

昼食前に「★さん、足を洗いましょうか?」と担当の方がお見えになりました。
新聞を敷いて、大きめの桶?を用意されて、熱くありませんか?と父に問われました。
「いいえ」
この機会に行程を見せて頂きました。
足をつけてからすぐ洗浄が始まるのではなくて、暫くそのまま、時間の経過を待ちました。
くるぶしの少し上から、それは丁寧に、指の一本一本を洗って行かれます。
<ああ、こんな事をしたことがない。Jにしてやったらどんなに喜ぶことだろ。いつも、Jさん、水虫じゃないの?と意地の悪い事ばかり言っている>
さら湯に変えて、石鹸を流していかれます。
天使の手ってこれを言うのかも知れないなぁ。
“手当て”の手の何と優しい事でしょう。
知らずと頭が下がりました。
この事ひとつを見せて貰っても、自分は出来ていないと、がくっとうなだれます。
父はリハビリに向けても意欲を持っています。
その根底は、出来る限り自立をして、三人の娘に迷惑を掛けたくない、どの親も思う親心なのだと思います。
「お姉さん、最後はどうして欲しいのか、そろそろエンジングノートでも・・・」と言われて、このJを残して何としましょうか?
体は大きいし、お金は無いし、娘のぼやきが聞こえそうで、ぶるっと身が震えたのは、どうやら雪のせいばかりではなさそうです。

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