僕たちは一生子供だ

自分の中の子供は元気に遊んでいるのか知りたくなりました。
タイトルは僕が最も尊敬する友達の言葉です。

飽きるからこそ

2020-08-26 | Weblog
オーディオマニアの先輩がいる。そのマニア度は半端ではなく有名オーディオ雑誌の特集ページに掲載されるほどだ。
何度がご自宅に寄せていただいてその自慢のオーディオの音を聴かせていただいたことがあるのだが、最初に聴かせてもらったジャズボーカルでは、「そこに歌手がいる」と思うほどリアルで濡れた音で、度肝を抜かれた。
当然オーディオルームがあり、そこにほぼ手作りのスピーカーやアンプ類がセットされ、座る位置も決まっている。低音と高音では人の耳に届く速さが違うため、低音と高音で別々のアンプとスピーカーがあり、低音が高音よりわずかに早く発音するようにしてある。低音側のスピーカーは自転車の車輪ほどあり、高音側のスピーカーは鼻息がかかっても破れてしまうほどのデリケートな素材で作ってある。
これほど凝って作り出した音はもちろん私の中では別世界の素晴らしさであり、こんな音を毎日聴けたらそれは幸せだろうな、と思って先輩にそう言ったら、「この音は3日したら飽きるからまた手を加える」なんて想像もしない言葉が返ってきた。
とにかくその時どんなに素晴らしい音だと思っても3日もすれば飽きてしまうのがオーディオの難しさでもあり魅力でもあるらしい。
でもこの話を聞いて思った。実は私たち人間も数日前の自分に飽きているんじゃないか、と。
毎日同じ音を出してる自分って考えたらつまらない。飽きるからこそ前へ行けるんやね。