのオーディ
オ(ルーム)を持っておられる。私が音楽好きなことを知っておられて、一度自宅にお
いで、とお誘いいただき、そのオーディオルームの音を聞かせていただいたが、まぁ
そら「そこに誰かいて歌ってる」という感じがして、知らない音楽なのにそのミュー
ジシャンの顔まで浮かんでくるくらいの臨場感であった。
超一流会社にお勤めで、きっと年収もすごいんだと思うが、下衆な話で申し訳ないが
下手すりゃ“億”かかってるんとちゃうかな、というくらいのこだわりで作られたその音
はもちろん自分にとって、もう異次元の世界だった。

そんな部長が一緒に酒を飲んで音楽を聞こうと誘ってくださった。もちろん喜んで出
かけていったわけだが、食事を済ませてから、まず最初にいったライブレストランバ
ーで早くも度肝を抜かれた。この店、SONE(ソネ)といって神戸では老舗らしいのだが、
ミュージックチャージは900円。入る時まず目に入ったのがこの「900円」だったので、
正直、えらい安いなぁたいした人でてないのかなぁ、くらいの気持ちで入店したのだ
が…。ピアノの最初の一音を聞いただけで「ひぇぇ、なんちゅうええ音だすねん!」
と驚愕してしまった。上品で優しいタッチがSTEINWAYのピアノに息を吹き込む。レベ
ルの高いオーディエンスがさらにその音に“和”を加え、箱の適度な大きさと反響、
PAシステム全ての調和が紡ぎだすその音は、俺にとってまさに珠玉の世界であった。
JAZZに明るくないので、申し訳ないが名前も顔も知らないミュージシャンの方々ばか
りだったのに、この演奏。900円でこの演奏。

そして2件目はチャーリーズ、という。こちらも神戸では有名な店らしいのだが、この
店のウリはなんと言ってもマスター(チャーリー)がルパン3世のテーマ―足もとに
絡みつく~ていう歌詞の―を歌った人であるということ。
店に入るとステージとエレキギターが1本、そして5~6種類のギターアンプがずらっ
と並んでいて、店にあるチャーリーのポスターはどれもギターを抱えているものばか
りだったので、ここでまずこの人はギタリストなんだろうなぁ、程度の予備知識を
得ることになった。そして演奏が始まったのだが…そこに広がったのはもうそれは驚
異的なギターテクニックとフレーズの素晴らしさだった。
高校卒業後ロックバンドでプロとしてデビューしたらしいが、はっきり言って全く聞
いたこともないバンド。ただそれはその道の人には知られた存在やったからルパンの
歌の依頼がきたわけやろうけど、それでもギタリストとしてもボーカリストとしても
誰もが知ってる存在じゃない。それやのにこのハイレベル。チャージは1300円で前述
のSONEに比べればちょっと高いがこれくらいはごく普通やし、レベルからするとかな
り安いとも言える。

ホンマ、ソネといいチャーリーズといい、神戸の音楽レベルの高さには全く驚かされ
た。そしてもっと驚いたのが、こんな高いレベルの人でもメジャーではない、という
こと。
実力はメジャー級という人はアマチュアにもいくらでもいると聞く。そこから先はや
はり「個性」がまず大切で、次には「運」もあるやろう。結局メジャーな人というの
はもはや神がかり的な要素を兼ね備えているということ。

高槻もジャズが盛んな街で、秋吉敏子さんや日野テルマサさんという世界的ミュージ
シャンの音楽を聴ける機会が何度かあった。もちろんすばらしい演奏だったわけやけ
どそこはやはり数千人は入る大きな箱なので、親近感が乏しい。
できうることならこのような世界的ミュージシャンの演奏をこの神戸のライブバーで
聞いてみたい、そう思った三宮の夜であった。